連日アップされている楽しい楽しい、yununo様と一葉梨紗様の愛溢れる捧げ合い(応酬)シリーズに、何故かろーりんぐ中であります。
蓮キョ愛捧げあい(応酬)シリーズ企画目次ページはこちら!
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有限実践組-skipbeat-・一葉梨紗様企画目次
企画目次1-1:9月迄に完結分&読み切り編の目次
企画目次1-2:10月末以降に完結したコラボシリーズの目次
企画目次2:当月時点で連載中の応酬コラボ&読み切り編の目次
yununoのブログ・yununo様企画目次
企画目次1:応酬コラボ連載中の目次
企画目次2:応酬コラボ完結編の目次
企画目次3:読み切り編の目次
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55555ヒット記念リク・まぁちゃんさまシリーズ
TOP SECRETを教えて?
1st. secret (ユ作)
2nd. secret (セ作)
3rd. secret 前編 / 後編 (リ作)
(その他の作品は企画目次からどうぞ!)
ユーちゃん作の「TOP SECRETを教えて? 1st. secret」の続きです。(^-^)/
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
蓮キョ愛捧げあい(応酬)・まぁちゃんさまシリーズ
■TOP SECRETを教えて? 2nd. secret■
キョーコ的には即答することが難しくても、始めはまったく問題ない、よくある質問だった。
「七変化女優・京子のプライベートに迫る!ビックリな質問7(セブン)!!最初の質問は、東京都にお住まいのレモンさんからのものです。えーと、京子ちゃんは初めての給料で何を買いましたか?やって。何買いました?」
司会の芸人から振られた質問に、生活の為だけに中卒で朝から晩まで働きまくっていた時の嫌な記憶がキョーコの脳裏に浮かんだ。
───毎月のお小遣いを私の分まで使っていたあのショタローが中学3年の最後のお年玉を全部は使わずに取っておいたのはビックリだったけど、自分の新幹線代を抜いたら10万(←ボンボン)しかなかったのよねー。ほんと、私の貯金がなかったらあの馬鹿高いマンションにどうやって住むつもりだったのかしら。私だってもしお母さんが中学に入ったら学校での支払いとかでいちいち連絡してこないで自分で払いなさいって、毎月通帳に振り込みしてくれてたのがなかったら、貯金なんて微々たるものだった筈だし。っていうか、その貯金もマンション契約でほぼなくなった上に僅かな残りをあいつにお小遣いとして持って行かれてスッカラカンになったから、最初の家賃と光熱費を支払うまでに稼がなきゃって、引っ越し当日から毎日必死に働いたのよねー。それでも最初のお給料…であいつの大好物のプッ◯ンプリンだけは買ってたなんて、どんだけ馬鹿だったの私!!
内心過去の自分の馬鹿女振りと初バイトで買った品の酷さに落ち込んでいたキョーコは質問に即答できずにいたが、相手は進行のプロとも言えるベテラン芸人である。業界ならではの情報をちりばめつつ、キョーコが応えやすい様に話を振り直してくれた。
「この業界は所属している事務所によって固定給の社員扱いや歩合制など支払い方法が違うけど、そこは気にしないで初めての収入ということでお願いします!」
「当時なら17歳でしょ?!やっぱり可愛い洋服とかじゃない?」
「いや、お前に聞いてないし!」
「俺、俺、俺はねー!Co◯壱のカレー食いに行った!!」
「いや、お前でもないし!」
「僕はセールで7000円の布団を5000円で買うたよ!!お店のおばちゃんに床に段ボール敷いて寝てるって言うたら負けてくれてん!」
「それはそれでええ話やけど、お前にも聞いてない」
レギュラー陣のボケツッコミに笑いながらも事前に質問内容を知らせてもらっていないキョーコの脳内はどう応えればよいかと考えるのに忙しい。
───そうよね。この業界でのお仕事の報酬の使い道を話せばいいのよね。
タレントであり女優である京子の芸能界での初報酬の使い道を話せばいいのだと、先程ウッカリ思い出してしまった黒歴史とは真逆の嬉しい記憶を辿った。
───うん、正直に話しても大丈夫そう!
脳内で軽くチェックした内容に自らオッケーを出したキョーコは、自慢できるものでも面白いものでもないことに少々罪悪感を感じながらも正直に応えていく。
「残念ながら、そういう記念のお買物をする余裕はなかったですね。事務所が運営してる養成所と高校の学費の支払いをするだけで消えちゃいました」
「うわー、それは残念やなぁ」
「いやでも偉いよ!養成所だけならバイト代貯めてとかよく聞くけど、高校の学費まで自分で出してたなんて!子役でブレイクとかだったら、学費も生活費も余裕かもだけどさぁ。普通はデビューからしばらくは給料なんて微々たるもんでしょ?なのに、養成所と高校の学費のダブルは痛すぎだよね」
「デビュー当時の俺等なんて月給3万とかやったもんな。親から仕送りもらったり別のバイトしたりしてる奴がほとんどやったわ。学費なんて無理無理!」
「まあ、あとの生活の心配は親御さんに任せていい年やし、学費さえ払えばあとは普通の高校生みたいにお小遣いもらえたとか?」
「ああ、芸能界に入るのを了承する代わりに、ちゃんと高校は卒業すること!働くのだから養成所と高校の学費は責任をもって自分で払いなさい!とかそんな感じ?」
キョーコの年齢から可愛らしい買物の報告を予想していたレギュラー芸人達は、心底驚いた顔をしながらも場を盛り上げるための細かな質問を口にする。
「いえいえ、それが生活費を人様に任せては駄目な下宿生活だったんですよ!でも有り難いことに、元々その下宿先のお店でアルバイトさせていただいていた関係もあって、この世界に入ってからは食費や家賃の代わりにスケジュールの空き時間にお店のお手伝いをさせていただいていました」
「へー、若いのに結構苦労人!!」
「いえ、私はご面倒をかけた側ですから。下宿先のご夫婦には生活のことだけでなく、精神的にも支えていただいて…ほんと、何から何までお世話になってたんです」
「うわーー、ええ話や!」
「ほんま!」
「いい人に巡り会えてよかったね!」
「はい!凄く申し訳なかったですけど、家族の様に支えていただけて幸せでした」
「うん、そういう幸せもいいなぁ」
「そやな」
一般人にこの話をすれば、親はどうしたと言う話になるだろうが、この業界は親に恵まれなかった苦労人も多い。事情を察したベテラン芸人達はそこには一切触れずに下宿先の夫婦との縁を褒めてこの話を終わらせた。
「じゃ、次の質問いきます!宮崎県の自称グルメさんからの質問です」
「はい、どうぞ!」
「京子さんが今年の誕生日に一番始めにもらったプレゼントは何ですか?」
「今年ってことは20歳の誕生日でしょ?芸能界デビューして数年経ってるし豪華だったんじゃないの?」
「12月生まれなので、今年じゃなく去年の話になりますが、お花と、香水でした」
最初に受け取ったのがこの2つだったのは本当の話である。結果的には豪華なプレゼントを沢山もらったがそこまではテレビで言う必要はない。
「お花をまず差し出して、メインのプレゼントが香水?お洒落やなぁ!」
「いえ、お二人から同時に受け取ったんです。クスクスクス」
LMEでは毎年恒例となったマリアとキョーコの誕生日パーティで、これまた恒例となりそうな敦賀蓮と琴南奏江の「一番争い」。
その争いは去年も当然の様にあった。
12月24日から日付が25日に変わった瞬間、腕の中に放り込まれるようにしてキョーコが受け取っていたのは、蓮からの花と奏江からの香水だった。
嬉しさの余りキョーコが炸裂させるキューティーハニースマイルは毎年その威力を増し、蓮と奏江を赤面させるのも、そのあと二人からお返しの様にキョーコをメロメロにする蕩けるような笑顔を贈られるのもこれまた恒例。
そんな幸せな誕生日を思い出しながら質問に応えていくキョーコが無自覚にもキューティーハニースマイルを炸裂させてしまったのはプレゼントの送り主の片割れからすれば大きな誤算であった。
その片割れ…出番待ちの控え室のモニターで収録の様子を見ていた某俳優は計画外に発生した破壊力抜群の笑顔効果で今後またもや馬の骨の大増産となることを確信し焦りまくっていたのだが、そんな効果など想像もしていないキョーコは好きな作家や好きな花などという定番の質問にここまではテンポ良くご機嫌に応えていた。
「次でラスト!えーと、福岡県にお住まいのラブモンスターさんからの質問です。私は昨日初めてキスマークつけたのですが、京子さんの初キスマークはどこにどんな風につけましたか?んーー、これは凄い質問やな。京子ちゃんも二十歳を越えた大人やし、キスマークの経験ぐらいあるかな?」
「えぇええええ!キスマークっ!?」
───え?え?え?キスマーク?キスマークっていつも全身につけられちゃうアレよね??いやでも初めてのってことはカインな敦賀さんとのあのっ!いやでも!あのときはお付き合いなんてしてないし!!どどどどどう応えたら!!
「え?京子ちゃん?」
過去の大失敗とも言える当時のことを思い出したことで、恥ずかしさのあまり思わず脳内で身悶えてしまったキョーコの意識は一瞬素に戻ってしまった。
大絶叫せずに堪えたまではヨカッタがもう全身が尋常じゃない色に染まってしまっていた。
「大丈夫?うわーー!京子ちゃん全身真っ赤っか!!」
「だ、だいじょうぶれす」
───もーーー!大丈夫な訳ないでしょぉおおお!(iДi)
「いや、全然大丈夫そうに見えない!」
───ええ、ええ、そうでしょうとも!!(TωT)
「ねぇねぇ、この様子だと、天然記念物的純情乙女と噂の京子ちゃんもキスマークをつけるという大人の階段を華麗に上れたんじゃない?」
「なに、なに、そゆこと!?」
「へーー!で?どこにどういう風につけたん?」
「いやあの!」
今度は青くなりだしたキョーコだったが、もう経験してないとは言えない空気になっていた。
「うっ!あのっそのっ///」
「応えにくいかー。まぁ元天然記念物的純情乙女やもんな。しゃーない!特別サービスや!YESNOで応えてや!まず、上半身ですか?」
「い、YES」
「声ちっちゃ!でもマイクだから拾えちゃうねー!笑」
「上半身やってー!」
「いや、最初に下半身って男みたいやろ!」
「胸より上?」
「い、YES」
「胸より上って境界線は乳首?きゃーー//」←男です
「///」
キョーコにとっては間に入るフォローの筈のチャチャも恥ずかしいものとなっている。
「肩から下?」
「NO///」
「首ってこと?」
「YES」
「首に吸い付いちゃった?」
「NO///」
「え?キスマークやで?吸うやろ?」
「いやいや、元天然記念物的純情乙女に元がつかない時代なら何かやらかしてるかもしれへんで?」
「えー!何したん?吸わんとキスマークつけれへんやろ?」
「///」
「首を舐めた?」
「NO///」
「首を絞めた?」
「いや、それは死ぬって!」
「NO///」
「ええ?じゃあ何したん?お兄さんにだけこっそり教えてみ?」
キョーコの横に座っていた芸人の助け舟に乗って、こそこそと耳打ちしてみれば、聞いた芸人は席から転げおちて爆笑してしまった。
「何何何!!」
「俺にも教えてーー!!」
他のレギュラーや司会の芸人が床で笑死寸前だった芸人を引き摺って、セットの端っこに連れて行き、そこで円陣を組んでのヒソヒソ話が行われた。
ボソボソボソ、ボソボソボソ
隅で交わされている話の内容を思えば居たたまれないが、幸いにもマイクは切ってくれている模様。
───ああ、音声さん有難う!
しかし、キョーコのその感謝は一瞬で台無しにされた。
そうこれはバラエティ番組である。マイクを切るのはすべて演出の為。そのあと「面白い」場面を取るためだけになされたその配慮は、キョーコのピンチを救うどころか谷底に突き落とすための準備でしかなかった。
「嘘や!!何それ!!」
テレビ視聴者には聞こえないヒソヒソ話効果により、茶の間の人間の知りたいという欲求はグングン上がる。そのタイミングを謀ったかのように内緒話を聞いた全員がピンマイクなど不必要だと思える程の大声を上げたあと爆笑に入れば、「何を聞いた?早く教えてくれ!」と視聴者の食いつきは最高潮のものとなる。←演出してる人間は笑いがとまりません
恥ずかしい内緒話で爆笑されたキョーコはもう穴があったら入りたい状態である。
勿論このときには既にマイクもオンに戻っている。
───嫌ぁぁ、もう帰らせてぇええ!!
しかし、試練はまだ終わらない。
全員元通り席についたところで、司会芸人がキッチリ視聴者に報告してしまったのだ。
「えー、福岡県にお住まいのラブモンスターさん!京子ちゃんはキスマークの付け方がわからず首に噛み付いてみたそうです!以上、七変化女優・京子のプライベートに迫る!ビックリな質問7(セブン)!!でした!!スペシャルゲストの京子ちゃんお疲れ様でした!次のスペシャルゲストはCM明けに登場します!今話題のドラマファミリーが来てくれてますから、お楽しみに!!」
───嫌っぁああ!このあとどんな顔して敦賀さんに会えばいいのぉおお!っていうか、これから世間様にどんな顔を!もう今日からふしだらな癖に間抜けとか嘲笑われることになるんだわーー!嫌ぁああああああ!!福岡県のラブモンスターさんの馬鹿ぁ!呪ってやるんだからー!
ひとまず「京子」としての「しゃ◯◯り7新春SP」への出演を終えたキョーコは、内心滂沱の涙を流しつつも次のシークレット出演に備え、特別に用意されているメイクルームへと向かったのであった。
リーちゃん作 「OP SECRETを教えて? 3rd. secret 前編」に続くのだ!
勢いが大事!ということでとりあえずアップ!修正はあとでします。←おい
蓮キョ愛捧げあい(応酬)シリーズ頑張れ~な応援は拍手かコメ欄に!(●´ω`●)ゞ
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■TOP SECRETを教えて? 2nd. secret■
キョーコ的には即答することが難しくても、始めはまったく問題ない、よくある質問だった。
「七変化女優・京子のプライベートに迫る!ビックリな質問7(セブン)!!最初の質問は、東京都にお住まいのレモンさんからのものです。えーと、京子ちゃんは初めての給料で何を買いましたか?やって。何買いました?」
司会の芸人から振られた質問に、生活の為だけに中卒で朝から晩まで働きまくっていた時の嫌な記憶がキョーコの脳裏に浮かんだ。
───毎月のお小遣いを私の分まで使っていたあのショタローが中学3年の最後のお年玉を全部は使わずに取っておいたのはビックリだったけど、自分の新幹線代を抜いたら10万(←ボンボン)しかなかったのよねー。ほんと、私の貯金がなかったらあの馬鹿高いマンションにどうやって住むつもりだったのかしら。私だってもしお母さんが中学に入ったら学校での支払いとかでいちいち連絡してこないで自分で払いなさいって、毎月通帳に振り込みしてくれてたのがなかったら、貯金なんて微々たるものだった筈だし。っていうか、その貯金もマンション契約でほぼなくなった上に僅かな残りをあいつにお小遣いとして持って行かれてスッカラカンになったから、最初の家賃と光熱費を支払うまでに稼がなきゃって、引っ越し当日から毎日必死に働いたのよねー。それでも最初のお給料…であいつの大好物のプッ◯ンプリンだけは買ってたなんて、どんだけ馬鹿だったの私!!
内心過去の自分の馬鹿女振りと初バイトで買った品の酷さに落ち込んでいたキョーコは質問に即答できずにいたが、相手は進行のプロとも言えるベテラン芸人である。業界ならではの情報をちりばめつつ、キョーコが応えやすい様に話を振り直してくれた。
「この業界は所属している事務所によって固定給の社員扱いや歩合制など支払い方法が違うけど、そこは気にしないで初めての収入ということでお願いします!」
「当時なら17歳でしょ?!やっぱり可愛い洋服とかじゃない?」
「いや、お前に聞いてないし!」
「俺、俺、俺はねー!Co◯壱のカレー食いに行った!!」
「いや、お前でもないし!」
「僕はセールで7000円の布団を5000円で買うたよ!!お店のおばちゃんに床に段ボール敷いて寝てるって言うたら負けてくれてん!」
「それはそれでええ話やけど、お前にも聞いてない」
レギュラー陣のボケツッコミに笑いながらも事前に質問内容を知らせてもらっていないキョーコの脳内はどう応えればよいかと考えるのに忙しい。
───そうよね。この業界でのお仕事の報酬の使い道を話せばいいのよね。
タレントであり女優である京子の芸能界での初報酬の使い道を話せばいいのだと、先程ウッカリ思い出してしまった黒歴史とは真逆の嬉しい記憶を辿った。
───うん、正直に話しても大丈夫そう!
脳内で軽くチェックした内容に自らオッケーを出したキョーコは、自慢できるものでも面白いものでもないことに少々罪悪感を感じながらも正直に応えていく。
「残念ながら、そういう記念のお買物をする余裕はなかったですね。事務所が運営してる養成所と高校の学費の支払いをするだけで消えちゃいました」
「うわー、それは残念やなぁ」
「いやでも偉いよ!養成所だけならバイト代貯めてとかよく聞くけど、高校の学費まで自分で出してたなんて!子役でブレイクとかだったら、学費も生活費も余裕かもだけどさぁ。普通はデビューからしばらくは給料なんて微々たるもんでしょ?なのに、養成所と高校の学費のダブルは痛すぎだよね」
「デビュー当時の俺等なんて月給3万とかやったもんな。親から仕送りもらったり別のバイトしたりしてる奴がほとんどやったわ。学費なんて無理無理!」
「まあ、あとの生活の心配は親御さんに任せていい年やし、学費さえ払えばあとは普通の高校生みたいにお小遣いもらえたとか?」
「ああ、芸能界に入るのを了承する代わりに、ちゃんと高校は卒業すること!働くのだから養成所と高校の学費は責任をもって自分で払いなさい!とかそんな感じ?」
キョーコの年齢から可愛らしい買物の報告を予想していたレギュラー芸人達は、心底驚いた顔をしながらも場を盛り上げるための細かな質問を口にする。
「いえいえ、それが生活費を人様に任せては駄目な下宿生活だったんですよ!でも有り難いことに、元々その下宿先のお店でアルバイトさせていただいていた関係もあって、この世界に入ってからは食費や家賃の代わりにスケジュールの空き時間にお店のお手伝いをさせていただいていました」
「へー、若いのに結構苦労人!!」
「いえ、私はご面倒をかけた側ですから。下宿先のご夫婦には生活のことだけでなく、精神的にも支えていただいて…ほんと、何から何までお世話になってたんです」
「うわーー、ええ話や!」
「ほんま!」
「いい人に巡り会えてよかったね!」
「はい!凄く申し訳なかったですけど、家族の様に支えていただけて幸せでした」
「うん、そういう幸せもいいなぁ」
「そやな」
一般人にこの話をすれば、親はどうしたと言う話になるだろうが、この業界は親に恵まれなかった苦労人も多い。事情を察したベテラン芸人達はそこには一切触れずに下宿先の夫婦との縁を褒めてこの話を終わらせた。
「じゃ、次の質問いきます!宮崎県の自称グルメさんからの質問です」
「はい、どうぞ!」
「京子さんが今年の誕生日に一番始めにもらったプレゼントは何ですか?」
「今年ってことは20歳の誕生日でしょ?芸能界デビューして数年経ってるし豪華だったんじゃないの?」
「12月生まれなので、今年じゃなく去年の話になりますが、お花と、香水でした」
最初に受け取ったのがこの2つだったのは本当の話である。結果的には豪華なプレゼントを沢山もらったがそこまではテレビで言う必要はない。
「お花をまず差し出して、メインのプレゼントが香水?お洒落やなぁ!」
「いえ、お二人から同時に受け取ったんです。クスクスクス」
LMEでは毎年恒例となったマリアとキョーコの誕生日パーティで、これまた恒例となりそうな敦賀蓮と琴南奏江の「一番争い」。
その争いは去年も当然の様にあった。
12月24日から日付が25日に変わった瞬間、腕の中に放り込まれるようにしてキョーコが受け取っていたのは、蓮からの花と奏江からの香水だった。
嬉しさの余りキョーコが炸裂させるキューティーハニースマイルは毎年その威力を増し、蓮と奏江を赤面させるのも、そのあと二人からお返しの様にキョーコをメロメロにする蕩けるような笑顔を贈られるのもこれまた恒例。
そんな幸せな誕生日を思い出しながら質問に応えていくキョーコが無自覚にもキューティーハニースマイルを炸裂させてしまったのはプレゼントの送り主の片割れからすれば大きな誤算であった。
その片割れ…出番待ちの控え室のモニターで収録の様子を見ていた某俳優は計画外に発生した破壊力抜群の笑顔効果で今後またもや馬の骨の大増産となることを確信し焦りまくっていたのだが、そんな効果など想像もしていないキョーコは好きな作家や好きな花などという定番の質問にここまではテンポ良くご機嫌に応えていた。
「次でラスト!えーと、福岡県にお住まいのラブモンスターさんからの質問です。私は昨日初めてキスマークつけたのですが、京子さんの初キスマークはどこにどんな風につけましたか?んーー、これは凄い質問やな。京子ちゃんも二十歳を越えた大人やし、キスマークの経験ぐらいあるかな?」
「えぇええええ!キスマークっ!?」
───え?え?え?キスマーク?キスマークっていつも全身につけられちゃうアレよね??いやでも初めてのってことはカインな敦賀さんとのあのっ!いやでも!あのときはお付き合いなんてしてないし!!どどどどどう応えたら!!
「え?京子ちゃん?」
過去の大失敗とも言える当時のことを思い出したことで、恥ずかしさのあまり思わず脳内で身悶えてしまったキョーコの意識は一瞬素に戻ってしまった。
大絶叫せずに堪えたまではヨカッタがもう全身が尋常じゃない色に染まってしまっていた。
「大丈夫?うわーー!京子ちゃん全身真っ赤っか!!」
「だ、だいじょうぶれす」
───もーーー!大丈夫な訳ないでしょぉおおお!(iДi)
「いや、全然大丈夫そうに見えない!」
───ええ、ええ、そうでしょうとも!!(TωT)
「ねぇねぇ、この様子だと、天然記念物的純情乙女と噂の京子ちゃんもキスマークをつけるという大人の階段を華麗に上れたんじゃない?」
「なに、なに、そゆこと!?」
「へーー!で?どこにどういう風につけたん?」
「いやあの!」
今度は青くなりだしたキョーコだったが、もう経験してないとは言えない空気になっていた。
「うっ!あのっそのっ///」
「応えにくいかー。まぁ元天然記念物的純情乙女やもんな。しゃーない!特別サービスや!YESNOで応えてや!まず、上半身ですか?」
「い、YES」
「声ちっちゃ!でもマイクだから拾えちゃうねー!笑」
「上半身やってー!」
「いや、最初に下半身って男みたいやろ!」
「胸より上?」
「い、YES」
「胸より上って境界線は乳首?きゃーー//」←男です
「///」
キョーコにとっては間に入るフォローの筈のチャチャも恥ずかしいものとなっている。
「肩から下?」
「NO///」
「首ってこと?」
「YES」
「首に吸い付いちゃった?」
「NO///」
「え?キスマークやで?吸うやろ?」
「いやいや、元天然記念物的純情乙女に元がつかない時代なら何かやらかしてるかもしれへんで?」
「えー!何したん?吸わんとキスマークつけれへんやろ?」
「///」
「首を舐めた?」
「NO///」
「首を絞めた?」
「いや、それは死ぬって!」
「NO///」
「ええ?じゃあ何したん?お兄さんにだけこっそり教えてみ?」
キョーコの横に座っていた芸人の助け舟に乗って、こそこそと耳打ちしてみれば、聞いた芸人は席から転げおちて爆笑してしまった。
「何何何!!」
「俺にも教えてーー!!」
他のレギュラーや司会の芸人が床で笑死寸前だった芸人を引き摺って、セットの端っこに連れて行き、そこで円陣を組んでのヒソヒソ話が行われた。
ボソボソボソ、ボソボソボソ
隅で交わされている話の内容を思えば居たたまれないが、幸いにもマイクは切ってくれている模様。
───ああ、音声さん有難う!
しかし、キョーコのその感謝は一瞬で台無しにされた。
そうこれはバラエティ番組である。マイクを切るのはすべて演出の為。そのあと「面白い」場面を取るためだけになされたその配慮は、キョーコのピンチを救うどころか谷底に突き落とすための準備でしかなかった。
「嘘や!!何それ!!」
テレビ視聴者には聞こえないヒソヒソ話効果により、茶の間の人間の知りたいという欲求はグングン上がる。そのタイミングを謀ったかのように内緒話を聞いた全員がピンマイクなど不必要だと思える程の大声を上げたあと爆笑に入れば、「何を聞いた?早く教えてくれ!」と視聴者の食いつきは最高潮のものとなる。←演出してる人間は笑いがとまりません
恥ずかしい内緒話で爆笑されたキョーコはもう穴があったら入りたい状態である。
勿論このときには既にマイクもオンに戻っている。
───嫌ぁぁ、もう帰らせてぇええ!!
しかし、試練はまだ終わらない。
全員元通り席についたところで、司会芸人がキッチリ視聴者に報告してしまったのだ。
「えー、福岡県にお住まいのラブモンスターさん!京子ちゃんはキスマークの付け方がわからず首に噛み付いてみたそうです!以上、七変化女優・京子のプライベートに迫る!ビックリな質問7(セブン)!!でした!!スペシャルゲストの京子ちゃんお疲れ様でした!次のスペシャルゲストはCM明けに登場します!今話題のドラマファミリーが来てくれてますから、お楽しみに!!」
───嫌っぁああ!このあとどんな顔して敦賀さんに会えばいいのぉおお!っていうか、これから世間様にどんな顔を!もう今日からふしだらな癖に間抜けとか嘲笑われることになるんだわーー!嫌ぁああああああ!!福岡県のラブモンスターさんの馬鹿ぁ!呪ってやるんだからー!
ひとまず「京子」としての「しゃ◯◯り7新春SP」への出演を終えたキョーコは、内心滂沱の涙を流しつつも次のシークレット出演に備え、特別に用意されているメイクルームへと向かったのであった。
リーちゃん作 「OP SECRETを教えて? 3rd. secret 前編」に続くのだ!
勢いが大事!ということでとりあえずアップ!修正はあとでします。←おい
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