交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 フォークソング全盛といわれた1970年代に、吉田拓郎や浜田省吾もいた『広
島フォーク村』の村民だった修(48歳)は、「歌が好きだから」といまだにラ
イブ活動を続けている。しかしながら、歌もパッとせず、人気もなく、いつも
前座を務めるありさまだ。それでも音楽仲間からは、友達感覚の付き合いが評
判だったり、よき相談相手(?)として支持されている。そんな修の理解者は
ライブハウスのマスター・桂木(52歳・元村民)ぐらいである。
 家業の酒屋は妻の道子(44歳)が切り盛りしている。修は、酒屋の仕事は二
の次で、道子には頭が上がらない。「ダメ親父」のレッテルを貼られているこ
とは、本人も認めている。それなのに、どこか憎めない面があり、子供の美音
(17歳)や弦(14歳)とも音楽仲間以上に友達付き合いをしている。とにかく
笑いだけは豊富なオヤジだ。


 ある日、ライブを終えた修が楽屋で音楽仲間と話している。昔、修とデュオ
を組んでいた雅彦(46歳)を街で見かけたとのこと。雅彦とは一緒にプロデビ
ューを夢見たこともあり、修にとっては音楽だけでなく青春時代を謳歌した無
二の親友である。楽屋の壁には、当時の二人の人気振りを物語る写真が飾られ
ている。しかし、その雅彦とも会わなくなって十年になる。
 思い出話に華が咲いたとき、女子高生の弥生(17歳)が修を訪ねて来る。そ
の日も調子良く歌えた修は、弥生を自分の歌に感動したファンと思い込み有頂
天になる。求められたわけでもないのに、握手をしたり、その辺に置かれてい
る物にサインして渡したり、「やっと俺の時代が来たぞ!」と勘違いを連発す
る。
 調子のいい修の言葉を制するように、突然弥生が「お願いがあります」と頭
を深々と下げる。さらに勘違いした修は「タクローのサインが欲しいの? そ
れともハマショーを学園祭に呼びたい? 俺はタクローもハマショーをよく知
ってるが、あいつら忙しいからな……」と大風呂敷を広げていく。しかし、そ
れも弥生は首を横に振って否定する。そして壁の写真に目を向ける。写真には
大勢のファンに囲まれた修と雅彦の姿がある。
 弥生の頼みとは、一体どんなことなのか……


                             《つづく》


*----------* ポイント解説 *----------*


1.ドラマの冒頭になります。主人公である修を中心に、主な登場人物とその
  背景(ライブハウスと家庭)を紹介します。
2.楽屋というひとつの賑わい中で、ドラマを展開させるべくふたつの問題提
  起を投じます。修が昔デュオを組んでいて今は消息すら掴めない雅彦の存
  在と、突然訪ねて来た弥生の頼み事とは何かです。さらに、写真を見つめ
  る弥生の姿から、何か関係があるのかと残します。
3.修のキャラクター(憎みきれないお調子者)も見せて、人物的にも興味を
  抱かせます。


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