今週の読書(2012.05.15)(第334号)
テーマ:読書おはようございます。
先週末の土日もNLPのマスターコースでした。そこで1つ印象に残った話を
シェアします。
日曜日の朝は、空気も澄んでおり、電車から”富士山”がきれいに見え
ました。なんだかラッキーと思ったり、1日学ぶ意欲が湧いたり、人それぞれ
富士山を見ると感じるものがあると思います。
”富士山”は、たとえ雲がかかって見えなくても、多くの日本人の心の中に
あり、「見えている」のかもしれません。心の中にいてくれるだけで安心したり、
意欲をもらえたりする。
私自身は人として、そんな存在になりたいなと思いました。
さて、今週はマクドナルドの経営改革について書かれた本です。
過去分は、ブログにも更新しております。
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◆勝ち続ける経営~日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論~
原田 泳幸著 朝日新聞出版
はじめに
・著者はマクドナルドに来る前の33年間、IT業界一筋で仕事をしてきた。アッ
プル社には14年ほど在籍し、日本法人の社長7年間務めたのが前職となる。
何かの縁により、転職となった。アップルの時代もたいへん楽しかったが、マク
ドナルドにいる今のほうがもっと楽しいと感じている。なぜなら、まだまだ学ぶ
ことがあるから。学んでいるときは、一番やりがいがあると社長になった今でも
感じる。
・ただし、IT業界と飲食業界でビジネスモデルがこれほど違うということを知って
いたら、怖くて転職できなかっただろう。その違いを知っていれば、ひょっとした
ら、この7年間の改革のリーダーシップを執れなかったかもしれない。すなわち、
知り過ぎると変革のリーダーシップを執れない。知り過ぎることが障壁となる
のではないか。政治やさまざまな企業の改革についても、経験が長く知識
が豊富であるからこそ変化できないバリアになっているのではないかと感じる。
・本書は2010年12月と2011年6月に行われた「AERAビジネスセミナー」の
講演内容に加筆修正したものである。著者はこの7年間で「どのような状況
で、何をしたのか」について具体的に述べていく。
第1章 基本に立ち返り「らしさ」を取り戻せ
・改革というのは、すべての過去の経験を捨て、白紙の状態に自分の意識を
持って行き、自分の成功経験も否定しながら、次のビジネスのナビゲーション
のために自分自身の変化を考えなければならない。
・経営改革にあたり、著者がロケットサイエンス、つまり急激な変化を施したの
かというと、そうではない。当たり前のことをきちっとやっただけだが、この当たり前
のことをやることがビジネスでは最も難しいのだ。人間には当たり前でないこと
ほどやりたがる習性があるからだ。ビジネスに置き換えると、業績が低迷して
いるときにいろいろなことをやり過ぎる。つまり基幹ビジネス以外の新規ビジ
ネスに手を出したがる。マクドナルドもそのような傾向があったが、コアビジネス
の「らしさ」、基本を取り戻すことが重要であった。
第2章 7年間の経営改革① フレンドリーであるか、コンビニエントであるか
・2011年、日経BPコンサルティングが行う「ブランド・ジャパン」の調査で、マク
ドナルドは2007年の81位から年々上昇し、ついに第4位となることができた
この評価のフレームワークは、「フレンドリー」「コンビニエント(利便性)」
「アウトスタンディング(顧客の期待を超えている)」「イノベーティブ(非常に
革新的)」の4項目で判断される。よって、この4項目に沿って、この7年間に
具体的に取り組んできたことをみていく。
・「フレンドリー」という面では、社長就任時に「QSC意外はやるな」と厳命した
という。そして、レストランビジネスの基本はおいしいものを提供することで
あることから、それまで不評だったハンバーガーなどのつくり置きをすべて
撤廃した。海外の成功事例を参考に「メイド・フォー・ユー」という独自の
キッチンシステムを採用し、できたてかつすばやい提供に力を注いだ。
・就任翌年には、100円メニューを中心としたバリュー戦略をとり、お得感・
納得感の高い商品を提供しました。これは、マクドナルドが他店に負けない
競合優位差である。一方では、日本独自の新メニューの開発に取り組み、
「えびフィレオ」などを戦略商品として出した。価格改定も何度か行い、実は
この8年間で6回の値上げを行い、1回も値下げをしていない。価値を上げ
て、値段を上げるということの連続であった。
・「コンビニエント(利便性)」という面では、24時間営業店を増やした。そして
アメリカのフラッグシップメニューである「メガマック」や「マックグリドル」の販売
開始、さらに地域別価格やe‐マーケティングなどに取り組んできた。そもそも
マクドナルド誕生以来の理念が「スピード・オブ・サービス」ということで、コン
ビニエント、利便性を追求することからスタートした。
第3章 7年間の経営改革②
アウトスタンディングであるか、イノベーティブであるか
・「アウトスタンディング」。顧客の期待を超えていくためには、やはりその企業
でしかできない「らしさ」が必要である。世の中、ダメになった会社はすべて
「らしさ」を失っていると思う。その企業でしかできないことを忘れ、自分らしく
ないことをやって、失敗している例が沢山あるのだ。著者がリーダーシップを
執ったこの7年間は、マクドナルドらしさを取り戻した期間ともいえる。
・「イノベーティブ」の代表的なものは、地域別価格の導入である。2007年
以降、全国で5段階に分けて、地域ごとの価格を変えている。これは地域
により人件費や家賃などが異なるため、メニュー価格は都心より地方の
ほうが安く設定されている。
・厳しい状況の日本で、成功している企業は、価値と価格を上げる戦略を
貫いているのではないかと著者は解釈している。重要なのは、顧客の期待
値を超える、経験値を超える価値の提供である。単に価格を下げるのでは
ダメである。仮に値付けが100円であっても、500円であっても、経験値を
超えるのは価格だけでは無理なのだ。独自性がなければ、不毛な価格
競争になってしまうからである。
第4章 原田流ビジネス理念
・著者にとってコストを減らすとは、「もっとお金を使って、もっと売る提案を
出す」ということ。そういう提案ができて、初めて何が必要で何が必要で
ないかを判断できる社員が育つと思う。そういう意味でも、経営が厳しい
ときこそ投資も含めてもっとお金を使おうという議論をしないと、その後の
復活はあり得ないと思う。
・そもそもリサーチは戦略・企画の基本データではない。リサーチというのは、
自分が信じることが思った通り進んでいるかどうか自己検証するための
ツールである。
・著者はよく社員に「あなたは3年以内にどういう後継者をつくりますか?」
と聞く。これは「あなたの後継者をつくらない限り、あなたの次の成長の機会
は生まれないでしょう?」という意味である。このような意識改革も含めて、
人事の考え方を変えるのには苦労した。ポイントは1にも2にも後継者。
すなわち人材のパイプラインを作っていくことで、企業の成長を図るという
ことだ。
特別付録 セミナー時に寄せられた質問&回答
・改革というのは、部下から好かれようとか、マスメディアにいい記事を書いて
もらおうとか、目先のことにこだわり過ぎたらできない。リーダーシップを執れ
ないだろう。よって、絶対に行わなければならないのは、戦略を明快に
伝えるということ。そして大事なのは結果を出すことである。結果が出な
かったら誰も信用しない。結果が出たら、たとえ言っていることが間違って
いても信用してくれる。
・著者はよく「キャリアを自分で考えるな」と言うという。自分でキャリアを求め
ていくようなことをしても、絶対その通りになるわけではないため、キャリア
プランをつくるというのは自分の可能性を絞ることになる。よって、キャリア
とはまわりから来るものと思い、その日、その日、自分の命題に関して周り
が期待する、上司が期待する以上の結果を出していけば、キャリアは
必ず周りから来るのだ。
・マクドナルドのクルーの素晴らしいホスピタリティというのは、あくまでも個人
の資質から来るものであり、膨大なマニュアルから出るものではない。
・著者は、窮地に立ったときは、誰よりも冷静になるということが自分の役割
であると自分に言い聞かせている。窮地になればなるほど、トップが殺気
立てば殺気立つほど、スタッフは考えなくなってしまう。皆のいろいろなアイ
デアを引き出すためには、皆に考えさせなければいけない。チームパフォー
マンスを最大限に持っていくために自分の言動を自己コントロールすること
がリーダーシップとして必要なのだ。
・著者は、振り返ると皆が反対するようなことばかりやってきた。やはりトップ
が反対を押しきってチャレンジすれば、社員もチャレンジするようになるの
ではないかと思う。そういう意味で、トップが旗振りしないと、おそらく組織
文化、企業文化は変わらないのだろう。
・英語で言うとチェンジ・リーダーシップ、変革するリーダーシップは、非常に
痛みを伴う。目先のものを捨てなければいけない時がある。だが、目先
のものを捨てられないと、明日の機会点を潰してしまうこともある。著者
自身が変わっていかなければ、社員は変わらない。従って、社員に変革
を求める以前に自分が変わることが使命だと思っている。
【気づき&感想】お薦め度:★★★★(5段階評価)
最近は、食べる頻度は減ったが、1~2年前までは、よくマクドナルドのハン
バーガーを食べていた。消費者としては、若干ネガティブに感じていた「値上げ」
や「新メニュー」などの展開だが、背景にある考え方や、業績への反映など、
読むことで理解することができた。経営改革において必要なリーダーシップ
について、考えさせられる1冊であった。
【今日からやること!!】
変革の意識を持って、時には過去を否定してみる
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ではでは。
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