サウンドトラック秘宝館

スコア盤を中心に紹介する、ちょっと(ちょっとじゃないかf^_^;))マニアックなサントラレビューです。


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I CORPI PRESENTANO TRACCE DI VIOLENZA CARNALE
監督: セルジオ・マルチーノ
音楽: グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
出演: スージー・ケンドール、ティナ・オーモン、ジョン・リチャードソン、ロベルト・ビサッコ、リュック・メランダ
1973年 イタリア映画


イタリア映画界が70年代に放ったジャーロものの1本。
このジャーロもので最も成功したのが、ダリオ・アルジェントの「サスペリア2」だと思うのですが、
変質者や異常性格者による連続猟奇殺人を扱ったこの手の作品群もピンからキリまでいろんなのがありました。
本作は、その中でも「デボラの甘い肉体」で成功したセルジオ・マルティーノ監督のジャーロもの5部作の最終作に位置づけられる作品です。
大学に通う若き男女が次々と惨殺されていく映画なのですが、パチモンの国の作品にしては、
意外にサスペンス描写もしっかりており、この手の映画が好きな方はそこそこ楽しめる作品といえるでしょう。
ただ、ハリウッド系のまっとうな映画に親しんだ人には、展開が少々かったるいのと、
犯人の動機が今ひとつ不鮮明なのが気になるかもしれません。
あと、犯人の被るマスクがほとんどデストロイヤーなのが失笑を買うかも知れません(^^;)
直接的な描写は少ないですが、殺害の手口がかなりエグイのも本作の特徴で、
さすが脂ギトギトのねちっこいイタリアらしい残酷描写でウンザリさせてくれます(^^;)
なお、日本のTV放映時のタイトルもスゴイ、「エロスの恐慌・影なき絞殺魔/女子学生戦慄の体験」だって。



音楽は、またまたグイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリス兄弟。
ジャーロもののスコアって、案外とハズレが少ない気がします。
アンジェリス兄弟も本作には良質なスコアを提供していて、安心して聴くことができます。
メイン・テーマは基本的に肩の力の抜けた爽やかな雰囲気のメロがモチーフになっています。
リードをフルートとチェンバロ?が取るあたりモリコーネにかなり雰囲気が似てます。
この兄弟にしてはなかなかいい曲です。
このモチーフで、サックスがソロを取るトラックもあります。
劇伴も案外といい曲が揃ってます。
ピアノの単音だけでメロを繰り返す、シンプルながらサスペンスフルなトラックがあったり、
サイケなフレーズを奏でるファズ・ギターが入っていたり、70年代の香りプンプンのトラックが収録されています。
かつて、カップリングもののCDがイタリアで発売されていましたが、
去年、伊Digitmoviesレーベルから、22曲も未発表曲が入った33曲入りの長尺盤が発売されています。
いかにもジャーロな深紅のジャケがイカしてます。

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HANCOCK
監督:ピーター・バーグ
音楽:ジョン・パウエル
主演:ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン、ジェンソン・ベイトマン、エディ・マーサン、ジェイ・ヘッド、トーマス・レノン、
ジョニー・ガレッキ、ダエグ・フェアーク
2008年アメリカ映画


ウィル・スミスがスーパーヒーローの変わり種を演じたSFアクション(コメディの要素も‥‥)
空を飛び、並外れたパワーを持ち、不死身、というスーパーマンのような能力の持ち主なのに、
公共物を次々と破壊する乱暴な振る舞いとだらしない身なりのため、  
いつも市民から嫌われているスーパーヒーローをコミカルに演じでいます。
ヒーローなのに、いつもウィスキーのボトルを持ち歩き、ゴクゴク飲んでは酔っぱらっているという今までにない珍しいパターン。
このヒーローが、企業のプレゼンを手掛ける気のいい男とその家族に出会ったことから、
正義のヒーローとして正しく評価されるためのイメージアップを図ってい<‥・というお話。
途中、ハンコックを毛嫌いするプレゼン男の奥さんが「あれ?あれれれ?」という風になります。
詳しくは書けませんが、こんな展開は予想外だったので、「一体どうなるんだろ」と意外な方向へ話が進みます。
まあ、シャーリーズ・セロンを普通の主婦役に使うのはあまりにもったいないから、
この妻は何かあるんだろうなあとは思ってましたが、あんなことになるとは‥‥(^^;)
しかし、ラストはあんまり好きじやないなあ。
劇中出てくるミートボール・スパゲッティーは、タッパーにてんこ盛りに入れてあったりして、
あんまり美味しそうじやなかったなあ。

音楽は、売れっ子ジョン・パウエル。
個人的にこの人のスコアって結構気に入ってるんですが、
ちょっと押さえ気味ではあるものの、本作でもなかなかのアクション・スコアを聴かせてくれます。
全体的に派手過ぎず、ツボを押さえたクールに燃えるスコアが印象的です。
エレキ・ギター+シンセ+オケにテクノ・トラックが後ろでなってるといった今風なスリリンノなスコアもあり、
ハリウッド・スタジオ・シンフォニーのそつのない演奏を聴くことができます。
ヒーローものとしては、今ひとつメロに派手さがありませんが、パウエル節が炸裂するアルバム後半のア
クション・スコアのつるべ打ちは特筆に値します。
なお、劇中、ハンコックが群衆の中に降り立つシーンに流れたスーパーマンそっくりのスコアは残念ながらサントラには未収録です。
この曲、結構笑えたので、パロディとしてCDにも収録して欲しかったなあ。
なお、米盤CDの表ジャケはハンコックの顔のドアップが描かれていていますが、
この絵だけでは最初何の映画か分かりませんでした。
僕もまさかSFアクションだとは思わなかった。
スポ根ものかと思ってました。


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L'ULTIMO SQUALO
監督: エンツォ・G・カステラッリ
音楽: グイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリス
出演: ジェームズ・フランシスカス、ヴィク・モロー、ステファニア・ジロラミ、ミッキー・ピグナテッリ、ジョシュア・シンクレア、トーマス・ムーア、ジャンカルロ・プレト
1980年 イタリア映画



週末でちょっと時間の余裕が出来たので、またまた勢いに乗ってパチモン・マカロニ・パニック映画のご紹介。
まあ、2匹目、3匹目のドジョウを狙うことにかけては世界一のパチモン映画大国イタリアが憶面もなく放った「ジョーズ」の亜流作品。
ちょうど時期的には「ジョーズ3-D」が出る前あたりになります。
イタリアの職人アクション監督エンツォ・G・カステラッリがそつのない演出で、超巨大なサメが平和な海辺を襲うパニックシーンはそれなりにまとまっています。
しかし、凡庸なドラマ部分がしょぼくて、観ていて眠気が来ます。
さらに言うと、ハリボテのサメはホンモノ自体もハリボテっぽいのでリアルといえばリアルなのですが、
総じてSFXがしょぼくれてて、失速して海に叩きつけられて大破するヘリなんか、もろラジコンなのがバレバレ。
サメが暴れる桟橋のシーンも、ミニチュアにホンモノのサメを放して暴れさせているのもバレバレ。
そのくせ、残酷描写にかけては天下一品のイタリアならではの過剰なグロシーンには力が入っています。
女の子が片足食いちぎられたり、おっさんが下半身まるごと食いちぎられたり、やりたい放題です。
ストーリーは、本家とたいして変わらないし、どうでもいいので割愛します。
ジェームズ・フランシスカスとヴィク・モローというパチモンにしては豪華なキャスティングがなされていますが、あんまり効果なし。
今でも不思議なのはジェームズ・フランシスカスが爆弾のスイッチを押してすぐに海に飛び込むシーン。
意味が分かりませんでした。


音楽は、パチモン・スコアの雄(^^;)グイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリス兄弟。
この兄弟、なんも考えてないような脳天気なスコアを書くことが得意というか、そんなスコアばっかり書いている様な気がします。
本作も海辺が舞台なので、いつもの陽気なスコアが聴けます。
本作は、本家「ジョーズ」のジワジワとサメが迫り来るような雰囲気を見事に表現したジョン・ウィリアムスの名スコアに
インスパイアされたと思しき、本家に似たサスペンススコアが登場します。
でも、バンドにストリングスをちょびっと掛け合わせたような低予算・小編成のオケ?が演奏しているので、
TVドラマのサスペンス・シーンのスコアにしか聞こえません。
この頃のグイド&マウリッツィオ兄弟のスコアは、主題歌をつけるのが流行っていたのか、
本作にもこれまたショボイ主題歌が提供されています。
シャッフル・ビートに乗って、ブロンディの「コール・ミー」の亜流のような展開があったりする曲で、
ハードエッジがギターがフィーチャーされていて、ハードロックの香りもしますが、
途中でギターのカッティングがスカになったり、なんじゃこりゃって感じです。
しかし、アメリカ公開版はスコアをモートン・スティーヴンスが書いたものに差し替えられたような形跡があります。
CDも「地獄の戦闘艦バラクーダ」(1987年)とカップリングされたものが出ていましたが、
こちらはモートン・スティーヴンスによるスコアでした。
それなりに骨太のパニック・スコアになっていて、ありゃりゃ???とおもったものです。
う~ん、グイド&マウリッツィオ兄弟のスコアはもともとCDになってないのかもしれません。




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HANOVER STREET
監督: ピーター・ハイアムズ
音楽: ジョン・バリー
出演: ハリソン・フォード、レスリー=アン・ダウン、クリストファー・プラマー、アレック・マッコーエン、リチャード・メイサー、マイケル・サックス、パッツィ・ケンジット


職人監督ピーター・ハイアムズが傑作「カプリコン1」に続いて撮った、とても同じ監督の作品とは思えない戦争メロドラマ。
なんでもメロドラマの古典「哀愁」をモチーフにしているそうですが、アクション派の僕としては前半のメロドラマはほとんどどうでもいい感じ。
アメリカ空軍の中尉ハリソン・フォードが、ロンドンの街で出会った美しい人妻レスリー=アン・ダウンと恋に落ち不倫を重ねますが、
人妻の夫クリストファー・プラマーが実は英国諜報員で、ある日上司の命によりその夫と一共にドイツ軍領内にスパイとして潜入するハメになってしまうという因果なお話。
ピーター・ハイアムズは前半メロドラマ、後半戦争アクション、という欲張りな設定を組んだことがたたってか、
前半のメロドラマがつまんないことこの上ない。
クリストファー・プラマーなんて全然落ち度のない良き夫なのに、よそで不倫されて可愛そう。
不倫カップルも散々するだけしといて罰が当たらないのも道徳的にいかがなものか。
それを救うのが、「キャッチ22」の撮影を担当したデヴィッド・ワトキンのカメラによるB25爆撃機の優雅な飛行シーンと
ドイツ軍コレクターが協力したホンモノのドイツ軍車両の数々。
ヘッツァー駆逐戦車やホルヒ・トラック、Sdkfz222装甲車といった戦時中の実車がガンガン出てきます。
時代考証が正確なので、ミリタリー・マニアにはオススメの1本です。
オープンニングのクレジットもレトロな感覚満載です。


音楽は、巨匠ジョン・バリー。
この作品は戦争映画のスコアというより、メロドラマのスコアとして聴いた方がいいかもしれません。
全編に渡って哀愁を帯びたメイン・モチーフを生かしたヴァリエーションのオンパレードで、
非常にリリカルで落ち着いたトーンの大人のスコアです。
戦争映画を連想させるアクション・スコアらしきものはほとんどありません。
かろうじてサスペンス描写になると007調になってしまうのに笑ってしまいます。
でも、相当美しいスコアで、バリーのリリカルな面がお好きな方にはオススメです。
サントラ盤は公開当時は発売されませんでしたが、NHK-FM「夜のスクリーン・ミュージック」で、本編フィルムから直録りしたと思しきS,E,入りモノラル音源が放送されました。
その後、30年も経って米Vareseレーベルから、CD Clubシリーズ3000枚限定で遂にメディア化されました。
全26曲入りでしっかり収録されていて、音質も30年前の音源とは思えない程しっかりしています。
特に、子供の頃、モノラルで聴いていたテーマがステレオで聴けるところに大いに感動しました。
やっぱり、バリー先生はストリングスを使った美メロが上手いなあ。
ちょっとワンパターンな感じもしますが、「いい曲は何度聴いてもいい」ということで(^^;)

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IRON MAN
監督: ジョン・ファヴロー
音楽: ラミン・ジャワディ
出演: ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー、ショーン・トーブ、レスリー・ビブ、ファラン・タヒール、サイード・バッドレヤ
2008年 アメリカ映画


DVDが出てやっとこさ観ることが出来たマーベルコミックもののSFアクション。
マーベルものにしては主人公に「カゲ」が無いのが珍しい。
孤高のヒーロー像というものも無ければ、劇中何カ所もギャグが出てくるところなんかもマーベルものらしくない。
そもそも大手軍事産業の社長が主人公っていう設定もスゴいですが、
普通軍事産業って「死の商人」みたいな見られ方するのですが、この社長、自らの仕事を世のため世界平和のためと言い切ってるところがスゴイ。
米軍に自社の最新兵器の実演をするためにアフガンに行った社長がテロリストに拉致されて、
その際、胸に深い傷を負ってしまい、さらに最新兵器をテロリストの陣地の中で開発するよう強要されますが、
敵の目を盗んでパワードスーツを開発して、テロリストの陣地から脱出します。
この一件で社長は自社の兵器がテロリストたちに横流しされているのを知り、
会社での兵器製造の中止を宣言するとともに、テロを撲滅するために一人新型パワードスーツの製作にとりかかる・・・・というなんとも荒唐無稽なお話。
親父より一足先にDVDを見たうちの高一になる息子が、「かなり設定に無理がある」と言っていましたが、まさしくその通りでした。
でも、もとはマンガなんですから、難しいことは言わずに観た方が素直に楽しめるでしょう。
SFXの出来映えは素晴らしく、スピーディーでかなり頑張ってます。
「ロボコップ」を更にパワーアップしたようなパワードスーツが出てきます。
クライマックスでは敵キャラのパワードスーツとのガチバトルが控えていますが、
これが「インクレディブル・ハルク」のバトルシーンとやけに雰囲気が似ていて、なんだかなあ~と思いました。
主人公のロバート・ダウニーJr.、どう観てもヒーローに見えないところが僕としてはお気に入り。
ヒーローがイケメンなんて、まるでマンガ(アニメ)でつまんない。
バットマンもマイケル・キートンでよかったのに。


音楽は、RCのラミン・ジャワディ。
ハンス・ジマーの門下生だけあって、アクション・スコアはそつなくまとめています。
派手なアクション・シーンには伴奏程度の自己主張しないスコアが付けられていて、
ドンパチやってる激しい爆発音や破壊音を邪魔しない程度に、ウラで激しいスコアを鳴らしてます。
アイアン・マンということで硬質なイメージを強調させるためか、エレキギターが全面的にフィーチャーされていて、
RC直系のデジロック風トラックに乗せてハードにキメています。
しかしながら、テーマ・モチーフらしきものに魅力が無く、メインとなるテーマも劇伴の延長みたいな感じになっているのが残念。
もっとヒロイックなメロを持ってくればもっと燃える映画になっていたのに、
スコアを聴いていても高揚感が無い。
何年か前に観た「ザ・グリッド」というTVミニシリーズのテーマ曲がカッコよかったので、
この人にはいつも期待しているのですが、なかなか僕の琴線に触れるスコアが出てきません。
ドカドカと、ウラでメタリックなパーカスが鳴ってる前で、コード進行だけでシンセやストリングスがメロらしいものを表現するという
今時のスコアリングにガッカリ。
決して悪くはないのですが、これではおっさんは「燃え」ません。
おっさんが「燃え」るってのも気色悪いものがありますが、
まあ、おっさんが「萌え」るよりましか・・・(^^;)
音楽には、常に硬派でスリリングなものを求める僕の理想が高すぎるのかもしれませんが、
そろそろ温故知新で懐古主義的なスコアを聴かせてくれる若手が突然変異で出てこないかなあと秘かに期待してます。

結局、この映画のサウンドトラックで一番「燃えた」のはエンド・クレジットのブラック・サバスの「アイアン・マン」だったりします。
後半の怒濤のインストパートからエンディングまでを一気に聴かせます。
原曲のウタが入っていない部分をそのまま生かして使うところがニクイ。
この頃のサバスって、ヘヴィーな前半から後半いっきにスリリングなインストパートになだれ込む展開の曲が結構あって好きだったなあ。


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