1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

君は一体誰なの?

2012-05-22 06:37:22 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1160277.jpg



「職業は何ですか?」

パタゴニアに暮らし始めて1年。ここで暮らしていると、結構この質問に出逢う。
当たり前か。

地球上の何処で暮らしていても、この質問に出逢わない場所なんてそう無い筈。

誰でも何かのプロとして生きてる。

40歳になって改めて、自分は何のプロになるのかを考えてる。

何のプロになりたい?

ホテルに泊まる時とか、息子達が通っている保育園で職業を書く場面に出逢う。

ぼくはそんな時、

"escritor"

って書いてる。

書く人。つまり作家。

えーーーーーっ?!

あんた作家だったっけ?

とこれを読んでくれている友達は思うだろうな。

ぼくもこれを書く度に、ちょっと後ろめたい気分。

「本出してるの?』

「一冊だけね。」

一冊だけ本を世に出した作家。

いいじゃないか。

これから世界的なベストセラーの本を出す事になるかもしれないし。

可能性は無限大。

ぼくたち家族が住んでいるここ、ラフンタ村には新聞も無く、お店にいっても紙媒体は一切売ってない。

本屋なんて勿論無い。あ、そうそう、やっと今度、図書館が出来る。

ということで、作家なんて言うと、相当な文化人みたいに思われるらしく、皆、ふーーん。とちょっと一目置いた感じになる。と勝手に思ってる。

ということで、ぼくは作家だ。

言葉に嘘が無いように、いつかまた、本を書いてみたい。

それ以外にもやりたいことがある。

商事会社。

山小屋で、雄大な景色を観ながらドラム缶風呂に浸かっていると、色々とアイディアが浮かんで来る。

大学を出て、6年間商社に勤めて、4年間世界を放浪して、6年間「地球を歩く、木を植える」活動をしてきた。

パタゴニアに移住する前、小樽に住んでいた時の自分の肩書きは「環境活動家」だった。

この「肩書き」ってものが何なのか。自分の肩書きは何なのかってことを考えてる訳だけど、家族でパタゴニアに移住して、40歳になり、いよいよ人生の大事なステージに突入して、ここらで本気で自分の肩書き、職業を考える時に来た。

で、商事会社の話。

ドラム缶風呂に浸かりながら考えた。今、山の暮らしであったらとっても便利なもの。

それは小型の水力発電機だ。

昨年末から始まった山小屋での電気無し生活。

やってみて始めて分かる発見がたくさんある。

その内の一つが「電気の有難さ」を体感出来ること。

今は畳一枚分ほどのソーラーパネルで55アンペアの車用のバッテリーを充電。それが我が家唯一の電力だ。

これだと、パソコンを一日に二時間程度使うのがせいぜい。

それはバッテリーの性能(そもそもカーバッテリーは家の電源として使うものじゃないし)とか、太陽光パネルの大きさとか、その土地の日照時間とか、色んなことが影響してくるわけだけど、こんなに真剣に「電気」について考えたことは無かった。

今までの人生では家にコンセントがあるのは当り前だったし、その供給量を考えることも勿論必要無かった。

でも実際にカーバッテリーが唯一の電力源となると、使える電気製品は限られて来るし、そうなると、どんな電気製品がどの位の電力を使うのかなんてことがやたらと気になり始める。

戦後の日本で三種の神器と言われたテレビ、洗濯機、冷蔵庫。冷蔵庫や、特に洗濯機を使おうと思うと、相当な電力が必要で、カーバッテリーではその電力をとても賄えない。

ということで、電線の無い山小屋で洗濯機を使うというのは相当にハードルが高い。

でも僕らは21世紀に生きてる。

解決策はあるはず。

で、ここ、チリ側のパタゴニアは世界有数の温帯雨林帯(因みに日本も温帯雨林帯)で、年間の降水量が半端でない。

特に冬の間は雨が多い。

ってことで、これからが冬本番のパタゴニア、いい感じに連日の雨模様。

で、山小屋のすぐ近くにも小川が流れてる訳だけど、この小川の水力を電気に変えることが出来れば永続的に電気がおこせる。特に日照時間が少なくなり、水量が増える冬の間は尚のこと。

そこで調べてみると、工業国の日本には流石に立派な小型の水力発電機、マイクロ水力発電機がある。

これを使って大自然の中で、自然の力でしっかりと電気を創り出して、バッチリ文明的な暮らしをしながら、自然と調和した暮らしを体現したい。

そしてその暮らしをパタゴニアの人達に紹介、広めて行きたい。それを仕事にしたい。ってことは商事会社を興すってこと。

そんなことをドラム缶風呂に浸かりながら考えた。

こういう夢が膨らむ時間ってとっても楽しい。

何が無くとも風呂が大事なぼくにとっては、風呂に入ってる時が大事な、「夢膨らむタイム」なんだけど、この夢の実現に向かって、どんなに小さくてもいいから一歩づつ、具体的に前進してみたい。

という訳で、気になって居ります。マイクロ水力発電機。

早速ポールに相談してみたら、

「ベトナム製のマイクロ水力発電機は断然安いよ。」と教えてくれた。

流石ポール。すでにこの辺の情報は調べ済み。

日本に拘らずとも世界中、探してみれば、生活を便利にしてくれて、環境への負荷も抑えてくれるものが沢山ある。

例えばこのマイクロ水力発電機で電気をおこして、生活の一部でも電気ストーブで暖をとることが出来たら薪の消費を減らすことが出来る。

山の生活で、薪の消費を如何に抑えるかっていうのは大事な自分の課題なんだけど、その解決策をそのまま仕事として活かして行きたい。

その結果思いついたのが商事会社をやるってことで、その扱い商品は水力発電機だったり、風力発電機だったり、はたまたは、ここパタゴニアの羊毛で出来た一点もののセーターかも知れない。

ここ数年、地球を歩き、木を植える活動を続けて来た。

そしてその活動はこれからも続けて行きたい。

うまく言えないけど、これからの人生、肩書きに捕われずに、やりたいことを着実に実現させていくことが大事だと思う。

非電化工房の藤村先生が言っている。

どんな時勢にも対応出来る様に、小さな仕事を幾つかもっておいて、「こっちが駄目でもこっち」みたいな生き方がいいよって。

そんな言葉を思い出しながらドラム缶風呂に浸かり、ふとこんなことも考えた。

ドラム缶風呂を温める薪は、たき付け様のほっそーい薪から、中くらいのサイズから、でっかいサイズまで、程よく揃っていて始めて上手く温められる。

薪のサイズみたいに、人生でやりたいことはでっかい夢もあれば、日々の暮らしを支える為の小さな夢もある。

それがバランス良く実現に向かった時、気がつけば全部の夢が実現してるんじゃないだろうかって。

ここに来て一年が経ちやっと、先ずは夢が見えて来た。

作家で、商社マンで、環境活動家なわたし。

そんなわたしになりたい。


写真:結構近づいても一心不乱に作業を続けてたキツツキ。山小屋の近くで長男が発見。この木の上には頭が黒いメスも居た。この頭が赤いのはきっとオス。いつも夫婦一緒に行動してるみたい。



最近の画像つき記事
画像一覧へ ]

天晴れマックサポート

2012-05-12 01:01:19 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1160442.jpg



パソコンが使える!

って、当り前のことにやたら感謝のこの数日間。

愛用のマックブックのアダプタが壊れてパソコンが突如使えなくなったのが一ヶ月前。

映画を観たり、音楽聴いたり、日本の家族、仲間と連絡とったり。

それが出来ない。

ヒャー。

無くなってみて気がつく。今のここでの生活ではこのパソコン、超大事。

接触部分をこねくり回していると、極稀に充電可能なことを発見。

だましだまし充電しつつ、日本のマックサポートに連絡。

やり取りを重ねた結果、例外として、こちらから壊れたアダプタを送る必要無く、即、新品を実家に送ってくれた。

流石マック。こちらの事情を理解して、しっかり期待に応えてくれた。

実家の両親が即、それを郵便局へ。

日本からチリに送る郵便物は税関検査にひっかかるといつ届くか分からない。

しかーし。

先日、3週間ぶりに山小屋から村に降りて来て郵便局に行ってみると、

来てた。しかも丁度その日に。

感謝感激。

いろーんな人の手から手へ、このアダプタがパスされて、地球の裏側から無事到着。

もう壊すわけにはいかない。

なんでもかわいがって大事に使えば、きっと永ーく使えるはず。

これまた当り前のことだけど、とても大事なことを教えてもらった。



さてさて、山小屋での電気無し生活にも大分慣れて来た処で、ここパタゴニアはそろそろ冬に突入。

冬の間はラフンタ村のキャビンを借りて生活することに。

息子達を保育園に連れて行った後は夕方までフリータイム。

うーん、山の生活と違って時間が沢山ある。

これまた贅沢。

なんだけど、じゃあ山での生活は忙しくて辛いかというと、そういう訳じゃない。

薪割って、水汲んで、リンゴ収穫して、そのリンゴでジャム作って。

夜暗くなってからは何も作業が出来ないから、太陽さんの出ている内はやることがたくさんあった。

どんな作業をしてても、不思議と「生きてる」っていう心地よい感覚に気持ちよく、ずっと包まれてる。

この感覚はうまく言葉で書き表すのが難しいだけど、きっと、自然の中にうまく調和して暮らしていると、人間は心地よく感じるように出来てるじゃないだろうか。

なーんとなく、そんなことが分かり始めた今日この頃。

でも課題は山積み。

温かくなったら家づくりを始めたいけど、その前には牛さんが入って来ないように柵をつくらなきゃ。

薪もたくさん用意したい。

家具も上手く作れるようになりたい。

水道も電気もネットもある文明社会で冬を過ごしつつ、春からのプランをしっかり練ってみよう。

あのドラム缶風呂とも暫しのお別れだ。


タイムトラベル

2012-04-11 22:12:39 テーマ:パタゴニアライフ
アルゼンチン側のパタゴニアに来てる。

3ヶ月毎の国境越え。

4回目の国境越え。

気がつけば、パタゴニアに来てちょうど一年。

まさに一年前の今日、今僕たちが住んでいるチリ側のパタゴニアにあるラフンタに到着した。

アルゼンチン側のパタゴニアからチリのパタゴニアに入った途端、タイムトラベルしたかの如く景色が変わった。

家は全部、木造。道路は砂利道。

アルゼンチン側は家はレンガ造りでしっかりしてる。

今、僕たちが居るトレベリンという町には大型スーパーがあり、車の往来も断然多い。

泊まっている宿は洒落た、しっかりした造りのコテージ。
お風呂にはジャグジーが付いてて、湯量も豊富。

3ヶ月に一度、ラフンタの山の中から、ここに有難い「文明」に触れに来る。

大型スーパーで、チリでは見つけられないブルーチーズや、スコーンにありつけるのも嬉しい。

1年間にここ、トレベリンに来た時は

「大した田舎に辿り着いたなー。」

と思ったのに、今はトレベリンは僕たちにとっては大した「大都会」。

でも、全てが一見豊かに見えるアルゼンチン側のパタゴニアに無いもの。

豊かな森。

南米大陸を縦に走るアンデス山脈を挟んで、左はチリ、右はアルゼンチン。

この山を挟んで自然環境が劇的に変わる。

チリ側は森が豊かで雨量も多い。生活スタイルは木造の家に住み、薪が主燃料。

アルゼンチン側は砂漠化が進み、晴れが多く、乾燥してる。レンガやコンクリの家に住み、天然ガスが主燃料。

百聞は一見に如かず。

アルゼンチンとチリのパタゴニアの国境越えは地球の近代の歴史を体験出来るタイムトラベルゾーンなのかも。

あと数日、蛇口をひねれば熱々の朝風呂に入れる世界を楽しんでから、薪でドラム缶風呂の山暮らしの世界に戻る。

さ、アルゼンチンのワインとチーズ、満喫するぞー。

パタゴニア名物「仙人風呂」誕生秘話

2012-03-24 02:43:42 テーマ:パタゴニアライフ
都内の機関誌向けに書いた文章、そのまま載せてみます。

今日から再び、山小屋生活。

仙人風呂に入るぞー。

ねっ、仙人。
======


南米大陸チリのパタゴニアに移住して一年が経ちます。

そんな折、友人家族が日本からはるばる遊びに来てくれました。

生後8ヶ月の娘さんを連れて。

僕たちが住んでいるラフンタという小さな集落に辿り着くまでの友人家族の経路は、成田からカナダのトロント経由、チリの首都サンチャゴへ。そしてチリ国内線に乗りプエルトモントというチリ南部の港町へ。そこから夜行フェリーに乗ってチャイテンという、数年前に火山が噴火して日本でもニュースになった村へ。そこから舗装されていないパタゴニアの幹線道路を走ること3時間。

この経路に実に丸四日間を費やして来てくれました。

それから3週間、地球の裏側での生活を共にしてくれました。

その内の一週間は電気の無い山小屋暮らし。

なんと友人家族は日本酒に目がない僕の為に一升瓶を子供の如く大事に持って来てくれたので、山小屋での夕食は毎晩、ロウソクの灯のもとで友人家族が創ってくれる美味しい晩ご飯と日本酒という、夢のような日々でした。

そんな素晴らしい友人家族と約束していたのが、ドラム缶風呂に浸かりながら日本酒を飲む事でした。

ドラム缶は山の麓に置いてあり、山小屋までは1キロ半ほどの山道を運ぶ必要があります。

先日訪問して下さった家具職人の友人が残してくれた手書きの図を基に、先ずは背負子を作ってみました。

連日の雨の後、山に放たれている牛達が歩き回った後の山道は時に長靴がズッポリとはまってしまうほどにぬかるんでいる場所もあります。ぼくはそのぬかるみに見事にはまり横転。背負子から外れたドラム缶はゴロンと泥の中に横たわり、服は泥だらけ。というハプニングもありながら、何とか山小屋までドラム缶を運ぶことが出来ました。

運んでは来たものの、天気はずっと雨模様。龍神様が友人家族を歓迎してくれているのか、これでもかという程に雨が降り続きます。

その雨の間隙を縫いながらドラム缶に錆び止めペンキを塗り、風呂の中蓋を作り、準備完了。

明日には山を降りるというその日、雨が止み、久々の青空が雲の間から覗いています。

友人は神懸かったかの如くの勢いで小川をせき止めて立派な水風呂を創り、その横にドラム缶風呂の足場を創ってくれました。

僕たちはいつの間にか夢中になって薪を集め、火を焚き、気がつけばパタゴニアの大自然を眺めながらドラム缶風呂に浸かっていました。

最初は薫製されてしまいそうな煙もやがて落ち着き、ゆっくりと雄大な景色を眺める余裕も出て来ました。

鳥のさえずりと小川の流れる音だけが聞こえる、なんとも長閑なドラム缶風呂。

そしてよーく温まった後は小川をせき止めた水風呂にジャブン!

この後の爽快感は筆舌に尽くし難いので、これを読んで興味を持たれた方は是非、パタゴニアの仙人風呂(と友人と勝手に命名)に入りに来て下さいませ。

夕暮れ時、最後のひとっぷろを満喫していると、友人が一升瓶を持って来てくれました。

ドラム缶風呂なので、一緒に湯船に浸かりながらという訳には行きませんでしたが、パタゴニアの大自然の中で飲み交わした一杯は最高の味でした。

こちらはもうすぐ冬。ゆっくりと冬支度を開始したいと思います。

ポッカリ スエット

2012-03-20 00:03:53 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150941.jpg

3週間一緒に過ごした友人家族が昨日、日本に向かって旅立った。

プエルトモントという北になる大きな港町に向かう船に乗って。

船が岬を曲がって見えなくなるまでお互い手を振りあってお別れをした。

バスでブーーン!、

とか、

飛行機でビューーーーン!

っていうのと違って、ゆーーっくりと大海に繰り出す船に乗る仲間を見送る。

全部がゆーーっくりなペースのパタゴニアの生活にふさわしい出発。

二家族7人で過ごしていたキャピンに今は我が家の4人だけ。

ポッカリと穴が空いた様な感覚。

さ、ゆーーっくりと冬支度を始めよう。

また何時か、あのドラム缶風呂に一緒に入ろう!

嬉しい再会

2012-03-01 23:21:04 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150767.jpg

友人家族が日本から遊びに来てくれてる。

二家族でラフンタ村にあるキャビンを借りて共同生活。

生後8ヶ月の娘を連れて、はるばるやって来てくれた。

子供達が一緒に遊んでいる姿を見てると三人兄妹みたい。

いつもより弟の幹太がお兄さんに見えるから不思議。

ポール、木乃実さんと一緒に近くの温泉に行ったり、

昨日はバーベキューをした。

こちらに来てもうすぐ一年。

パタゴニアに来て自分たちで初めて調理する牛肉。

美味しく、有難く頂いた。

パタゴニアの大自然で育った、野性味溢れる味。

こりゃ難しいな。100%ベジタリアンって。

友達家族が来てくれて、パタゴニアの魅力を再発見する日々。

そして何よりも、仲間に再会出来るのは、やっぱり最高。

1月までの晴天続きは遠い昔の如く、ここ数日は曇り空に雨模様。

いま、パタゴニアではデモ活動の真っ最中。

一人の漁師さんが声を挙げたのがきっかけで、石油の値上げ、ダム建設に反対する市民が道路を閉鎖。

お陰で、ただでさえ交通量の少ないパタゴニアの幹線道路は今、ほぼ静まり返ってる。

そんな訳で、有り得ないほどにのどかなパタゴニアを体験中の友人家族。

今日からは山小屋で電気無し生活を体験してもらう。

楽しんでもらえるといいな。



アタリマエの有難さ

2012-02-25 07:27:18 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150716.jpg

久しぶりに山からラフンタ村に降りてきた。

電気がある!

パソコンを電池を気にせず使える!

蛇口をひねるだけで水が出る!

今まで当たり前だったことが、やたらと嬉しく感じた昨日。

一晩寝て、今日起きてみると、うん、これがやっぱり当たり前。

山での電気無しの生活がまた、何か遠い世界のように感じる。

ということで、この2週間ほど、家族四人、電気無しの山小屋生活。

楽しい!と一言では片付けられない。

亜衣ちゃんにとっては炊事、洗濯、子育てに追われる日々。

ぼくは薪の調達が大きな日課。

朝起きて、川の水を汲んだら山の中に薪探しに旅に。

適当なサイズの倒木を見つけると、のこぎりで気長に輪切りにして肩に担いでエンラコラ。

山小屋に戻ると、さらに小さな輪切りにして、斧で割って行く。

これから寒くなるので、それに備えようと思うと、この作業に追われる日々が続く。

森を歩きながら、倒木を切りながら、その倒木を運びながら、いろーんなことを考える。

暖をとり、食事をして、身体を洗う湯を沸かす。

この全てを薪でやる。

だから、薪はぼくらの生命線。

これがなくちゃ生活出来ない。

生きる為に薪を割る。

人間、ずーっとこうやって暮らしてきたんだ。

あたりまえのことの様で、ぼくにとっては大きな発見。

21世紀に入り、ますます便利な道具に囲まれて生きてきたけど、山に来てみると、本当に必要な道具は今も昔も変わらない。

鉈、斧、鉋。

使い方も磨ぎ方も知らなかったけど、アルゼンチンのパタゴニアに来て17年の時雄さんや、岐阜で25年前に自分でログハウスを建てた家具職人の矢崎さんに教えてもらったお陰で、なんとか使い方、磨ぎ方が分かってきた。

全て手探りの生活が暫く続くけど、気合い十分。気分は清々しい。

鳥、虫、牛、水たちが創る音以外には何も雑音が入らない生活。

まだまだこの生活をきちんと伝えるには経験足らず、言葉足らず。

うっし。ラフンタ村での電気のある生活をもうちょと楽しんでから、また山小屋目指すぞー。

あ、こちらのホームセンターのネットショップで買った60wのソーラーパネルが順調。車のバッテリーを太陽光で充電して、ノートパソコンの充電くらいは出来る様に。

太陽光が電気に変わる。

これまた当たり前のようで、実際にパソコンが充電出来た時は感動。

21世紀、人間は本当に便利な世界に生きてるんだな。


写真:山の様子は毎日違って面白い。雲海が漂う朝。



電気の無い暮らし

2012-02-01 20:00:13 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150380.jpg

明日から始まる山小屋での電気無し生活。

友達に書いたメール、そのまま載せちゃおう。


「電気無しの山生活、実はこっちでは結構普通だったりするんだよね。

その感覚のギャップに最初は驚いたけど、10ヶ月経つと自分の感覚もちょっとづつ変わってきてる。

明日から実際に電気無しが日常になれば、もっとその感覚が変わって来るんだろうな。

そんな感覚の変化を楽しんでみるよ。

便利なモノに溢れるこの時代に産まれて、その中で何が必要なのかを見極めるのって、本当に難しいよね。

こちらで生活を始めてみて、日本に比べると無いものづくしの生活をしてみると、普段あるものが無い生活が快感にすら思えて来る。

ある意味、タイムマシンに乗って、数十年前の世界にきちゃった様なもの。

ここの生活には、エコなんて言葉は存在しなくて、生きる為に精一杯の手段が、たまたま今の世界の基準で言えば、環境に負荷のかからない暮らし振りだったりする。

だって未だに、これも結構普通に皆(特に冬の間は)薪で料理してるんだよ。

これって、俺みたいに実家は「ほぼオール電化」みたいな世界から来た人にとってはヨダレモノの世界だよね。

で、そんな生活をその昔欧州からはるばる渡って来た白人系の人達がやっているからまた面白い。

因みにここにはマプチという先住民の方達も居て、そこを掘り下げるとまた何かありそうで。

という感じのパタゴニア生活。」


という訳で、気負わず、無理せず、急がずに、山での生活、楽しんでみよっと。

写真:ゆっくり行こう。ということで、カメムシさん。



有り難や、恵みの雨

2012-01-29 11:53:56 テーマ:パタゴニアライフ
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150404.jpg

今朝は一ヶ月振り位に薪ストーブをつけた。ここ一ヶ月ほど、ずーーっと快晴。気持ち良い青空の日々だった。

ストーブの要らない毎日。こちらに来て10ヶ月。ストーブの要らない日があるのだろうか。と思うくらいに、春から夏になっても朝、晩は冷え込んでた。

だから、この一ヶ月は別世界。

カラっと晴れて、メキシコか何処かに来たみたい。

でもそれがずーーっと続くと、それはそれで心配になる。

雨がそれだけ降らないと、川の水量も少なくなって来る。

「これだけ雨降らないと、ちょっと心配になるよね」。

なんて会話がラフンタのあちこちで聞こえ始めた(だろう)頃、

やってきました雨。

今朝、久しぶりに薪に点火。

っていってもたかだか一ヶ月振りだけど、やけに久しぶりの作業に思えた。

燃え盛る火を見ていると、何故かいつもホッとする。

これは人間の本能なんだろうな。

曇り空を眺めながら薪ストーブの火にあたる。

ラフンタの日常。

一ヶ月振りに味わうと、これが新鮮。

やっぱり四季って大事なんだな。

寒い日、暑い日、ジメっとしてる日、カラっとしてる日。

全部があるから、お互いが引き立つわけで。

だから、この雨がずっと続くと、またあの晴れ間が懐かしくなる。

それにしても、

良かったー。恵みの雨。

写真:近所の川にて。この川の水が、ラフンタの皆の飲み水になってる。




パタゴニア・夏まつり

2012-01-26 00:38:00 テーマ:パタゴニアライフ
先週末はラフンタ村のお祭りだった。
アットホームな夏祭り。

ぼくが育った鎌倉では8月10日が花火大会で、それが終わると、「あー、夏が終わりに近づいてきちゃったなーっ」て、まだまだ温かいのに、ちょっと心が寂しくなったことを思い出す。

ここ、ラフンタではこの夏祭りが、正に皆の夏気分の最高潮で、これを過ぎると夏も後半戦といった感じなんじゃないかと思う。

実際、天気のほうも、祭りが終わる日曜日までは晴れ続き。週明け月曜日からは曇り空で、今日は風も強くて、なんだか秋の気配を感じちゃうほど。

40歳になった今でも、「夏の終わりの気配」っていうのはなんだか寂しく感じるものなんだな。

ここ、ラフンタは銀行すら無い場所だから、もちろん、飲み屋やライブハウスなんてものは無いから、普段の娯楽といえば、家族で見るテレビが主流なんだと思う。

我が家の場合、テレビじゃなくて、アルゼンチンの時雄さん、時子さんや、自転車で旅しているフジくん、ゆきみちゃんにもらった日本の映画やお笑いが最近の娯楽。

そんなとてもシンプルな日常だからこそ、祭りの時間が全体的にとーーっても幸せな、特別な空気に包まれていたように感じる。

小さい時に見た「北の国から」で、富良野のお祭り風景のシーンがあって、へそ踊りをするおじさんなんかの映像がやたらに幸せな感じに見えた。

ラフンタの祭りには正にあの「北の国から」で観た、富良野の祭りと同じ空気が漂っていた。

川辺の気持ち良い会場はライブ音楽に溢れていて、手漕ぎボートの競争があって、カウボーイ達のロデオがあったり、子牛に焼き印を入れるパフォーマンスがあったり。ゆったり、ほのぼの、楽しい時間が流れた。

ポールとワインを飲みながら話をしてたら、ゴミ拾いのおじさんがやってきた。挨拶をした後、ポールが教えてくれた。

「あの人が市長なんだよ。」

びっくりした。極々自然に会場のごみ拾いをしながら、皆と楽しく談笑する市長の姿。彼はもう16年間市長をやってるそうだ。

因みにここ、ラフンタはシスネス市の一部で、市庁舎はここラフンタから140km近く離れた所にある。

ぼくら家族は普段は肉を食べない生活だけど、祭りの為に用意された羊は有難く頂いた。

いやー、美味しい。

なんだか今から楽しみになってきちゃったな。来年の夏祭り。

写真:子牛に焼き印を入れるパフォーマンス。こうやって木に子牛をくくりつけた後、大人4-5人で子牛を押さえ込んで焼き印をもものあたりに押し付ける。その瞬間、体毛が燃えるから煙があがる。超あっつそう。
「地球を歩く、木を植える。」 Seedman's Diary-P1150618.jpg

Amebaおすすめキーワード

    1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

    あなたもエコ・ブログでブログをつくりませんか?