猿の惑星・征服
CONQUEST OF THE PLANET OF THE APES
監督: J・リー・トンプソン 
音楽: トム・スコット 
出演: ロディ・マクドウォール、ドン・マレー、リカルド・モンタルバン、ナタリー・トランディ、セヴァン・ダーデン 
1972年 アメリカ映画

 

 

最後の猿の惑星
BATTLE FOR THE PLANET OF THE APES
監督: J・リー・トンプソン 
音楽: レナード・ローゼンマン 
出演: ロディ・マクドウォール、ナタリー・トランディ、セヴァン・ダーデン、ジョン・ヒューストン、クロード・エイキンス、ポール・ウィリアムズ、コリーン・キャンプ 
1973年 アメリカ映画

 

 

遂に完結する「猿惑」シリーズの第4作目と第5作目。
どちらも製作費に限界があったのか失速した感は否めません。それは上映時間にも反映されています。
いずれも90分を切る内容で,どうしても物足りなさを感じてしまいます。
しかし、5作続けて観ると見事に1つのストーリーになっていてある意味感動します(^_^;)
これはもう大河ドラマですね。
申年(さるどし)のお正月に民放の深夜枠で一挙に全作放映されたときの感動がよみがえります。

 

 

4作目は 「新・猿の惑星」で死んだはずの息子マイロが猿族を率いて反乱を起こし、シーザーと名乗る猿族のリーダーとなるまでを描いています。
完結編となる5作目は、大規模な戦争の後に生き残ったミュータントと猿族との戦いを描いています。
両作品とも「ナバロンの要塞」のJ・リー・トンプソが監督し、3作目までコーネリアスを演じていたロディ・マクドウォールがシーザーを演じています。
ということは、ロディ・マクドウォールは全作を通じて主演したということになりますね。すごい(^_^;)

 

 

 

なお、両作品とも,公開時にはサントラは発売されていません。
これも「続・猿惑」と同じく,近年FSMから限定3000枚で初めて音源化されました。

 

 

たぶん、フィルム起こしかマスターテープ発掘によるものでしょう。
1枚に4作目と5作目の両方が収録されています。

 

4作目の音楽はなんとフュージョン界のサックス・プレイヤー,トム・スコットが起用されています。
誰がオファーしたのか分かりませんが,SFとトム・スコット・・・,ものすごく意外な組み合わせです。
音の方はやはり1作目の影響力の強さを感じずにはいられない内容になっています。
トム・スコットらしらを極限まで廃したその音は,言われるまで本人が担当したとは分からないでしょう。
トム・スコット色が出るのは,唯一カフェテラスのBGMみたいな4曲目のみ。
あとは,ゴールドスミス譲りの前衛的な音になっています。
特徴的なのは,ポコポコという音のアフリカンなパーカッションが随所に出てきて,
なんとなくジャズっぽいアプローチをしているところです。

 

 

大団円を迎える5作目は「続・猿」に続いて2回目の登板となるレナード・ローゼンマン。
「続」で出てきたモチーフが再び登場し,続編というイメージを出しています。
ローゼンマンはゴールドスミスとはまた違った前衛さを出そうと努力した跡がうかがわれます。
この辺は,1作目と3作目で同じモチーフを使ったゴールドスミス同様,好感が持てます。
なお,劇伴を聴いていると,所々で同じくローゼンマンが担当したTVシリーズ「コンバット」の劇伴を彷彿とさせるメロディが出てくるのが印象的でした。
「コンバット」もサントラ出ないかなあ。

 

アルバムの最後にTVシリーズ版のテーマ曲がオマケで入っています。
(こちらはラロ・シフリン作曲)