交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 物語『冬の花火』の解説(8)です。


 男と女の境遇が分かり接点が確立しました。今度は男から女に話しかける動
機が生まれても不思議ではありません。花火を見せてもらったお返しと、女の
失敗を慰めようとする動機があるからです。


*---------------< 本文 >---------------*
 俺は緩めたネクタイを一気に外して、彼女の隣にしゃがんだ。ネクタイを丸
めて両端をピンと立てたものを作った。
「ウサギ……月のウサギ……」
「それが?」
「ほら、ここが耳で。見えないかな、大きさ違うけど」
「ヘタクソ」
 彼女は微かな笑いを残した。
               *-------------< ここまで >-------------*


 この節は『展開の分岐点』になります。男が「どんな話しかけをするか」で、
物語がいろいろな方向に流れていきます。また、女の対応によっても展開は左
右されます。物語の方向性を見失わないよう注意が必要です。
 物語の構図(骨子)を再確認しましょう。『冬の夜、繁華街の路地裏で花火
を接点に二人が出逢い、憂さ晴らしと新たな活力をもたらしていく』ですから、
方向性は後者の「憂さ晴らし」「新たな活力」になります。それを表現できる
エピソードを設定すればいいのです。
 憂さ晴らしというと大それた事象をイメージしそうですが、路地裏の些細な
出逢いに似合ったエピソードの方が効果的と考えました。逆に、物語の素材を
活かして「宇宙関連」のエピソードという考えもあります。それならば「些細
な宇宙を表現すればいい」の結論になり、「ネクタイで作った月のウサギ」に
到達しました。
 失意の男が見せた精一杯の慰めに、女も共感します。言葉では「ヘタクソ」
と強がりますが、内心はそのバカさ加減に一滴の清涼を感じ、行動(仕草)と
して「笑いを残した」にしました。これで、男も女も気持ちがほぐれたことを
表現しました。

坂本 博さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。