交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 もしも……「トイレ(ウンコ)に行きたいのに行けない状況」だったらが、
『ミッドナイト・プラン』の発想でした。これを出発点に、「どんな状況か」
「そこに陥るのはどんな人物か」「そして、その果てに何が残るか」を考えま
した。


 私の場合、発想のあとは「とにかく人物」を中心に考えるようにしています。
「どんな人物か」です。状況的には、腹を押さえ、腰をかがめて、しどろもど
ろの「非常にカッチョ悪い、情けない姿」です。この姿を際立たせるキャラク
ター固めから始めましたね。
 格好悪さを強調するには、その逆である「普段は格好いい」が浮かびますが、
これではギャップが多き過ぎて、しかも「格好いい人間は、その切迫感の中で
もどこか自分を取り繕い、返って格好悪さまでは到達しない」と感じました。
そこで「格好いい」ではなく「格好いいを目指す男」が適切だと判断しました。
 ここで、「格好いい」の意味合いですが、見た目(ルックス)などではなく
「頂点を目指す」つまり「成功者」と認識することで、成功の証といえる「カ
ネ(お金)」に着眼しましたね。その男は「失敗の繰り返しで、成功して世の
中を見返してやるという願望」を持っている。そのために必要なのは「カネだ」
という浅はかな志向の持ち主です。
 では「カネはどうやって手に入れるか」という疑問です。浅はかな男が思い
ついたのは「銀行強盗」です。さらに、犯行に及ぶ前夜、景気づけに「女を買
おう」というフシダラ極まりないヤツです。ここで「セックス」というキーワ
ードが加わり、『カネとウンコとセックス』という惹き付けの三要素を確立さ
せました。
 私のドラマに登場する人物は、「善と悪」の両方をもった人間たちです。そ
のときどきで「どちらが前面に出るか」で考えます。その方が「より人間らし
く」映るからです。
 そして出来上がったのが、この作品の(名もない)男です。さらに、男を際
立たせるために設定したのが女です。これも「カネとセックス」に絡ますこと
にし、男が「ウンコに行きたいのに行けない」という岐路に立たされる状況を
作り出す張本人に仕立てました。


 結果、「目クソ鼻クソ」レベルのどうしようもない二人が、さらに次元の低
い状況で見せてくれたのは、人間味溢れるドラマでした。『もしも……』の閃
きが舞い降りたときに、「こうなる」とイメージしたものではありませんが、
ひとつひとつの糸(意図)を手繰り寄せ、どれを選ぶかを検討した果てに出来
上がった感動の逸品だと思います。

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