交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 今年度の中四国ラジオドラマ脚本コンクールの応募作品を読んでいるところ
ですが、「台詞とSE(効果音)あるいはナレーション(N)」の間に一行の
空白行をとって書いている人が多いですね。九割以上といっていいでしょう。
こんなぐあいに書かれています……。


【ラジオドラマ脚本の執筆形式 例1】
----+----10----+----20
  SE ○○○○○○○○○○
                     ← 空白行
人物A「□□□□□□□□□□□□□□□□
 □□□□□□□」
人物B「△△△△△△△△△△△△」
                     ← 空白行
  SE ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
                     ← 空白行
N「☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 ☆☆☆☆☆☆☆」
                     ← 空白行
人物A「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」
人物B「▽▽▽▽▽▽▽」
人物A「§§§§§§§§§§」
                     ← 空白行
  SE ※※※※※※※※※※※
                     ← 空白行
人物A「&&&&&&&&&&&&&」
人物B「%%%%%%%%%」
----+----10----+----20


 コンクール募集の場合、執筆枚数が「四百字詰め原稿用紙で45~50枚」など
と制限されます。しかしながら上のような書き方では空白行がどんどん増えて、
最終的には多いもので5枚分ぐらい空白があるのではないかと思います。


 ──読みやすいから、いいんじゃないの。


 決してそんなことはありません。「菓子折りを開けて、お菓子を仕切る詰め
物がやたら多く、お菓子の少なさにがっかり……」そんな印象です。
 コンクールとは、いかに自分の作品をアピールするかです。もちろん審査で
は書かれているドラマの内容を重視しますが、こんなに空白を目にすると「こ
の作者はどれだけこの作品を書き込もうとしたのだろう」と疑問を抱いてしま
います。「規定枚数の最低ラインに到達する手段?」とも受け取れます。同時
に「この作者に(NHK-FMシアターの場合)50分のドラマを書ききる技量
や意欲はあるだろうか」と心配もよぎります。


 ──実にもったいない書き方です。


 どこかの文献で、あるいは脚本を指導する誰かがこんな書き方を推奨してい
るのでしょうか。枚数制限があるコンクール用原稿に、この書き方は納得でき
ません。私なら次の書き方をするよう伝えます。


【ラジオドラマ脚本の執筆形式 例2】
----+----10----+----20
  SE ○○○○○○○○○○      ┐
人物A「□□□□□□□□□□□□□□□□ │
 □□□□□□□」            ├ ひとつのシーン(場面)では
人物B「△△△△△△△△△△△△」    │ 空白行は入れず書く
  SE ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎   │
N「☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ │
 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ │
 ☆☆☆☆☆☆☆」            │
人物A「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」   │
人物B「▽▽▽▽▽▽▽」         │
人物A「§§§§§§§§§§」      ┘
                     ← 空白行【場面転換を記すため】
  SE ※※※※※※※※※※※     ┐
人物A「&&&&&&&&&&&&&」   ├ 次のシーン(場面)
人物B「%%%%%%%%%」       ┘
----+----10----+----20


(注)事例としてナレーション(N)を用い
   ていますが、私はナレーションやモノ
   ローグは使用しないよう努めています。


 ひとつのシーン(場面)では、SEやナレーションであっても空白行をとら
ず、どんどん書けばいいのです。これでも脚本の書き方に則っており、充分読
みやすい、逆に「たっぷり書いてきたな」と読み応えがあります。
 シーンが替わるときに「それを知らせる意図」として1行空白をとります。
転換の始めがSEでなく台詞やナレーションであっても1行空けます。


 たとえば例1の書き方で45枚の原稿としましょう。台詞をしゃべるスピード
やSEに費やす時間、あるいは間のとり方によって、原稿1枚にかかる時間は
まちまちですが、平均的にみて1枚1分と換算していいでしょう。つまり45枚
の原稿は45分のドラマと考えます。
 ところが45枚といっても、例1のように空白行が多く、実際は40枚程度とな
れば、これは「尺(時間)足らず」となり、制作上考えものといえます。5枚
分となれば、まだまだ書き込みの余地があります。仮に現状で制作するとして
も(もちろんしませんが)、演出者では追加できない枚数です。作者責任の範
囲なのです。
 つまりコンクール作品においては『空白行も枚数(=時間)のうち』と考え、
審査員に「いらぬ心配」を抱かせないよう「執筆形式」にも注意を払ってほし
いものです。ひいては「作者の執筆意欲」を、側面からですがアピールするこ
とにも繋がると思います……。

AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

坂本 博さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。