交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 「回想の考え方」と「未来に向かって描く」という概念を覆して描いたドラ
マがあります。海外ドラマ『ER救急救命室』のシリーズ9の第10話『ふり返
れば』です。いうなれば「回想が回想を生み過去に向かって展開する。時間が
逆行するドラマ」なのです。


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   朝       昼           夜
時刻:8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
場面:A B C   D   E       F   G     H
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展開:H→G→F→E→D→C→B→A    ※時間が逆行する展開
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◆『ふり返れば』のあらすじ
 クリスマス・シーズン。ただでさえ人手不足のER、クリスマス休暇を返上
して働くスタッフの間に衝撃が走る。自動車事故に遭い、意識喪失となった医
学生ハーキンスが搬送され、続いて姿を現わしたのは額に怪我をしたコバッチ
ュ。スピードを出しすぎたコバッチュの車が、カーブを曲がりきれずスリップ
事故を起こしたのだ。何がコバッチュを無謀な運転に駆り立てたのか。時間を
さかのぼり、その理由が明かされていく……。
 このところ、私生活に落ち着きのないコバッチュ。ルイスの自宅で開かれる
クリスマス・パーティにコバッチュも参加するが、疎外感が否めない。そんな
コバッチュに接近する医学生ハーキンス。
 一方、ERの患者たちもコバッチュの心をかき乱す。暴力事件を起こしたク
ロアチアの老人グッター。偏頭痛を訴えるホッケー部員の少女ジェーン。発熱
と筋肉痛を訴え、フィアンセのローラを伴いERに現われた19歳の大学生リック。
 そしてハーキンスと一緒に自宅に戻った疲労困ぱいのコバッチュに、電話が
なる。それはウィーバーからの呼び出しだった。
                  【ER救急救命室 シーズン9より】


NHK海外ドラマ『ER救急救命室 シーズン9』公式サイト  


 観ていると、回想に移るときは一瞬フラッシュがたかれたようになり、その
シーンへ展開します。一度目は単なる回想に思えますが、その時間帯でまたフ
ラッシュが起こり、さらに回想(過去)に入り込みます。どんどん回想が発生
するにつれて、ドラマの展開が過去にさかのぼっていると気づきます。結局、
「今の人物がおかれた状況は、つきつめればこれが原因だ」を納得されてくれ
る仕組みなのですが、事の始まりは今の状況とは直接関係するものでもなく、
ただ「人が暴走し始める切っ掛けとはこんなもの」という虚しさも漂わす出来
栄えでした。
 時間軸に沿った進行が「論理の展開」による組み立てならば、時間を逆行す
るこのドラマは「根拠(原因)の追求」といったところでしょう。ドラマの構
成を考えるとき、「どう見せるか」の発想と「こう組み立てたい」の案に対す
る検討が重ねられた結果ではないでしょうか。回想もここまで使いきると、グ
イグイ惹かれるものがあり『構成の妙技』といえる作品です。


ドラマの中の時間軸 (2007年2月4日)
回想の構図(1)  (2007年2月14日)
回想の構図(2)  (2007年2月15日)

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