拍手からの移動のパラレルファンタジーです。

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昨晩は46話前半が加筆で長くなったので、一度46話後半としてアップしたものを、準備出来なかった47話にさせていただきました。←ズッコイ!
拍手御礼公開の47話はもの凄く短かったので、加筆修正でなんとか1話分に伸ばしたいと思います。そのあと、無事48話もかけますように。(;ↀ⌓ↀ) 


拍手御礼「あの森を目指して 47」

「わぁ!焼き目が年輪みたい!本当に木の切り株みたいですね!可愛い~!!(///∇//)」

タカトウ(貴島)に案内され辿り着いた甘味の店は、既に多くの買物客で賑わっていた。

持ち帰り品を販売している店頭には人が大勢並んでいたが、幸いにも奥のテーブルは空いており、3人は外で待たされることなく、椅子に座ることが出来た。

「この “切り株ケーキ” はこの街の新名物で、現在大ブレーク中なんですよ」

「木の切り株みたいなのに、柔らかくて美味し~!!それに、バタアとラウム酒の何とも良い香りが堪りません!」

「近隣の産地から入ってくる新鮮な薮鳥の卵と山ギュウギュウ、香ばし麦を贅沢に使っているそうですよ。バタアとラウム酒も勿論入っていますしね!」

「ふんわふんわ~!ああ、幸せぇ。それに、このベニ茶も良い香りで美味しいです」

「ベニ茶は、隣の茶専門店の品だそうですよ。あとで寄りますか?」

「寄ります、寄ります。ほにょり」

幸せそうに “切り株ケーキ”を頬張るキョーコの様子は、奇麗なのはそのままなのに、先程までの女王然としたものではなく、ふにゃふにゃと実に可愛らしく笑う天使の様だった。

───表情でこんなに雰囲気が変わるんだな。でも、どっちも素敵だ。

美味しいとは感じるものの、キョーコやタカトウ(貴島)の様に絶賛する程の気持ちは涌いてきていない残りの1名は、ケーキの味や食感よりもキョーコの可愛らしい表情の方に心惹かれていた。

「こんなに美しくも可愛らしいお姿を見せていただけるなら、案内し甲斐がありますよ」

「ほんと、美しい柄で、可愛いですよねぇ。ほにょほにょ」

タカトウ(貴島)とキョーコの会話は、ごくたまに噛み合ってないこともあったのだが、そんなことにはお構いなしで、二人の会話は実によく弾んでいた。

───あ/////…可愛いっ!…可愛いっ!!ああ!今直ぐこの可愛い生き物を抱きしめたい!

3人のうちの残る1人、ケーキの味などそっちのけで目の前の美味しそうな女性を愛でていた男は、猛烈にキュートなハニースマイルで痩せコケたその胸を打ち抜かれていた。

───…でも、こいつには見せたくない。ああもう!何故そんなに可愛い顔で笑うんだ!

そして、嫉妬にも忙しかった。

「今食べている “切り株ケーキ” は、この店の中でしか食べられないんですよ。焼きたてなのでふんわり柔らかいでしょう?」

「えー!並んでいる皆さんが買われているのは何か別のものなのですか?日持ちするようなら、私も買いたかったのですけど、残念です」

「あれも “切り株ケーキ” ですよ。あちらはしっかり焼いているので、10日程度保存できます。食感が違いますけど、あれはあれで旨いですよ。口の中の水分を持っていかれるので、飲み物必須ですけどね」

「10日間ならちゃんと保存食になりますね!出発前に買うことにします!」

「あ!そういえば、近々3日程持つ少ししっとり目のタイプも出るそうですよ。まあ、明後日までに発売されるのでなければ買えないでしょうけど」

「えーー!それも食べてみたかったです!ああ、残念」

「明後日に街で昼飯を食べてから出発の予定でしたよね?新発売の “切り株ケーキ” は無理でしょうけど、飯と甘味はまだまだ美味しい店がありますから、それを楽しみにしていてくださいよ。その中でも一番のオススメはやはりあの獅子の咆哮亭の食事なんですけどね」

「頼りにしてます!獅子の咆哮亭さんの食事も凄く楽しみです。野営だとどうしても凝ったお料理が出来ないし、栄養も偏りがちになるんですよね。今夜は絶品なお料理を食べて、しっかり栄養補給させていただきます!」

キョーコにとっては、護衛と言うよりほぼグルメ案内人となっているタカトウ(貴島)である。

「香ばし麦で焼いたパンとか薮鳥の卵は、出発日の朝買うとして。これから市場で薬草と薬の売買をする予定でしたよね?うーん。馬鹿高い薬草茶を扱う大店は知ってますけど、薬師が出してる小さな店まではわかりませんねぇ」

「そうですね。乾燥させていない保存食は出発日に揃えたいです。市場の人ごみで薬師の店は探すのは慣れていますから大丈夫です。タカトウ(貴島)さんには、馬車とこの彼の護衛をしていただければ十分です。美味しいお店の案内までしていただいて、助かっていますけど」

「いや、食い物の情報ばかりで申し訳ない。今日他にはどんな物を買う予定ですか?」

「いえいえ、 “切り株ケーキ” が食べられて幸せでしたよ。今日は、水とお酒と穀物類、乾し肉とチイズ辺りを揃えたいです。そのあと時間があれば武器屋とかも覗きたいと思ってます」

「馬車が重くなる前に乾し肉とチイズ、武器屋を回って、そのあと樽類の仕入れにしましょうか」

「はい!あ、この街では生リンゴンと生オレジは買えますか?日持ちのする果実の類いも出来ればほしいのですけど」

「リンゴンはあると思いますが、オレジはこの街じゃあ生も菓子も見たことないですねぇ。ブルブルとかチェリンはもう旬じゃないし、日持ちしないので保存食には向きませんが、ジャムなら季節外れの今でも沢山売っていますよ」

「そうですか。じゃあ、ジャムも幾つか仕入れることにして、あとはお店で商品を見てから決めます。あ、皆さん食べ終わりましたね!それじゃあ、もう出ましょうか」

「そうですね。ここで美しい女性を鑑賞しながら、ゆっくりおしゃべりしていたいところですけど、あっという間に日が暮れちゃいそうですしね」

「あらほんと、この街は奇麗な方が多いですねぇ。まぁ、名残惜しいでしょうけど、お仕事よろしくお願いします。」

第48話に続く。
このシリーズ内では短い方ですけど、なんとか文章を伸ばせたました!
毎回長くなるこのお話。携帯投稿とかだと余裕で100話分越えてそうですよね。(;ↀ⌓ↀ)

タカトウ君とキョコちゃんは、美味しいものに目がないので、気が合うようです。( ´艸`)
47話ラストでまだお店から出れていませんので、48話も少しこのお店の中での会話が続きます。

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「あの森を目指して」では、まずダーーッと勢いで書いたものを拍手御礼として出し、一晩おいて頭を冷やしたあと(?)、加筆と修正をした上でアメバ記事で公開し直しています。加筆時に設定が変更になることも多々あります。拍手のみを読んでくださっている方は内容が繋がらない場合があるかもです。もしお時間が許す様でしたら、外に移動後もまた読んでいただけると嬉しいです。m(_ _ )m ←またというところが欲張りですみません。