EVERY WHICH WAY BUT LOOSE
監督: ジェームズ・ファーゴ
音楽: スティーヴ・ドーフ
出演: クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、ジェフリー・ルイス、ルース・ゴードン、ビル・マッキーニー、ビヴァリー・ダンジェロ、ウォルター・バーンズ、ロイ・ジェンソン、ジョージ・チャンドラー、ジェームズ・マクイーチン
1978年 アメリカ映画


クリント・イーストウッドが「ダーティ・ハリー3」のジェームズ・ファーゴ監督と再びタッグを組んで製作した痛快ケンカ・アクション映画。
今回のイーストウッドは刑事じゃなくて長距離トラックの運転手。
アメリカ版「トラック野郎」という趣の作品です。
同時期に同じアクション・スターのバート・レイノルズが「トランザム7000」で大ヒットを飛ばしたことから、
イーストウッドも対抗心を燃やして製作したのではないかと言われていますが、これもイーストウッド作品史上1、2を争う大ヒット作品となりました。
そういえば、この頃は毎年お正月映画にはイーストウッド作品がエントリーされてたような気がします(小学生の記憶なので定かではありませんが・・・・)。
ケンカがめっぽう強いトラック野郎のイーストウッドが、毎日ケンカ・マッチに明け暮れる中で、酒場で歌うソンドラ・ロックに一目惚れ、
毎日足繁く酒場に通い彼女の気を引こうとボディーガードのような真似をしますが、ある日彼女にちょっかいを出した男をぶん殴ったところ、
そいつが暴走族メンバーだったことから、暴走族から恨みを買うことになります。
そのうち、ソンドラ・ロックがC&Wのスターを目指してどっかへ行っちゃったことから、やけになったイーストウッドはまたケンカで男をたたきのめしてしまいますが、
今度はそれがロス市警の警官だったことから、暴走族と警察の両方から目を付けられることになってしまいます。
ソンドラ・ロックを追いかけて旅を続けるイーストウッド、暴走族と警察の追跡をかわしながら旅先のケンカ・マッチで生活費を稼ぎ、
遂に彼女を見つけますが、恋の行方は・・・・というお話。
イーストウッドの相棒役で出てくるオラウータンがすごくいい味を出してます。
実はストリート・ファイトのシーンよりも、オラウータンとイーストウッドの掛け合いの方が面白かったりします。
ガン・アクションの無いイーストウッド作品なので、地味に思えるかも知れませんが、意外に面白い作品です。


音楽は、スティーヴ・ドーフという人が担当しています。
これとは別に音楽監修にスナッフ・ギャレットがあたっています。
スナッフ・ギャレットはこの後、今度はバート・レイノルズの「トランザム7000vs激突パトカー軍団」の音楽監修も手がけることになります。
サントラ盤は劇中で流れたカントリー&ウェスタンのオンパレードになっています。
スコアは数曲しか入っておらず、あまり印象に残りませんが、
1曲面白い曲が入っています。
「Eastwood's Alley Walk」というたった13秒の曲ですが、なんと13秒間でイーストウッドの出世作「続・夕陽のガンマン」のパロディをやってます。
これは笑える。でも、こんなふざけたもんLPに入れるなよ~という感じです。
歌モノは、エディ・ラビットやシルヴァー・フォックスことチャーリー・リッチ、メル・ティリス、ラリー・コリンズといったシンガーの歌が収録されています。
その中で、エディ・ラビットが歌う主題歌「Every Which Way But Loose」がビルボード・チャートで大ヒット、
チャーリー・リッチの「 I'll Wake You Up When I Get Home 」も年間カントリー・チャートで3位になっています。
どちらも本作のために作詞・作曲されたオリジナルのようです。
エディ・ラビットの主題歌、ペダル・スティールの音が何とも言えません。いいですね~(*^_^*)
なお、シンガー役のソンドラ・ロックも決して上手くはないですが、歌を2曲吹き込んでいます。
全体に収録時間は30分弱と短いですが、カントリーのオムニバス・アルバムとしてもなかなか味わいのあるアルバムです。
サントラ盤はLPのみでCD化されず、現在に至っています。
それにしても、LPジャケのオラウータンとイーストウッドのツーショット、最高です(≡^∇^≡)。