交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 ──ドラマ脚本を書くとき登場人物の名前は何を基準に考えますか。


 自分が作者ですから「好きな名前」をつけたいところでしょうが、その文字
(見た目)や発音(聞きぐあい)を考えると「なんでそんな名前にするかな」
と疑問を投げかけたくなるときがあります。
 塾生のスペースさんが昨年から手がけた脚本コンクール用作品の登場人物は、
主人公クラスのふたりが「凛子(りんこ)」と「廉太郎(れんたろう)」、そ
れに続く人物が「雅也(まさや)」「衛(まもる)」でした。文字として認識
するには問題ありませんが、電話や会って感想を話したとき白熱した私は「り
んたろう」「まさる」といったぐあいに間違えてしまいました。


◆凛子(りんこ)/廉太郎(れんたろう) → りんたろう
◆雅也(まさや)/衛(まもる)     → まさる


 読み手として意識散漫という見方もありますが、私が間違えているのにピン
ときたスペースさんは、その後「人物名を変更したい」と申し出て、結果、廉
太郎は「尚人(なおと)」に、雅也は「勝也(かつや)」に変更となりました。


 脚本コンクールに応募する作品は審査員が読み、上位にあがると議論が交わ
されます。このときひとりの審査員が人物名を勘違いしないとも限りません。
すると誰のことをいっているのか、ほかの審査員には分からない可能性もあり
ます。勘違いを招くような人物名を設定したばかりに、作品内容で云々してほ
しいところが「それにしても紛らわしい人物名だな」とプッシュどころか「悪
印象」をもたらしかねません。
 名前に限らず名字(姓)も同様にいえます。「平木(ひらき)/桧垣(ひが
き)」「西脇(にしわき)/石崎(いしざき)」など見た目では違いは明らか
ですが、同じ母音構成なので発声すると似ています。
 発音による勘違いは議論のときにありえます。ところが文字(見た目)の勘
違いは「読んでいるとき」に起こります。たとえば「川本/山本」「清水/青
木」「明子/朋子」などが似ています。これは、作品議論に持ち込まれる以前
の問題であり、ともすれば展開を履き違えて読み続ける可能性もあります。結
果「よく分からない作品」の印象が残り、プラス点よりマイナス点が増える要
素なのです。


 ──間違えるほうが悪い。もっとよく見て読むべきである。


 果たしてそういえるでしょうか。コンクールに送られる作品は数多いもので
す。審査員は短期間に次から次へと読みます。読み返す気持ちを与える作品な
ら、そのマイナス点も解消されるかもしれません。しかしコンクールにおいて
は「一読のチャンス」で望むぐらいの意識が必要です。その一読のとくきに安
易な人物名がきっかけで内容に影響を及ぼしたくはないでしょう。ならば命名
もよく考えるべきではないでしょうか。

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