交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 ドラマとして、印象的な台詞を心に刻みこむか、魅了するシーンを脳裏に焼
きつけるか……大いなる課題といえます。ところがこれに反して、ムダ台詞や
理解に苦しむシーンを織り込むようでは、いくら大作といわれても、感銘半減
どころか幻滅感すら覚えます。


 たとえば映画『センター・オブ・ジ・アース』を観ていると……中盤に、い
かだで地底湖を渡る三人に、鋭い歯を持つ魚が水中から飛び出して襲いかかる
シーンがあります。そのとき少年・ショーンの携帯電話が鳴ります。魚と格闘
しながらも電話に出るショーン。相手はショーンの母親で、電波の状態が悪い
ようです。結局魚が携帯電話を持って行ってしまうのですが……。


 ──このシーン(いかだでの携帯電話の一件)、不要でしょう!


 序盤のシーンで、洞窟(炭坑)に閉じ込められたとき誰かに連絡しようとシ
ョーンが携帯電話をとりだしますが、電波が通じないのを見せています。こう
して携帯電話に関する伏線を張ったにもかかわらず、地底湖(地底 160kmの設
定)では何故通じたのか……。裏づけが描かれていません。理解に苦しみます。
またその後の展開で携帯電話に関するシーンは一切ありません。新たな伏線か
と思いきや、その場限りのシーンにすぎず、まったく無意味としかいわざるを
えません。


 ──SF映画の落とし穴


 空想の世界を描くSF( Science Fiction)映画の課題は、視聴者の観念を
超えて驚かせたり楽しませたりするところにあります。それゆえ作り手は奇想
天外な展開や魅了するシーンを織り込む必要があります。それだけに想像力を
働かせ知恵を絞るのですが、「誰も見たことのない世界を創りだす」という困
難な課題が、裏を返せば「誰も見てないのだから、何でもあり(OK)でしょ
う」の結論に到達したときは、作品を壊す要因になりかねません。


 おそらくこの携帯電話の一件も、「窮地の状態で電話がかかってきたらどう
だろう。おもしろいんじゃないの。さらに幻想(前人未踏の秘境)と現実(携
帯電話)のミスマッチな融合はイケるんじゃないの。超常現象があってもいい
じゃない」ぐらいの発想だと思いますが……私は納得いきません。


映画『センター・オブ・ジ・アース』公式サイト

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