神奈川県教職員組合(神教組、加藤良輔執行委員長)で、県から小中学校の主任教員に支給された「主任手当」を原資に同教組が設立した「教育振興基金」の約8億円が会計上、消えていることが1日、産経新聞社の調べで分かった。神教組は別団体に「委譲」したと説明していたが、委譲先の団体の決算報告書には記載がなかった。主任手当は税金から出されており、巨額の“消えた基金”に教組関係者からも疑問が出ている。

 教育振興基金は、県から主任教員に毎月3千円支給された主任手当のうち2千円分を神教組側が集めた金で設立。主任手当は廃止されたが、神教組管理下で基金運営が続いている。

 神教組の決算報告書では、基金から平成19年度に8億6265万円を委譲金として支出。委譲先は横浜市教職員組合(浜教組)と説明した。しかし、浜教組の同年度の決算報告書では基金からの委譲金は5606万円だけで、残り8億659万円の記載はなかった。

 規定では、基金は神教組の執行委員長が保管し、役員と地域の教組の代表者で構成する管理運営委員会が管理している。8億円超について、神教組は「浜教組に委譲したのは事実。消えたわけではない」と強調。ただ、神教組の芹沢秀行書記長は「基金は公金ではない。公金だというなら取材には応じられない」、浜教組は「担当者が多忙のため不在で対応できない」としている。

 不透明な基金運営をめぐり、県民が加藤委員長を刑事告発している。

 主任手当をめぐっては、民主党の小林千代美衆院議員陣営へ不正支出を行ったとして北海道教職員組合の幹部らが逮捕・起訴された事件で、検察当局が支出の原資だった可能性があると指摘している。

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