映画鑑賞の末…

テーマ:Short piece
2005-07-04 23:50:42
ダメージ
私は少し耳が遠い (らしい)。 自分では不自由ないと思っているのだが、たしかに、そう言われる理由が見当たらない訳ではない。 それは、両耳とも鼓膜が破れたことがあるから、だ。

高校の頃の私は、少し無茶をしがちであった。 というか、後先考えない性格だったように思う (それは今もあまり変わってないらしいが)。 で、15の夜に、友達が盗んだバイクで走り出してしまった。 その結果、事故を起こし、右耳の鼓膜裂傷。 自業自得である。 嗚呼、恥ずかしい……。

それは置いといて。
その1年余り後に、私は4つ年上の社会人とお付き合いさせていただたくことになった。 彼の仕事はとても忙しく帰りがかなり遅かったので、そういう時、私はビデオをレンタルし、彼が帰ってくるまでそれで時間潰すことがたびたびあった。

そしてある日、私は1本のビデオを彼の家に忘れてきてしまった。 それはその当時、ルイ・マル監督の新作であった 『ダメージ』。 ちょっとエロい。 いや、かなりエロい。 若い女性とその婚約者の父親が、約2時間、乳繰り合い放題。 しかも主演は、ジュリエット・ “目でイかせる” ・ビノシュである。 さらに義父役のジェレミー・アイアンズも、負けずにエロい。 とにかく、プレイが常にダイナミック。 会えばそこが道端でもやり始めてしまうし、最中に頭を床にガンガン打ち付けたりなど、もう正気の沙汰ではない。 (しかし、映画の主題はそこにある訳ではないので、あしからず…)。

で、問題が起こったのはその次の休日。 ビデオを取りに彼の家を訪れると、鼻の穴を通常の1.5倍ほど膨らませた彼に迎えられた。 どうやら彼は、先程までそのビデオを見ていたらしい。 「いや、興奮するのはわかるが、そんな映画ではないんだよ」 と諭す私の抵抗も無駄に終わり、いざコトに至ってしまったその瞬間……私の左耳に激痛が。 あまりの痛さに彼を突き飛ばし問いただしてみると、どうも興奮のあまり、彼は私の左耳を “吸いすぎた” らしい。

そのすぐ後、私はインフルエンザにかかってしまい、近所の医院で診てもらうことになった。 そのついでに、まだ痛む左耳も診察してもらうと、おじいちゃん先生が私の耳を覗き込んで、ひと言。 「あぁ、穿孔ですなぁ・・・」。 私が 『ダメージ』 を置き忘れてさえこなければ、もしかしたら左耳は無事だったのではないか。 そう後悔したが、時すでに遅し。

因みに、そのおじいちゃん先生は、私を取り上げてくれた人でもある。 
彼に、その理由は決して言えなかった。

アキレス腱

テーマ:Short piece
2005-05-11 02:33:02
TOPLOADER洋楽の場合、一度聴いただけでは歌詞やその意味がわからないことが少なくないだろう。 そして、歌詞カード(及び対訳)を読んで初めて内容を知り、それが自分の予想していたものと大きく異なると、驚いたりがっかりした経験はないだろうか。
 
私は普段から洋楽を好む傾向があるにも関わらず、滅多に歌詞カードを読まないタイプだ。 それどころか、曲のタイトルすら覚えていないことも多い。 好きか嫌いかは、曲のメロディとトラックだけで判断。 そんなだから、歌詞の意味なんて全くわかっていないに等しく、気まぐれに歌詞カードを開いてみようものなら、驚愕の連続である。 その中でも、最も驚いたストーリーを。

今はもう解散してしまったが、イギリスに TOPLORDER というバンドがいた。 その当時、私はレコード会社の営業をしていて、自社から発売される彼らのデビューアルバムを甚く気に入り、仕事にも熱が入ったし、もちろんプライベートでも何度も繰り返し聴いていたものである。 そして私には、それぐらいハマった彼らのアルバムの中でも特に好きな曲があった。 タイトルも歌詞もやはりわかってはいなかったが、よく鼻歌で歌うほど、本当に好きな曲だった。

そんなある日、私の気まぐれが久々に発症。 歌詞カードを開いてみる気になった。 そしてその結果、ガッカリどころではなく、絶句してしまった。

まず、タイトル。  「Achilles Heel」 と書いてある。 
私はしばし考え込んだ。
「アキレス・ヒール??? ・・・・・・・・・・・・・。」

そうだ。 踵の骨とふくらはぎの筋肉とをつなぐ、人体で最も大きい腱、「アキレス腱」 のことである。 私は激しく戸惑いながらも、先が気になって恐る恐る読み進めていった。 すると・・・・・・歌詞は更にすごかった!

「You are my achilles heel.」

「君は僕のアキレス腱」 ときたもんだ。 どうやらこの曲は、「空を飛びたい (自由になりたい) 男」 の歌らしい。 彼女をアキレス腱に例えることによって、「彼女は自分にとって足枷だ」 と言いたいようだ。 しかし、その男は彼女への愛ゆえに、地上で生きることを、地に足つけて歩くことを選ぶ。 そして、地上を選んだ男にとって、今度は 「アキレス腱」 である彼女が自分の原動力になる、ということを表わしているんだろう。 まぁ、意外と深い意味を持つ、悲しい歌である。 でも、だからってタイトルまで 「Achilles Heel」 にすることはないだろうよ!!

しかし、この曲、発売当時はイギリスのチャートで初登場3位を記録したという。 因みに、これは彼らのデビューシングルだ。 もし彼らが日本のバンドだったとして、同じメロディに同じタイトル、そしてこの歌詞を日本語で歌ってデビューしたとしたら、果たしてそこまで売れただろうか? いや、無理だ。 無理に違いない。

今でも、私はやはりこの曲のメロディが好きで、時々聴いては口ずさんでいるが、その度に意味を思い出しては恥ずかしい気持ちになってしまうのだ。

アーティスト: トップローダー
タイトル: オンカズ・ビッグ・モカ

とてつもなく悲しい映画

テーマ:Short piece
2005-03-06 22:50:16
私はすぐに泣く。 しかし、普段から泣きやすいのではない。 映画を見たり音楽を聴いたりなどして、自分の感情がある一定のラインを超えるとすぐに涙が出てきてしまうのだ。 更に、息もできないほど胸の痛くなる、アンハッピーエンドの映画を見たときなどは、もう酷い。 拭った涙と鼻水のせいで、肘下の袖の色が全部変わるぐらい、グダグダに泣く。

このグダグダ状態は、私にとって稀なことではない。 4年ほど前、『蝶の舌』というスペイン映画を、当時付き合っていた彼氏と見に行った時もそうだった。

まず、見に行くまでの過程が最悪。
私たちは早めに映画館に行き、先にチケットを購入して、映画までの時間を潰していたのだが、些細なきっかけから、ケンカを始めてしまったのだ。 しかも人通りの多い、南船場のど真ん中で。 今、考えれば、本当に大した理由ではなかったと思うが、その時はお互いに怒り心頭で、どちらかが、「もう帰る!」と言い出しかねないレベルにまで発展。 しかし、チケットが無駄になることだけは、ふたりとも避けたかったので、とりあえず、ひと言も話さず、ひたすら映画館までの道のりを歩いた。

だが、映画館に着き、飲み物などを買ったりしているうちに、なんだか無言のままでいるのが不便になってきて、それに気持ちが随分落ち着いてきたのもあり、彼といくつか短い会話を交わした。 そうしているうちに普段と変わらない雰囲気になったので、私的には、ケンカはもう終わったものだと解釈していた。

そして、上映スタート。
この映画は、「内戦直前のスペインを背景に、少年と老教師の交流を描いた感動作」とチラシで謳ってあったが、私は“感動する”のとはかなり違う印象を受けた。 映画の最後のシーンで、私の心は打ちのめされ、苦しいわ胸が痛いわで、頭の中は錯乱状態。

そうなるともう、私の涙は止まらない。 エンドロール中、声を押し殺して泣き、それは館内が明るくなっても終わらなかった。

そんな時、隣にいる彼氏はどうなんだろう。
やっぱり恥ずかしいだろうなぁ。
いや、でもティッシュの1枚ぐらいは渡してくれるかも。

しかし彼は、そんな私をよそ目にさっさと席を立って出て行ってしまったのだ。 グダグダの私も呆気にとられて、しばし「ぽかーん」。 どうやら、ケンカはまだ終わった訳ではなかったらしい。 私は何が悲しいんだかわからないようになってきて、もっと涙が止まらなくなってしまった。

更に、しばらくして、追い討ちをかけるように、「全回入替制となっておりますので・・・。」とスタッフが。 これまた、無情な・・・。 私は寂しく映画館を後にするしかなかった。

その後、『蝶の舌』は私の記憶に、
“とてつもなく悲しい映画”として残ったのは言うまでもない。



タイトル: 蝶の舌

クー!

テーマ:Short piece
2005-02-12 20:04:40
映画やマンガを見終わった直後、自分の行動や心理に、その影響が及ぶことが多々あると思う。私は特に、それが酷いタイプだ。

『ファイトクラブ』を見に行った時は、映画館を出てすぐに、彼氏に向かってパンチするフリをしたら、見事にクリーンヒットしてしまった。
『スターウォーズ:EPISODEⅠ』の時は、一緒に見た友達3人で、
ライトセーバーのおもちゃを本気で買いに行こうとし、
クワイ=ガン・ジンの色かオビ=ワンの色にするかで真剣に悩んだ。
『レオン』を見た後は、
ゲイリー・オールドマンのドラッグの飲み方がかっこよすぎて
風邪薬を飲むときに真似をしてみたら、案の定むせこんだ。

映画を見ていない人からすれば、
これらは理解しがたい行動に違いない。
しかし、先に挙げた例は、公開時、かなり流行った映画で、
見たことがある人もたくさんいるだろうから、
それを説明すれば、少しは納得してくれると思う。

だが、単館でひっそりと上映された映画ならば、どうか。

4年前、私は『不思議惑星キン・ザ・ザ』という
ちょっとマイナーなロシア映画を、友人と一緒に見に行った。 
この映画は、あるふたりの男性が、
街から突然、地球ではない星にワープしてしまい
戸惑いながらも、その星のルールに順応し、
なんとか地球に帰ろうとする話なのだが、
その星のルールが何ともおかしくて笑えるのだ。

とにかく、挨拶。
日本では、軽く会釈して「こんにちは」が基本。
しかし、その星では、
足を外側に向けて軽く屈み、手を大きく広げて、そこで「クー!」。
これが、キン・ザ・ザ流の挨拶である。  
 
私たちはそれがツボにはまり、
映画を見た直後から、何かにつけて「クー!」を連発。
友人とは同じ職場だったが、
会社で顔を合す度に「お疲れさま」代わりに「クー!」と奇声を発しては、
ふたりで「あひゃひゃ」と笑い転げていたものだ。
しかし、周りから見ればその行動は、かなり 危なかった に違いない。
みんなに一生懸命、その映画のことを話して、
面白さを理解してもらおうとしても、
面白がっていたのは、やはり当のふたりだけだった。

しかし、そんなふたりのキン・ザ・ザ熱も3日ほどしか持たず
いつの間にか忘れ去っていたが、
今度その友人に会った時、久しぶりにやってみようと思う。
勇気を出して、人通りの多い難波のど真ん中で。
彼女は今でもその挨拶に反応してくれるだろうか?


タイトル: 不思議惑星キン・ザ・ザ

ハゲ専

テーマ:Short piece
2005-01-31 17:16:39



私にはどうも、昔から脇役を好きになる癖があるらしい。
映画やドラマを見ても、マンガを読んでも、とにかく、主人公に惚れ込んだ思い出はあまりない。

ひと昔前のジャンプで例えるならば、
「スラムダンク」では、花道じゃなくミッチーが好きだったし、
「幽遊白書」ならば、幽助ではなく飛影、
「ドラゴンボール」に至ってはべジータが一番好きで、
べジータが登場するまでは、ピッコロLOVEだった。
最近のもので言うと、
「ONE PIECE」では、ルフィではなくゾロとサンジ、
「HUNTER×HUNTER」ならば、ゴンではなくキルア、といったところだ。

しかし、そういう人は少なくないだろう。
高校時代、友人とマンガの話でよく盛り上がったが、
私の好みに、何人もが同意してくれた。
だが、そんな彼らでも、
納得してくれなかったキャラクターがひとりいる。
『AKIRA』の登場人物、鉄雄だ。

なぜ、金田じゃなく鉄雄なのか? 

私は彼の弱い部分が好きなんだと思う。
不幸な家庭環境の所為で、卑屈な性格ではあったが、
金田を兄のように慕い、また逆にコンプレックスを感じていた。
それが高じ、更に、あるきっかけで金田と対立することになるが、
それでも心の奥底では、自分を理解してほしい、
認めてほしい、と、鉄雄は金田に救いを求めていた。
私はそんな鉄雄のことを「守りたい」と思ったのだ。
そう。 最後まで鉄雄のそばにいたカオリのように。

今でこそ、上手く説明することができるが、
その当時、私はしどろもどろにしか答えられなかった。

私がそんな状態では、やはり、理解してもらえない。
彼ら曰く「鉄雄はどう考えてもかっこ悪い」とのこと。
しかし、友人たちは何が何でも納得してしまいたかったらしく、
その理由を、独断と偏見で勝手に、こう判断してしまった。
「たぶん、あいつはハゲ好きやねんて。」

おい、おいおい。 
ちょっと待て、こら。
確かに鉄雄もべジータもおでこ広いけど!
飛影は額に目までついてるし、ピッコロなんて丸ハゲやけど!

私はそれを必死で否定したが、もう彼らの解釈は覆らなかった。
しかも彼らは、ことある毎にそれを周りに言いふらし、
最終的に、私は“ハゲ専”のレッテルを貼られてしまった。

しかし、そう言われ始めて4年ほど過ぎた頃、
私は自ら“ハゲ好き”であることを認めた。
私に元々そういう素質があったのか、
それとも彼らに吹き込まれた所為なのか、
今となっては、もう自分でもわからないが。

だが、これだけは言いたい。
私が鉄雄を好きな理由は、決しておでこが広いからではないし、
私は“ハゲ専”ではなく、単なる“ハゲ好き”だ!

それさえ理解してくれれば、もう何でもいいさ。



タイトル: AKIRA DTS sound edition

長谷川先生

テーマ:Short piece
2005-01-28 23:25:07
昔、流行っていた曲を耳にすると、
それを聴いていた頃の自分や、その時に起こった出来事などを
思い出したりするのはよくあることだと思う。

私にも、たくさんの思い出の曲があるが、その中のひとつを。

私の専門学校時代、
世間は所謂、第2次「ミニシアターブーム」であった。
その立役者となったのが、ダニー・ボイル監督の
『トレインスポッティング』だったように覚えている。

この映画の中で真っ先に思い浮かぶ曲と言えば、
Iggy Pop“Lust For Life”
Underworld“Born Slippy”だろう。

私の友達は言う。
「 Born Slippy を聴くと、ユアンの顔が出てくる。」
また違う友達が言う。
「この曲を聴くと、ユアンが便器から出てくる。」
ちょっと変わった友達は、
「この曲を聴いたら、ロバート・カーライルが暴れだす。」(らしい)
それらの気持ちは、私にもわからない訳ではない。



しかし、私はこの曲を聴くと、
全然、別の人物を思い浮かべてしまうのだ。
それは、学校でメイクの講師だった長谷川先生である。

彼はとても風変わりなスタイルで
私たちをいつも驚かせてくれる人だった。
それは、メイクアップ・アーティストと言われれば、
「らしい格好だな」と納得できるのだが、
とても40代半ばのセンスとは思えなかった。
一度、南の島でのバカンス帰りですか?
という格好で、学校に来たこともある。
とにかく「眉毛」にうるさく、
ベースがどんなに上手くても、アイメイクがどんなに完璧でも、
「眉毛」を失敗すると、こっぴどく叱られた。
因みに彼は、エボニーというスケッチ用の鉛筆をこよなく愛していた。

そんな彼の授業では、いつも彼が選曲したBGMが流れる。
というか、常に Born Slippy 。
それ以外の曲を聴いた記憶がない。
しかも、まだ『トレスポ』は公開されていない時である。
私が映画館の予告でその曲を聴くよりも更に早く、
私には、「Born Slippy=長谷川先生」 
の図式が出来上がってしまったのだ。
しかもその後、『トレスポ』を見てからは、
先生と映画の印象が更に混ざり合ってしまい、
「Born Slippy=ラリラリの長谷川先生」
という図式に進化してしまった。

それがきっかけだったのだろうか(いや、どうだろう?)、
私はそれ以降、Underworld が大好きになった。
ライブにも2回行ったことがあるが、
やはり、Born slippy を聴くと
「先生は今でも元気にしているだろうか?」と、
ラリラリの彼を思い浮かべては、身を案じてしまうのだ。


アーティスト: サントラ, イギー・ポップ, ブライアン・イーノ, プライマル・スクリーム, スリーパー, ニュー・オーダー
タイトル: トレインスポッティング

着信音

テーマ:Short piece
2005-01-27 01:02:16
私の父の趣味は、映画と読書とマンガと競馬である。
中でも映画とマンガは特別らしい。
私は昔からそんな父の影響を多大に受けたせいで、
趣味も、その好みもかなり似ている。
というか、そのまま譲り受けてしまったようだ。

彼は、娘と一緒に映画を見ることが夢だったらしく、
私が平仮名も読めない頃から
字幕の映画を見に、私を映画館に連れて行った。
しかし、私には、それが苦痛だった記憶はない。
どうやら私も、意味がわからないながらも
楽しんでいたようである。
そののち、近所にレンタルビデオ店ができてからは、
彼は自分の好きな古い映画を、幾度となく私に勧め、
一緒に鑑賞し、満足していた。
その頃には立派に、私の趣味も映画になった。

そんな私と父が一番困るのは、
「一番好きな映画は?」と訊かれることである。
好きなものが多すぎて、どれも選べないのだ。
しかし、父の一番好きな映画は、
『ゴッドファーザー』 ではないか、と私は密かに思っていた。

『ゴッドファーザー』 は、私が生まれる以前の映画である。
ちょうど父が高校生の頃に公開された映画で、
彼はそれを一度見て以来、何度も映画館に足を運んだと言う。
私が初めて見たのは小学生の頃だが、
私が高校を卒業し、ひとり暮らしを始めるまでに
おそらく、5回は見せられたであろう。
シリーズ通算で考えると、10回は軽く超える。
いや、もちろん、私も喜んで見ていたのだが。

だから、私がそう勘ぐってしまうのも無理はない。
しかし、彼が携帯を持ち、それを使いこなせるようになった頃、
その思いが確信に変わった。
それは、彼の着信音が、
「愛のテーマ」になったからである。

かなり昔、着信メロディーはダウンロードするものではなく、
自分でメロディーを入力しなければならなかった。
その頃の話である。
彼は不器用ながらも、頑張って作成し、
音程は激しくズレていたが、私にははっきりそれだと解ることができた。

私も『ゴッドファーザー』 はかなり好きだ。
しかし、私にはそこまでの愛はない。
それに、まずそれを他人に聴かせる勇気がない。
恐るべし、親父。

しかし、よく考えてみると(いや、考えるまでもないか・・・)
私の名前は “ 愛 ” である。
もしかして、その由来って・・・・・・。




タイトル: ゴッドファーザーDVDコレクション

初恋

テーマ:Short piece
2005-01-26 02:48:02
きっと、私の初恋は、
『アパートの鍵貸します』ジャック・レモン である。
いや、『タワーリング・インフェルノ』
スティーヴ・マックイーン かもしれない。
とにかく、俳優であったことは確かだ。

しかし、私は小さい頃から現実主義だったらしい。
彼らのことも、“映画の登場人物”で“遠い存在”
であることを幼いながらもきちんと認識していたし、
当時流行っていた、日本のアイドルには
全く興味を示さない、かわいくない子どもだった。

しかし、そんな私が、中学校に入りたての頃、
“映画の中の男性”に本気で恋をしてしまったのである。
その人は、ブラックジーンズにラバーソール、
髪型は常に重力を無視しており、
顔色はもちろん、体調もかなり悪そうな状態。
更に、危ない薬に手をだしては、彼女に暴力を振るう男。
そう、『シド・アンド・ナンシー』
セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスを演じた
ゲイリー・オールドマン である。

先に言っておく。
決して、彼の容姿は私の好みではない。
それに、暴力的な男性を好きな訳でもない。
しかし、その映画を見てからというもの、
何故か彼の姿が頭から離れなくなった。
家にいても、学校の授業中でも、
目をつぶれば、頭の中に彼が登場。
しまいには、夢の中にまで乱入し、
中指を立てて、放送禁止用語を連呼するのである。
絶対におかしい。尋常じゃない。
最初は懸命に否定し続けたのだが、
私はついに、これが恋であることを認めた。

それからの私の人生は彼にまっしぐら。
実際に彼に会うことを私は本気で願い、
メイクの道に進もうと決心。 それが12歳の冬。
そのまま私は成長し、無事、メイクの学校に入学した。
たかが映画1本。 我ながら少し感心である。

しかし、私は途中で服飾科に転科してしまった。
更に卒業後もそれとは全然関係のない仕事をし、
何がなんやら、現在は無職である。

人生とはわからぬものよのう・・・。



タイトル: シド・アンド・ナンシー

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