【リク罠123】「切ない想いをのせて(仮)」

もう、無理だと思った。だけど、この想いはもはや止められない。
だから、割り切ることにした。

敦賀さんが好き。
この想いを役のせいだと言い訳するのはやめる。

そのかわり、セツカ役をとことん利用させてもらう。
敦賀さんに知られたら軽蔑されちゃうかもしれないけれど。
でも、この気持ちをそのまま知られるよりはずっといい。

それに自分の中でも言い訳ができる。
この想いを役をよりリアルにするために利用したのだと。

だから、開き直れる。
全部セッちゃんに委ねて、出し尽くしてしまえる。
あと3週間しかないカイン兄さんとの生活に中で。

私の中で芽生えた愛を残さず晒そう。
カイン兄さんに全部注ぎ込もう。

セツカとして兄さんへの愛を昇華させる。
すべてを燃やしつくすのだ。

最上キョーコの中にある敦賀さんへの想いをすべて。




「ねぇ、兄さん、今日は19時上がりでしょ?そのあと食材を買いに行きたいんだけど」

ソファーに座る俺の首に、後ろから手を回し、耳元で甘えた声を出すセツカ。彼女はこの程度のことで俺の心臓が跳ねるなんて、予想もしていないんだろう。上から伸し掛るように体重をかけた彼女の唇が、俺の耳にあたる。そこで囁かれて、平気なわけがない。案の定固まってしまった俺。数瞬後、カインとして気怠げに応えを返すことはできたが、内心かなり焦っていた。

ここ数日、セツカのスキンシップが急に激しくなった気がする。まあ、役の設定通りではあるが、これまで最上さんはどちらかというと受け身で、俺のアクションに応えるカタチでそれを見せていたのに、いつのまにか俺の方が受け身になっていた。

何故?

嬉しくないわけではない。セツカの笑みはより甘くなり。その身体は大抵俺の腕の中にある。

正直、ヤバいくらいに、幸せだ。

このまま、最上さんに告白しても、大丈夫なんじゃないか・・・そんな考えまで浮かんでしまうほどに。

おまけに撮影現場など人目があるところでは二人きりの時程、甘えてくれないことが寂しくて、今度は自分からセツカに触れてしまうようになっていった。



キョコさんの全力の愛!セツカとしてですが、カイン(蓮)に注ぎ込まれてます!こんな生活してたらどーーなるんでしょうね、この二人の中のヒト達は。

罠文、タイトル、使用不使用、アレンジ使用、自由です。


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