交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 普通、文章には『てにをは』と呼ばれる助詞がつきものです。「明日は脚本
を書き上げて放送局に入稿します」といった文章の中で、語句と語句を連結す
る「は」「を」「て」「に」の部分です。この他助詞には、「私の父と母が東
京へ行きました」のように「の」「と」「が」「へ」などがあり、文章には欠
かせない存在といえます。


 作品『幻夜断片』 (2006.01.27掲載)は一見「詩」のようですが、紛れもな
く「物語」です。文章から『てにをは』を排除してキーワードだけで流れを組
み立てました。また、『29時間のバグ探し(2)』 (2006.02.04掲載)の「パ
ソコン、スクリーンセーバー、無機質、変化、腕組み、にらめっこ、溜息」の
節も同様です。『てにをは』を使って文章にするとこんな感じになります。


*--------------------------------------*
 都会のたそがれは、黄金色にビル壁を染めてハレーションを起こし、スクラ
ンブル交差点のうごめきが一人の女を押し流していく。
 ……あなたは誰ですか?
 駅の階段を上ると、自動改札横の伝言板に無記名の落書きが目に飛び込んだ。
仕事に疲れ、脱力感に満ちたスーツの群れが行き交い、化粧で誤魔化した女た
ちは足早にハイヒールの音を立てている。
 ……何処から来たのですか?
              (以下割愛)
*--------------------------------------*
 無機質に変化するパソコンのスクリーンセーバーを、腕組みでにらめっこし
ても溜息ばかりが連なった。ロビーに出て煙草に火を点ける。たわいもない話
に作り笑いを浮かべている。昼食を取りながらも考え、目を閉じてウトウトし
ながら考え、それでも閃きは一向に舞い降りない。

              (以下割愛)
*--------------------------------------*


 この手法のねらいですが、語句の連なりなのでテンポアップになり、視覚に
訴えるモンタージュ(複数のカットを組み合わせたシーン)効果を引き出せま
す。視覚吸収でもの足らない人は、キーワードから文章を想像し組み立てて楽
しむこともできます。
 この他、短編小説『25時のメール』 では主人公の女が発信するメールをこの
形式にしています。言葉を感覚で捉えた遊び心に加えて、インパクトある文面
にしたかったのが意図です。


 どうです……オモシロイ手法でしょう!

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