新型インフルエンザ対策で政府が用意したワクチンのうち、234万回分が今月末で使用期限を迎え、廃棄処分される。流行の沈静化などで思ったほど接種希望者がいなかったためだ。ワクチンは現在、国産と輸入を合わせ約1億回分が余っており、多くは順次、使用期限切れで廃棄される見通し。厚生労働省は31日、有識者らによる新型インフルエンザ対策総括会議の初会合を開き、対策が適切だったか、検証に入る。【佐々木洋】

 厚労省によると、新型のワクチンは国内4メーカーで約5400万回分を用意。不足の懸念から昨年10月、スイスのノバルティスと英国のグラクソ・スミスクラインから計9900万回分を輸入する契約も結んだ。輸入費用は1126億円に上る。

 だが、1人2回接種の予定が原則1回に変更され、流行も昨年11月をピークに沈静化したため、ワクチンの推定接種者数は2282万人にとどまった。国産ワクチンすら余り、実際に出荷された輸入ワクチンは3995回分にすぎなかった。

 このため、厚労省はグラクソ・スミスクラインとの間で、購入予定の7400万回分のうち2368万回分(257億円)を解約することで合意した。一方、ノバルティスとの交渉は難航しているという。

 ワクチンの使用期限は製品ごとに異なる。ノバルティス製は製造から半年間で、今夏までに2500万回分すべてが期限切れとなる。国産は半年と1年間の2種類で、来月~来年3月にかけて順次、期限切れとなる。

 解約分を除いたグラクソ・スミスクライン製の5032万回分は1年半と比較的長く、備蓄して再流行や来季に備えるという。

 ただし、来季用のワクチンは、新型と季節性を混合した1種類に統一する方針で、保存分が使われる可能性は低い。

 厚労省は「インフルエンザの動向は予測が難しく、ドイツやベルギーなどでもワクチンの余剰が生じている。総括会議の指摘を今後の施策に生かしたい」としている。

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