2008-08-02 11:28:05

『ラストゲーム 最後の早慶戦』

テーマ:映画・DVD[ら行]
昨日の夜はYahoo!レビュアー限定の試写会で当たった『ラストゲーム 最後の早慶戦』を観に、渋谷のシネカノンさんの試写室に足を運んできました。
ちょっと仕事が長引いたので、間にあうか心配だったんだけれど、移動してみたら開場前についてひと安心。

********************

昭和18年。戦争が激化する中、練習に励む早稲田大学野球部の若者たち。六大学野球はすでに解散が決定しており、来るべき学徒出陣に備えるように圧力がかけられていた。そんな中、顧問の飛田のもと選手たちは、出陣のその日まで野球を続けると誓っていた。部員の戸田は父親から厳しく詰られながらも、兵隊に志願した兄の言葉を胸に、合宿生活を続けていた。そんなある日、慶応の小泉が飛田のもとに早慶戦を申し込みにやってくる…。

太平洋戦争のさ中、野球は敵国アメリカの国技だという理由で六大学野球は解散を余儀なくされる。そして、学業優先で徴兵を猶予されていた学生たちも戦争に駆り出される、学徒出陣はすぐそこに控えていた―。そんな時、戦場に赴く前の最後の願いとして行われた“出陣学徒壮行早慶戦”の、実現までの紆余曲折が描かれる。やがて死地へ向かう選手たちが、試合中、悦びに満ちた表情を見せるたび、哀しさが胸を突く。試合後の両校応援団によるエール合戦には涙を禁じえないだろう。本作が凡百の青春映画ではないポイントの一つとして、選手たちを見つめる顧問・飛田の真摯な描き方が挙げられる。演じる柄本明の“熱さ”は大きな見どころだ。(From goo映画)

********************

もともと日本映画をあまり観ないこともあって、そんなに強い興味をもって観に行った作品ではなかったんだけれど、映画を観てみたら最後までに何度涙を流したことか。こういう作品に自分はめちゃくちゃ弱いみたいです。
映画が終わるまでに何度も何度も号泣している自分がいました。

戦争を題材にした映画とはいえ、実際の戦争の描写が描かれていないことで生々しさを感じさせることもなく、野球に青春を燃やした青年たちの姿が印象的な作品になっていました。
直接の描写がないとはいえ、学徒出陣が決まったことや、人々の間に不利な状況で進んでいるんではないかという不安などを盛り込むことで、戦争の火の粉が徐々に押し寄せてきている様は十分に感じられます。
戦争に出征することが決まっている中での早慶戦。生きて帰ってこられないかもしれないという思い。
その儚さの美学とでもいうのか、その中を懸命に野球にかけた選手たちの姿に心打たれる思いでした。
試合が出来ることへの喜び、最後の試合になるかもしれないという思い、色々な思いを胸に秘めて試合をする選手たちのことを思うと、とても胸が切なくなります。
goo映画の作品解説にある試合後の両校応援団のエール合戦は本当に心が温かくなります。お互いがお互いを敬っているという空気、そういうものが今の時代には希薄に感じられるからこそ、余計に感動させられるのかなとも。

軍部からの圧力や大学総長の反対にもめげずに、選手たちに思い出作りの試合をさせてやりたいと尽力した顧問の飛田の熱い思い、野球愛を強く感じて、その一本気な生き方そのものがとてもカッコいい人物だなと思わされました。
主人公の戸田に関しては家族描写もあって、父の威厳・母の思い、そして各々の考え方、時代感覚を感じさせてくれるひとコマでもありました。一家族という目線からの戦争への問題提議もよかったと思います。

主人公の戸田を演じたのは渡辺大。渡辺謙さんの息子さんですが、とても目力のある人で爽やかな主人公を好演されていました。見た感じとてもお父さんに似ていました。オーディションで彼が主演にすぐに決まったらしいというのも、納得させられた感じです。
顧問の飛田を演じるのは柄本明。苦悩をにじませながらも熱血漢の顧問を熱い演技で見せる柄本さんの熱演があってこその映画でしょう。とても引き込まれる人物像を作り上げられていたように思います。
慶応大学の総長・小泉を演じるのは石坂浩二。実際に慶応大学卒でもありますし、慶応カラーがハマッたキャスティングになっていると思います。品性と穏やかさを感じさせるその演技には生徒ならずとも下の者から慕われるオーラをも感じさせてくれるかなと。
それ以外にも早稲田大学の総長に藤田まこと、戸田の父親役に山本圭、宮川一朗太、三波豊和といったベテラン陣がそろった印象。
選手たちを演じるのも柄本さんの息子さんの柄本佑、中村雅俊さんの息子さんの中村俊太など二世俳優さんの出演が多いですが、若手の爽やかさをベテラン陣の演技で盛り立てるといった構図はうまくはまっていたと思います。
そして、戸田の母親を演じた富司純子。一番泣かされたのは富司さんの演技にかもしれない。ちょっと前に見た『山桜』の時も出演時間短いながらも強いオーラを感じさせていましたが、この作品でも非常に印象に残る演技をされていました。母親としての思いや苦悩を吐露するシーンはやるせなくて切なくなりました。

今映画を思い出してみても、涙が出そうになるようなそんな素敵な映画。日本映画では自分には今年今のところ一番好きな作品です。

それとこの日の試写会は脚本家の古田求さんのお話も聞けたので1度で2度おいしい試写会になりました。

8月23日(土)より、シネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQN、新宿バルト9ほかで全国ロードショー。

公式サイト
http://www.lastgame-movie.jp/
公式ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/lastgame1943/

監督:神山征二郎
出演:渡辺大、柄本佑、和田光司、脇崎智史、片山享、中村俊太、原田佳奈、柄本明、宮川一朗太、三波豊和、山本圭、藤田まこと、富司純子、石坂浩二 etc

ラストゲーム 最後の早慶戦 コレクターズ版(2枚組/完全生産限定) [DVD]

¥4,549
Amazon.co.jp

ラストゲーム 最後の早慶戦 (通常版) [DVD]

¥3,032
Amazon.co.jp

にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加中。応援クリックもお願いしまーす。

コメント

[コメント記入欄を表示]

1 ■どうも~

私の次の日だったんですよね。
監督さんのお話も素敵でしたが、脚本家さんのお話もお伺いしてみたいですね。

>一番泣かされたのは富司さんの演技

そうでしょうね。予告でも使われていましたけど、観る人にとっては印象に残るシーンだと思います。
自分はこれ泣くかなあと思ったんですが、そんなに泣かなかったんです^^; ウルウルのウルくらい(笑)
でもいい映画でした^^

2 ■☆rose_chocolatさん

こんにちはー。
脚本家の方のお話も面白かったですよー。
自分はなんかホントこういう話に弱いらしくて、途中からは涙がずっと流れてたんですよねw。
印象に残るシーンの多い映画だったなーって。

3 ■ラストで…

クライマックスの両校が、互いの校歌を歌う、彼処で、来ました。 涙腺決壊、で、鬼束ちひろのエンディングテーマに続く流れで、目から汗が…

地味、と言ってしまえばそれまでですけど、この映画には、こう言う演出がぴったりかと、敢えて地味目に仕上げた故、史実がリアリティを持つ、そんな映画だと感じました。

兎に角、泣けました。。。

4 ■☆sensitiveblueさん

鬼束ちひろさんの曲もこの作品ににあっていて、よかったですねー。
エール交換は感動しますよねー。そういうスポーツマンシップの爽やかさも感じさせてくれて、自分も思う存分泣かされました、この作品。

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/10122684261/f8d53395

  • 1 ブログタイトル:cinema!cinema!~ミーハー映画・DVDレビュー
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』
  • 記事概要:昨日の夜はYahoo!レビュアー限定の試写会で当たった『ラストゲーム 最後の早慶戦』を観に、渋谷のシネカノンさんの試写室に足を運んできました。ちょっと仕事が長引いたので、間にあうか心配だったんだけれど、移動してみたら開場前についてひと安心。******************...
  • 2 ブログタイトル:NiceOne!!
  • 記事タイトル:『ラストゲーム最後の早慶戦』 (2008) / 日本
  • 記事概要:監督:神山征二郎出演:渡辺大、柄本佑、柄本明、石坂浩二、藤田まこと試写会場 : シネカノン試写室公式サイトはこちら。<Story>昭和18年。戦争が激化する中、練習に励む早稲田大学野球部の若者たち。六大学野球はすでに解散が決定しており、来るべき学徒出陣に...
  • 4 ブログタイトル:MoonDreamWorks
  • 記事タイトル:■ ラストゲーム 最後の早慶戦 (2008)
  • 記事概要:【ラストゲーム 最後の早慶戦】8月23日(土)公開監督 : 神山征二郎出演 : 渡辺大/柄本佑/和田光司/脇崎智史 他観たい度 : ★★ → 観賞後の評価 ★★★  「ラストゲーム 最後の早慶戦 (2008)」昨年は早稲田大学創立125周年、そして今年は慶應義塾大学が...
  • 6 ブログタイトル:とりあえず、コメントです
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:1943年に行なわれた野球の早慶戦のエピソードを映画化した作品です。 徴兵を前にした学生たちや家族、そして彼らを見守ってきた先生たちの想いに胸がいっぱいになりました。 1943年。戦況は悪化して六大学野球リーグも中止され、野球の練習もままならなくなっていた。 野球
  • 7 ブログタイトル:象のロケット
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:戦争真っ只中の1943年、「野球は敵国アメリカのスポーツだ。」と、東京六大学野球は解散、さらには学徒出陣も開始された。 バットから銃へ。 そんな中、慶応義塾大学塾長・小泉信三から早稲田大学野球部顧問・飛田穂洲に「早慶戦」の申し込みが。 「二度と帰れないかもし
  • 8 ブログタイトル:★試写会中毒★
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:満 足 度:★★★★★★★    (★×10=満点)  総 監 督:神山征二郎 実  況:渡辺大       柄本佑       和田光司       脇崎智史       片山享 、他 ■内容■  戦況が悪化する1943年、学生に対する徴兵猶予が停止
  • 9 ブログタイトル:たーくん'sシネマカフェ
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』@映画美学校試写室
  • 記事概要:京橋の映画美学校試写室にて「ラストゲーム最後の早慶戦」鑑賞。建物が年代物。この作品(戦時中の話)を観るにはいい感じでした。(C)2008「ラストゲーム最後の早慶戦」製作委員会監督:神山征二郎 脚本:古田求 歌:鬼束ちひろ 出演:渡辺大、柄本佑、和田光司、脇崎智...
  • 10 ブログタイトル:pesucaのシネマ日記
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』
  • 記事概要:[c]2008「ラストゲーム 最後の早慶戦」製作委員会 お友だちの映画仲間に誘っていただき、トークイベント付きの 試写会に参加させていただきました この映画は、自分でも何通か応募していたのですが、全滅 してたのでかなり嬉しいお誘いでした。 お話の方は 太
  • 11 ブログタイトル:日々“是”精進!
  • 記事タイトル:劇場鑑賞「ラストゲーム最後の早慶戦」
  • 記事概要:「ラストゲーム最後の早慶戦」を鑑賞してきました昭和18年、太平洋戦争の中で敵国アメリカの国技という理由で解散させられた六大学野球部員たちの青春を描く実話を元にした人間ドラマ。監督は神山征二郎。主人公の早稲田の学生を演じるのは渡辺謙の長男、渡辺大。他に柄...
  • 12 ブログタイトル:オールマイティにコメンテート
  • 記事タイトル:「ラストゲーム最後の早慶戦」プレーした足跡と思いと愛を伝えた伝説のラストゲーム
  • 記事概要:「ラストゲーム最後の早慶戦」は1943年に学徒出陣に追い込まれていた日本で野球を続けていた早稲田大学と慶応大学との間で行われた戦時中最後の試合が描かれた作品である。日本にプロ野球が発足して70年以上経つが、戦前は6大学リーグが人気があり、そこでプレーした.
  • 13 ブログタイトル:佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:公式サイト。神山征二郎監督。渡辺大、柄本明、石坂浩二、藤田まこと、富司純子。特に感想はなく、ただ淡々と見入る。東京六大学野球が戦時に解散したといえ、これだけのことをやれるのは、やはり国民的人気のあった証のような。
  • 14 ブログタイトル:映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:戦争中、敵国のスポーツだった野球を愛したエピソードは多いが、これもそのひとつ。学徒出陣直前に、若者たちにせめて思い出をと、壮行早慶戦の実現に奮闘した早大野球部顧問の飛田の姿を描く。それぞれの立場で野球と学生たちを愛する人々の思いが胸を打つ。早稲田、慶応の.
  • 15 ブログタイトル:カノンな日々
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦/渡辺大、柄本佑
  • 記事概要:太平洋戦争によって大好きな野球が敵国の国技という理由で出来なくなったという話は見聞きしたことがありました。学徒動員や徴兵によって戦地へ行き亡くなった選手も多くいたことでしょうね。学徒出陣を目前にした球児たちの願いはただ一つ「早慶戦」。戦下での野球に懸けた.
  • 16 ブログタイトル:花ごよみ
  • 記事タイトル:ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:野球と戦争。 戦時下の大学野球。 実話の映画化ということです。 昭和18年、 六大学野球連盟の解散、 大学生の徴兵猶予もなくなり 学徒出陣へと…。 主演は渡辺大。 渡辺謙の息子さんです。 似ているんだけど、 謙さんのような陰影のある目ではなく からっと明るい目を
  • 17 ブログタイトル:流れ流れて八丈島
  • 記事タイトル:試写会「ラストゲーム最後の早慶戦」
  • 記事概要:当直明けの日には、日中は家でのんびりしてから夕方のっそり出動して、試写会というパターンが定着してきました。いい傾向です。今日の試写会は有楽町よみうりホールで、「ラストゲーム最後の早慶戦」。泣きの邦画みたいですね。時代は第二次世界大戦下の1943年、禁じ...
  • 18 ブログタイトル:ketchup 36oz. on the table ~新作映画レビュー
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』
  • 記事概要:『ラストゲーム 最後の早慶戦』 監督:神山征二郎 脚本:古田求 出演:渡辺大、柄本佑、和田光司、脇崎智史、片山享、中村俊太、原田佳奈、柄本明、宮川一朗太、三波豊和、山本圭、藤田まこと、富司純子、石坂浩二 ほか (C)2008「ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 19 ブログタイトル:Beinthedepthsofdespair
  • 記事タイトル:「ラストゲーム 最後の早慶戦」試写会、感想。
  • 記事概要:前回は、よみうりホールで一度この映画の試写会に行ったのですが、待っていた時の疲れと、体調不良で、睡魔に負けてしまい、ちゃんと最初から最後まで観られませんでした。なので、リベンジの意味を込めて、体調万全で、今回の試写会に臨みました。淡々と静かに進行する演...
  • 20 ブログタイトル:Ura Kanalin's Talk
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』の試写会に。。。
  • 記事概要:行ってきました。 なおパパが懸賞でいくつか応募をしたところ当選したとのことで。 この『ラストゲーム』は1943年に実際に行われた、これから学徒出陣で戦地に赴こうとしている学生たちに、最後の思い出を作ろうと実現された「最後の早慶戦」をもとに映画化されたもの。
  • 21 ブログタイトル:一生懸命!!
  • 記事タイトル:最後の早慶戦。
  • 記事概要:  予想通り・・・・・・だった。 何が?  見終わった感想。 それぞれ違う学校に
  • 22 ブログタイトル:京の昼寝〜♪
  • 記事タイトル:『ラストゲーム 最後の早慶戦』
  • 記事概要:□作品オフィシャルサイト 「ラストゲーム 最後の早慶戦」□監督 神山征二郎 □脚本 古田求 □キャスト 渡辺 大、柄本 佑、和田光司、中村俊太、脇崎智史、片山享、原田佳奈、宮川一朗太、三波豊和、柄本 明、山本 圭、藤田まこと、富司純子、石坂浩二■鑑賞日 8月3
  • 23 ブログタイトル:ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
  • 記事タイトル:【2008-199】ラストゲーム 最後の早慶戦
  • 記事概要:人気ブログランキングの順位は? 野球(ベースボール)─ 生きて我が家(ホーム)に 還るスポーツ 1943年10月16日。 それは、 永遠に語り継がれる、 特別な試合──。 忘れない。君たちが輝いた、あの日。
  • 24 ブログタイトル:日々のつぶやき
  • 記事タイトル:【ラストゲーム 最後の早慶戦】
  • 記事概要:監督:神山征二郎 出演:渡辺大、柄本明、石坂浩二、柄本佑、藤田まこと、富司純子 「1943年、どんどん悪化していく戦況の中で六大学野球が廃止されほとんどの学校の野球部が練習を止めてしまっている中、早稲田野球部は顧問の飛田が学生の心中を察し教育の一環だと
powered by Ameba by CyberAgent