CASTLE KEEP
監督: シドニー・ポラック
音楽: ミシェル・ルグラン
出演: バート・ランカスター、ピーター・フォーク、ジャン=ピエール・オーモン、アストレッド・ヒーレン、パトリック・オニール、スコット・ウィルソン、ブルース・ダーン
1969年 アメリカ映画




シドニー・ポラック監督による戦争映画としては、恐らく唯一の作品。
ストーリーは、バルジの戦い直前の頃、ドイツ軍の反攻に遭い敗走する米軍の小隊がベルギーの古城にたどり着きます。
そこは、伯爵夫妻が住んでいて、城内には伯爵がコレクションした数多くの美術品が所蔵されていました。
城を駐留拠点にするのはマズいと反論する部下を押し切って、小隊長は城を拠点とするのですが・・・・というようなお話です。
戦争映画ファンの目から見ると、なんとも言えない変テコな映画。
幻想的な戦争映画とでも言えばいいでしょうか。
結局は戦争の虚しさ、愚かしさを表現したかったのでしょうが、途中で挿入されるエピソードがことごとく変。
ピーター・フォーク軍曹は、街のパン屋さんにパンを買いに行ったままそこへ居座り、
しまいには一緒になってパンを売ったりするし、
フォルクスワーゲンを池に沈めて、また浮かんできたのを観て大喜びする米兵はいるし、
古城の伯爵は、美術品を守るために自分の妻をバート・ランカスター隊長に抱かせようとするし、
なんなんだ、これは、という感じです。
伯爵の妻とバート・ランカスターが森の中で白馬に乗るシーンに至っては、
戦争映画であることを忘れてしまいます。
アメリカ映画ですが、「サムライ」のアンリ・ドカエが撮影しているせいか、フランス映画を観ているような錯覚を覚える瞬間があります。
自暴自棄?になったバート・ランカスターが、ラストでドイツ軍が侵攻してくる中、
古城の美術品コレクションを対空機関銃をぶっ放して全部粉々にしちゃうシーンが印象的。
ユーゴスラビア・ロケなので、ドイツ軍戦車としてソ連軍のT-34が出てきます。


音楽は、フランスのミシェル・ルグラン。
サントラ盤はこれまで発売されたことはありません。
唯一、仏Unversalから発売された、ミシェル・ルグラン4枚組に2曲が収録されたのみ。
これも、そろそろどこかから発売されないかなあ、と秘かに期待してます。
ミシェル・ルグランの戦争映画と言えば、これと「大侵略」ぐらいなので・・・。
2本がカップリングになったのでもいいなあ。
「大侵略」の方は、スコア全部かき集めてもアルバム1枚分にはならないと思うので・・・・。
この映画、本編も戦争映画らしからぬ映像なら、スコアも戦争映画と思えない雰囲気を持っています。
まあ、ミシェル・ルグランにスコアを依頼するのですから、それも当然か。
ストリングスとコーラス主体のメイン・タイトルは、流麗だけど悲劇的なメロを持った感傷的な曲。
メロはなんとなくマイケル・J・ルイスの「メデューサ・タッチ」に似てます。
途中でなんと男女のコーラスによるオシャレな「ダバダバ」調になるのはビックリ。
おいおい、これ戦争映画だぞ~、という感じ。
「華麗なる賭け」で聴かれたフルートの流れるようなフレーズや、
チェンバロも出てきます。
中には無機質な現代音楽調のスコアもありますが、
全体的に美しいスコアに包まれたヘンテコな戦争映画スコアです。
スコアだけ聴いたら、絶対戦争映画だとは分からないでしょう。


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