THE DEAD POOL
監督:バディ・ヴァン・ホーン
音楽:ラロ・シフリン
主演:クリント・イーストウッド、パトリシア・クラークソン、エヴァン・C・キム、リーアム・ニーソン、デヴィッド・ハント、マイケル・カリー、マイケル・グッドウィン、ジム・キャリー
1988年 アメリカ映画



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5年間のブランクをはさんで登場した「刑事ハリー・キャラハン」シリーズの最終作。
イーストウッドの代表作となるシリーズですが、さすがに「5」ともなると年には勝てないという感じで、
ダーティ・ハリーもアクションにキレが無く、凄みも無くなって、いい感じの初老のおっさんになっています。
今回のお話は、リストに載った人物の「死」を予想するゲーム「デッド・プール」を巡って展開する連続殺人事件をキャラハンが追う‥・というストーリーです。
シリーズ中、1、2を争う上映時間の短さですが、それがかえって作品の流れをタイトなものにしているので、
意外にコンパクトで面白い作品に仕上がっています。
この作品をシリーズ中「最低」と評価する人も多いようですが、おっさんはそうでもなかったなあ。
本作では、ブレイク前のジム・キャリーが出てきますが、この頃からあのテンションなんですね。
これ芸風というより元々のキャラなんでしょうか。「素」があんな感じだったら驚きますね。
個人的に印象に残っているのは、プラスチック爆弾を積んだラジコンカーを使ったカーチェイス・シーン。
これが結構ハラハラします。
そういえば「未来警察」にも同じようなチェイス・シーンがありましたね(^^;)
今回はハリーの持ち銃も、リポルバー式の44マグナムに戻っています。
前作のオートマグはやっぱり不評だったんでしょうね。
ダーティ・ハリーと言えば、この形のマグナムで決まりでしょう。
なお、今回はマグナムの他にでっかい銛(もり)銃を撃ったりします。
あ、そういえば、何故か劇中ガンズ&ローゼズが出てきます。






音楽は、「3」以外すべてのスコアを手掛けるラロ・シフリン。
公開当時は、サントラが発売されませんでしたが、この度、シフリンの個人レーベルAlephから遂にスコア盤が発売されました。
80年代後期のシフリンって、中途半端にシンセを導入したり、妙にシンフオニックだったり、
一番得意なスリリングなジャズを封印してしまったかのような作風に毎回ガッカリしたものです。
本作もメイン・タイトルに限って言えば、「4」に引き続きそんな傾向が現れた1枚といえます。
これがまた今聴くと、とても古臭くダサダサな曲に仕上がっています。
DX-7っぽいホーン系のシンセがメロを演奏するバックで、「ピューン、ピューン、ピューン」というスペイシーなアタック音。
「スペースボール」じやないんだからやめろよ~って感じです。
公開当時、つい頭を抱えながら観てしまいました。
劇伴の印象がもう薄れてしまっていたので、今回のCD化にあたっては他のトラックの出来映えも心配したのですが、
劇伴はそこまで80年代シンセに汚染されておらず、オーソドックスなジャズスコアもあって、劇伴の方が聴き応えがありました。
「1」の「Dirty Harry's Creed」のモチーフがいろいろとアレンジを変えてあちこちに顔出すので、懐かしさがこみ上げます。
アルバム1曲目には前作でロバータ・フラックが歌った「This Side Of Forever」のメロを使ったインスト・バージョンを収録。
これが当時流行りのフュージョン系サウンドで、なかなかいい感じです。
バックには、エイプラハム・ラボリエル(b)、ハービー・メイソン(Drs)らが参加しているようです。
個人的には、「4」よりは好印象なアルバムでした。
なお、このシリーズ、ジャケにお金がかけれないのか、全作ほとんど同じデザインのジャケ。
違うのはジャケの色とイーストウッドの顔だけ。
表ジャケはみんなイーストウッドのアップの写真です。
何のひねりもないので、ちょっと悲しくなってしまいます。






・・・と、ここまでが過去記事。

現在では、ダウンロード版も入手可能です。