今週の読書(2012.02.14)(第323号)
テーマ:読書おはようございます。
今日はバレンタインデーですね。そんなこととは関係なく、私は本日から
4泊6日でロンドン・エジンバラへ出張です。前回から約4年、今年は
夏にオリンピックを控えたロンドンがどのような状況なのかも肌で感じて
きたいと思います。
さて、今週は「日本でいちばん大切にしたい会社3」の前半をお届けします。
1社1社で紹介したい内容が沢山あるので、2~3回に分けてお送りする
予定です。
※ちなみに、来週は出張直後で準備が間に合わないこともあり、1回お休み
とさせていただきます。
過去分は、ブログにも更新しております。
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◆日本でいちばん大切にしたい会社3(その1)
坂本 光司著 あさ出版
はじめに
・平成22年「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞という表彰制度が創設
された。これは、平成20年4月に出版した『日本でいちばん大切にしたい
会社』というタイトルの本がきっかけとなった。この表彰制度の主な目的は、
著者はこの本の中で強く主張した正しい経営、つまり「人をとことん大切に
する経営を、ぶれずに実行している企業」を顕彰して、そうした経営を行う
会社をこの国に少しでも増やすことである。
・「人を大切にする経営」の「人」とは、この地球上に住むすべての人々をさす
が、企業関係者がとりわけ大切にしなければならないのは、5人の「人」で
ある。それは、①社員とその家族、②社外社員(下請け・協力会社の社員)
とその家族、③現在顧客と未来顧客、④障害者や高齢者などの社会的
弱者、⑤株主・出資者・関係機関、である。
・本書では、人間尊重の経営、どこまでも人を大切にする経営を追求してきた
結果として、高い、ぶれない利益を生み出してきた7社を取り上げて、紹介する。
1.徳武産業株式会社(香川県さぬき市)
~高齢者の方々の無数の「ありがとう」をいただく奇跡の靴メーカー~
・もともとは靴の素人だった徳武産業は、「お年寄り向けの、転ばない靴づくり」
にチャレンジすることになる。多くの高齢者の悩みを聞いたところ、「左右サイズ
の違う靴を売ってほしい」「軽く、明るい色のものがいい」など、それまで考えた
ことなかったニーズが。多くは、業界での「非常識」で、販売ルートも皆無で
あった。そこで社長は・・・。
・十河さんは37歳のとき、義父の急死により徳武産業の二代目社長となった。
十河社長は「先代社長に負けるものか」という気負いが人一倍強く、当時
15名ほどいた社員たちとのトラブルが絶えなかったという。業界全体が年々
厳しくなるという環境で苦しんでいる中、先代社長の3回忌で「社長さん、
先代と競うのではなく、感謝してはいかがでしょう。先代は自分の命をかけて
事業継承してくれたのではないでしょうか」と住職が声をかけてくれたという。
住職の言葉で十河社長はハッと気づく。そして先代への感謝の念を持ち
始めると、不思議なkとにあれほど低迷していた会社の売上が上がり、社員
とのいざこざがびっくりするほどなくなり、いい方向へと流れるようになった。
・それまで考えてもみなかったが、高齢者の足は外反母趾やリウマチ、むくみ
などの様々な症状がある。人によって左右の足の長さが違ったり、幅に差が
あるなど、サイズが微妙に違う。著者してみてはじめて「個人個人の足の状況
にきめこまやかに応えるのは大変なことだ」と気づかされたという。なんとか
商品化して、困っている人々を助けてあげたいと強く思った十河ご夫妻は、
経営の三本柱である旅行用スリッパとポーチ、それにルームシューズを社内
の若手に任せ、高齢者向けのリハビリシューズの開発に没頭した。そして2年
かけて約500人の高齢者の悩みを着て歩き、だんだんと形にしていったのだ。
・顕在的なニーズは左右サイズ違いだが、潜在的なニーズとして片足販売も
あった。実際にそれを販売することは、お客さまに「そこまでしてくれるのか?」
と感動されるものであった。
・介護用ケアシューズ「あゆみシューズ」が完成し、発売したとき、すでに先発の
大手2社があったが、それはリハビリシューズとして販売していたものであった。
それに対し、徳武産業は日本発の施設用ケアシューズとして販売を開始した。
軽くて明るい色、転倒しない機能性、リーズナブルな価格、左右別サイズを
同じ価格で販売するという靴メーカー初の試み。まさに、使う側の立場に立った、
かゆいところに手の届く靴であった。そして業界30年の技術者が「そんなこと
絶対にできるわけがない」と断言した非常識な十河社長の読みは、見事に
当たったのだ。
・十河社長は言う。「ずっとあゆみシューズを履き続け、それでも加齢と共に足
の障がいが出てきた、むくみが出てきたなど、もう人生も最後に近づいている
お年寄りからお金をとるというのではなく、あゆみのお客さまに最後まできちん
と合う物を提供していきたい。いかにその方に最後まで歩いていただける環境
を整えていけるかが、われわれの役割だと思っている」。
・いくらいい商品でも、お客さまの支払い能力を超えた値段では意味がない。
徳武産業のあくまでもお客さまに寄り添う経営方針が、人の心を動かさない
はずがない。今では、他メーカーも特注システムを採用するようになってきた。
そのため、より多くの介護シューズが左右サイズ違い、片足のみの販売が可能
となった。徳武さんのシューズにかける思いが業界の基準を変えたのである。
・靴は無機質なものだが、「この役割をしてください」という願いによって、有機質
の物に代わる。靴が、本当に不自由されている方の思いを実現する有機質に
変わったらもう靴は靴ではない。靴は本当に、その人の、未来に対する夢を
実現する道具かもしれない。身体の一部かもしれない。十河社長がつくって
いる靴が、利用する方にとっては靴ではないと思うと、やりがいどころではないと
十河さんは言う。
2.中央タクシー株式会社(長野県長野市).
~理想を求めて「しあわせを乗せる」タクシー会社をつくりあげる~
・中途採用が多く、サービスの質がなかなか上がらないタクシー業界。そのなか
で、「理想のタクシー会社をつくる」と決心し、「お客様第一」「タクシーの
仕事は人の人生にふれる仕事」の理念に基づいて、数多くのファンを得て
いるのが中央タクシー。「私、乗ってしあわせを感じます」と言ってもらえる
経営とは。
・長野オリンピック景気のあと、長野県の産業すべてが急激に冷え込み、中央
タクシーも三期連続赤字となった。当時の社長宇都宮さんが「人件費は
絶対に削らない。社員は絶対にリストラしない。何か削れるところはないか?」
と考えて、山の中腹にある更地、現在のプレハブの立つ場所に引っ越した
のが2002年のことであった。当初は、不便な土地に移ることにより社員が
30名くらい辞めるのではないかと心配したが、結局辞めたのは1人だけで、
それどころか半年のうちに逆に30名の応募があったという。「どんなに厳しく
とも、社員とその家族の命と生活を守る」という経営姿勢を、社員が評価
したのだ。
・「お客さま本位」という方針を徹底するため、それまでは即戦力欲しさによる
経験者優先だったが、「いっさい経験者は採用しない、未経験のみ採用」
という方針に切り替えた。
・1998年は長野オリンピックが開催され、長野県内のあらゆる業界が「オリン
ピック特需」にわいていた。タクシー業界も例外ではなく、多くの注文が
入った。ところが、「オリンピックで貸し切りばかりになることにより、いつも
利用いただくお客さまがタクシーを利用できないのではないか?」という
問題が発生した。これでは「お客さま本位」ではないと考え、「オリンピック
特需」よりも「地域のいつものお客さま」を優先すべきだと全乗務員の
一致で決まったという。
・中央タクシーの経営理念は、「お客さまが先、利益は後」である。この
「お客さま」とは、①自分以外の全ての方、②われわれの生活を支えて
くださる方、③われわれの足りない部分を教えてくださる人生の師、と
定義している。また利益については、①利益の本質は革新料である、
②利益はわが社の真心と力の限りを尽くして、お客さまにお使いした結果
ちょうだいする心からの満足料である、③利益は周到な計画と強固な意志
によって拡大する、④利益はわが社に集うすべての人々、そしてわが社を
取り巻くすべての人々にとって福祉の源泉である、⑤利益はわが社が将来
に向かってますます拡大発展し、しかもその道程で遭遇するリスクを克服
するための原資である、と定義している。
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ではでは。
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