MILANO TOREMA: LA POLIZIA VUOLE GIUSTIZA
監督: セルジオ・マルチーノ
音楽: グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
出演: リュック・メランダ、リチャード・コンテ、シルヴァーノ・トランクィリ
1973年 イタリア映画

またまた、パチモン、今夜はクライム・アクション。
誰がどう見ても「フレンチ・コネクション」や、イタリアの社会派映画「警視の告白」、「黒い警察」の影響をモロに受けた映画だということはお分かりでしょう。
監督は、「ベイルート作戦・危機突破」、「ハチェット無頼」、「ドクター・モリスの島フィッシュマン」、「片腕サイボーグ」といった、
おもしろけりゃ何でもいいという超即物的娯楽作品の雄、セルジオ・マルチーノ。
本作も、一連のアクションシーン、カーチェイスシーンをそれぞれパーツとして独立して楽しんだほうがいいような映画で、
ストーリー自体は、ほんと大したことありません。
一応、イタリア警察内部の腐敗というか、よくある内部告発ものにはなっていますが、
あまりによくあるお話なので他の映画とごっちゃになってしまいそうです。
主人公が一匹狼的なデカなんて設定もめちゃくちゃベタなんですが、
見終わってもあんまり残るものがない。
ストーリーは、この際気にしない。
アクションのつるべ打ちをただただ堪能すればそれでいいんじゃないかと思います。
もちろん、真剣にストーリーを追って観るのもまた一興ですが・・・・。
この手のパチモン・クライム・アクションは、マカロニ・ウェスタンと一緒で、当時腐るほど製作されたので、
どれがどの映画だったか段々と区別がつかなくなってきました(^_^;)
このころのパチモン犯罪映画は、けん銃の発射音が全部マカロニ・ウェスタンに出てくる発射音と同じで笑ってしまいます。



音楽は、またまたグイド&マイリッツィオ・デ・アンジェリス兄弟。
kazzpさんから、「奴らは物心ついたときから脳天気なスコアしか書かないのか」
というご質問があったので、今日はシリアス路線のアンジェリス兄弟を紹介します。
この兄弟のスコアって陽気なものが確かに多いですが、
案外シリアスなものもあるのです。
一連の70年代パチモン・クライム・アクションの諸作がそれで、
「死に神の骨をしゃぶれ」とか「ビッグ・バイオレンス」とか。
本作もオープニング・テーマなんか、モリコーネのパチモンって感じ。
よその国のいいところだけじゃなくて、自国の作曲家のいいところも頂いちゃうところなんぞ、
マカロニ界のジェームズ・ホーナーと言わせてもらいましょう。
この人たちが書くシリアスでサスペンスフルなスコアというのは、
モリコーネやチプリアーニっぽいメロに、
イタリアン・プログレッシブ・ロックなリズム・トラックやキーボードが絡むというパターンが多いようです。
ロックっぽい曲になるとすぐユーロ・プログレ風になるのは、70年代だから仕方ないかもしれません。
図太くてなんとなく黒いうねりを感じさせるベースラインとドラム・パターンなんかモロだもんなあ。
ファンクとプログレとイタリアン・サントラのごった煮という趣です。
すぐ2拍3連になるのもご愛嬌。
こんな映画もCDの時代になって、伊DigitmoviesレーベルがちゃっかりCD化しています。
やっぱこのレーベル、パチモンの殿堂だわ。

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