交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 物語『冬の花火』の解説(9)です。


 これで花火と宇宙、男と女が繋がりました。その情景を伝え、女が最後の一
本の花火を男に差し出します。冬の冷たい空気の中、失意の二人が一本の花火
により、ささやかながら夢のようなひとときに浸り、安らぎを得る光景です。
 この情景をドラマチックに描くことが物語のねらいです。これまでの描写や
やりとりは、そのための積み重ねになります。


*---------------< 本文 >---------------*
 冬の花火はどことなく淋しい。冷たい空気と季節外れという概念の中で、窮
屈そうにその煌めきを放っている。それでも彼女は、ひとときの安らぎを楽し
むかのように、花火がかもし出す小さな宇宙に見入っていた。
「最後の一本。お兄さんにあげるよ。やってみれば……」
 赤いマニキュアの手で花火を差し出した。
「ありがとう」
 花火を手に取ると、彼女が火を点けた。冬の花火は、パチパチと音を立て、
暗黒の空間を多彩な閃光で埋め尽くし、夢幻の宇宙へと導いてくれた。
 そして花火は消えた……。
               *-------------< ここまで >-------------*


 二人の宇宙への印象は決して「無限」ではありません。背景にどことなく空
虚で儚いものがあります。これまでの積み重ねで語ってきたので、ここでは多
く語らず「夢幻」の一語に込めてみました。

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