「夢幻の館」ハカセさんに捕獲され逆リクを投げられた魔人が、「Bubble Shower」のピコ副所長を巻き込み、言い出しっぺも当然とばかりにハカセさんも強制参加してもらって共同制作したメロキュン自由研究です!

蓮キョでテレビショッピング!「本日、ご紹介させていただくのは」
<Part1>【プロローグ*ハカセさん担当&本編1*ピコ1号担当】
<Part2>【本編2*ピコ2号担当&本編3*魔人sei担当】
<その後のお話>【おまけ*ピコさん】 


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家蓮キョでテレビショッピング!家
「本日、ご紹介させていただくのは」
 

★ プロローグ ★ ハカセさん作



芸能界に入って数年。
タレントとあってあれこれ仕事をさせていただいた。
今日のお仕事は生放送のテレビショッピング。
私がでる時は、料理器具がメインになっている。
その番組になぜか敦賀さんがゲストで出ることになったらしい。

「おはようございます。敦賀さん。今日はよろしくお願いします。」
「おはよう。最上さん。こちらこそよろしく。」
「はい。」

「今日はなにがでるの?」
「スライサーと電子レンジ調理器具です。」

「え?…電子レンジって暖めるだけじゃないの?」

なんとなく敦賀さんの頭の上にハテナが三つぐらいあるように見えてちょっと…、いや、かなり可愛いと想ってしまったのは内緒にしておこう。

「電子レンジの暖め機能を利用して短時間で料理を作ったりするんです。」
「へぇ~。そうなんだ。」

「節電にもなって便利と主婦の間で流行っているそうです。」
「最上さんも持っているの?」


「いえ…便利かなとは思っていますが一人暮らしじゃないので持ってないです。」

「ふぅん…(あとで買っておこうかな?)」

2人が仲良く話してるとあっという間に本番の時間を向かえた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


★ 本編 1 ★ ピコ1号作


「こんにちは LMEテレビショッピングのお時間がきました。本日、ご紹介させていただくのは、どんなお野菜も簡単調理!万能スライサーと火を使わなくても電子レンジで簡単にできるシリコンスチーマーです。早速、ご紹介と言いたい所ですが、その前にww素敵なお客様が来られています!また今年も『抱かれたい男NO.1』に輝いた俳優の敦賀蓮さんです!!」

「こんにちは 今日はよろしくお願いします」

「こんにちは 今日はお手伝いよろしくお願いします。ところで、敦賀さんはおうちで料理とかなされるのですか?」

「残念ながら、全然出来ません。チャレンジしてみたいとは思うんですけど、忙しくてなかなか時間もとれませんからね。」

「そうですよね♪ドラマに映画にモデルに大活躍ですものね。」


「でも今日ご紹介するこれらを使えば、短時間で簡単にお料理ができるので、敦賀さんもお家で一度チャレンジしてくださいww」

「ええ、京子さんの手順をしっかり見て家でもやってみますので、今日はよろしくお願いします。」


一旦カメラが止まって、次の料理の準備をする為に、スタッフ達がせわしなくスタジオ中を走り回っていた。


キョーコと蓮は邪魔にならないように後ろに下がり、準備が整うのを待っていた。


「敦賀さん、私が器具の説明をしながら、調理していきますので、敦賀さんは横でおとなしくしていてくださいね!絶対に手は出さないでください。」

「酷い言い草だなあ・・・この位の手伝いなら、俺にだってできるよ。それにボーっと立っているのも、何だかテレビの画的におかしくないかい?」


「えっ、でも・・・敦賀さんの破壊的料理センスをお茶の間の皆さんに晒すわけにはいきません!『敦賀蓮』の芸能生命の危機にさえなりかねませんから」

「おおげさだなあ・・・じゃあ、こうしよう 最上さんが、俺でもできそうなものを一つか二つ指示してくれる?俺は、言われた通りにするから」


「そうですねえ・・・簡単なものなら、少しくらい手伝ってもらった方が視聴者の方たちにもこの商品の良さが伝わるかもしれませんね・・・わかりました!よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくね。」



「準備できました!本番お願いしま~す。」



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「今日は、この桜鯛を使って色々調理したいと思います。テレビの前のご家庭でも、たまにご近所で釣りに行ったお魚のお裾分けをもらったりすることがありますよね。」


(いや、最上さん、普通ここではそんなにないと思うよ)


「せっかくの新鮮なお魚だからお造りにしたいけど、結構お造りに添えるけんが面倒くさいものです。」

そういうとキョーコは手慣れた手つきで下ごしらえをされた鯛を3枚におろして、皮をはいでお造りを用意すると、大根を取り出し器用にかつらむきをしてけんを作り始めた。

「ねっ、面倒くさいし、時間もかかるでしょ?」

まな板の上の出来上がったものを両手で指し示して、カメラ越しにニコッと微笑みかけた。


(いや、その前に、普通、一般家庭では、そんな技できないから!皆、店で買うだろ!)


「そんな時に重宝するのがこの万能スライサー!この交換刃の中からけん用の小刃をセットして、大根を適当な大きさに切って、これでスライス!あっという間にお店に出ているようなけんが出来上がります!ちゃんと安全ホルダーがついていますので、不器用な方でもこれなら怪我はしません!どうです?見比べても、全然遜色のないものが簡単にできたでしょう?」


キョーコが作ったけんとスライサーで作ったけんを隣りあわせで見せて違いのないことを証明した。

そして、スライサーで作った方のけんを皿に乗せ、その上にさばいた鯛の骨を器用に竹串で形を整えてお造りを綺麗に盛り付けた。


「本当ですね!見事な鯛の活造りだ。」


(いや、これ素人では絶対に無理だから!こんなものは、料亭でしか見たことない!)


キョーコのプロ顔負けの技にスタジオ中は、感嘆の溜息を漏らすのだが、誰も一般家庭では作らないであろう違和感ある料理に意義を唱えるものはなかった。


寧ろそれが当然のごとく、収録は続いていった。


「そして、次に残ったこの半身とこのシリコンスチーマーを使って、鯛のガーリックオイル蒸しを作ります♪」

「では、まずこのにんにくを香りが出やすいようにつぶします。 敦賀さん、すみませんが、これをつぶしてもらえますか?」

「はい」


蓮は数欠片のにんにくを受取ると、手のひらに乗せておもむろに握りつぶした。

鯛を食べやすいように切り分けていたキョーコは、後からそれに気づくと焦って蓮を止めた。


「敦賀さん!何してるんですか!つぶすのは、包丁の背でやるんです!手でつぶしちゃあ駄目でしょう!」

慌てて蓮の手から、にんにくをお皿の上に戻すとそのまま手をとり、流しで石鹸をつけて、丹念に洗い流した。

「どうしよう・・・匂い残らないかしら・・・にんにく臭い『敦賀蓮』って、洒落にならないわ・・・」


そう言って、蓮の手を自分の顔の傍に近づけて臭うと、また石鹸を付け直して、手洗いブラシで入念に洗い続けた。


その様子をカメラを止めて見ていたスタッフ達は、二人の実に甘い雰囲気にあてられて皆真っ赤になって固まっていたのだったが・・・


「あの二人ってできてたのか?」

「敦賀さんのあんな嬉しそうな顔、見たことない。」

「京子さん、世話女房みたいで、敦賀くんが羨ましいな」

「俺・・・密かに京子さんのこと狙っていたのに、相手が敦賀くんじゃ勝てないよ~。」


中には失恋が決定的となり、今日は自棄酒だあ~と心で涙するスタッフさえいた。


「最上さん、ごめんね 逆にお世話かけちゃったね。」

「いえこちらの方こそごめんなさい ちゃんと私が指示すればよかったんです。」


もう一度、蓮の手を握り締めて臭いが残っていない事を確認すると、二人見つめ合ってニコリと微笑みあった。


彼らは知らなかった。


自分達の醸し出す甘甘ビームが、スタジオ中をサンドヘル地獄へと突き落としていった事を・・・



本編2へつづく



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