忘れもしない2006年の年明け。
法人登記も完了し、サイトスコープがうまれた年です。
登記簿上では2006年1月23日が我が社の誕生日。
そこから、先日の2016年1月23日で無事に10歳を迎えることができました。


当時、ブログブームが盛り上がっていく時代に偶然にもブログランキングトップ10に常時入るような人気ブログを個人で立ち上げることができて、無謀にもそのブログで法人化、そこからブログのポータルサイト化をはじめ、様々なネットサービスや枝葉の仕事を事業化してきました。

あの時にチャンスをいただいた、多くのユーザーの皆さん、そして創業時に出資していただいた方々や長期に渡りお取引を続けていただいているステークホルダーの皆さん、何よりこの10年一緒に歩いて支えてきてくれた役職員全スタッフのおかげだと思っています。

本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願い致します。



何をしている会社なのかよくわからない、と言われることも多い我が社。
折角の機会なので我が社の事業領域をご紹介させていただきます。


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メディア事業(2004年~)
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ポータルサイトとれまが、カブトモネットなどを運営しています。
当初はとれまがファイナンスという金融カテゴリ特化型でしたが、その後の展開で様々なカテゴリに展開しました。
その当時から開発は全て自社開発にこだわってきたことで、開発・運営ノウハウを蓄積し、その後開発力を強みにした事業展開を行えるようになりました。
創業時より会社の柱の事業でした。
これまでも、そしてこれからも大切にしていきたい事業ドメインです。


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ソリューション事業(2009年ごろより)
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自社サービスの開発ノウハウの蓄積や技術の向上を活かして、他社のウェブサイトやウェブシステム、サービスサイトの開発などを請け負う形から始まりました。
2012年ごろより本格的に請負受託にて事業展開し、今では、日本を代表するような大規模ポータルサイトの開発ベンダーをしていたり、証券取引所や証券会社などのウェブサイトやシステムの開発、自動車メーカーの基幹システムの開発など多岐にわたる事業展開をしています。
近未来かのような実社会のシステム案件の開発や、Webから基幹システムまで幅広い言語対応、そういった技術の蓄積が、今では逆に自社サービスの開発に活かされるように還流しています。
取引先、案件、といった規模感が急成長していきているので、積極的に開発スタッフの採用を行っています。


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リレーション事業(2009年ごろより)
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ライフタイムコミッションという継続型アフィリエイトの事業ドメインにて始まった事業です。
当社サービスのADVackというASPをリリースするまで、実に1年近いテストマーケを繰り返して、事業性や市場規模を試しながらはじまりました。
この事業をはじめるために多くの資金を必要としたため、はじめてベンチャーキャピタルから資金を調達した思い入れのある事業です。
この事業では、会社にレバレッジをかけて経営することの難しさも経験させてもらいましたし、、東京に進出するチャンスももらいました。
今では我が社のスタッフの半分は、東京の渋谷支社勤務。私も第二の故郷は渋谷といった状況になりました。
成果報酬型広告からはじまり、その後様々な展開をみせている今一番面白い事業ドメインです。
発展形として、IR支援の動画サービスや代理店ビジネスなどもこの事業の一環として行っています。




この3つの事業ドメインが我が社の3本の柱です。


そして我が社の特徴その1。

これまで携わってきた全ての事業を、きちんと黒字化させています。

事業自体の産みの苦しみももちろんありますけど、漕ぎ始めの最初の辛さをひとつひとつ乗り越えて、地道に伸ばしてきちんと損益分岐をつける。これがかなり根性と根気がいる作業です。
他に類似の収益モデルがないような、目新しい事業を始める時は尚の事。
最初は自分でも疑問を覚えたり不安になるくらい、本当に損益分岐つくの?採算事業になるの?って思ってしまうくらい苦しいです。

そして多くのベンチャー企業だと、資金の兼ね合いなどもあり数ヶ月や1年とかで結果をもとめてしまいますし、すぐに諦めてしまうケースを良く見ます。もったいない。

我が社では自分の性格なのですが、成長曲線を松竹梅で考えて、考えうる限り一番ダメダメな成長でも会社やサービスが存続するような事業投資をしています。

極端なレバレッジはかかりませんが、事業に失敗してもすぐに会社が苦しくなるとか、そういった状況にならないようにしています。
事業ドメインを複数にわけているのも、成長しやすくするためでもあり、特定の事業への依存が他くすぎた時のリスクを回避するためでもあります。




そして我が社の2つ目の特徴。
個人の投資家投機家(オンライントレーダー)の占有率、ネットワークは圧倒的に国内1位なんです。

実は、日本を代表するデイトレーダーさんたちが集まって出資して作った会社であり、デイトレードの黎明期から現在の文化のひとつと言っても過言ではない時代になるまで、ひたすら黒子として業界の裏方仕事をしてきました。

黒子なので詳細は省きます。ただ、地道に地道にトレーダーさんたちのために、また業界従事者の方々のために、と思って健全に成長して、永く、メーカーやベンダー、コンシューマーが存在し続けるにはどうしたら良い?ってことを考え続けてきた10年間でした。

オンラインの金融業界の一端でも支えているという誇りもありますし、3本の事業ドメインがきちんと黒子仕事にも機能を果たして、きちんと企業として収益を上げて会社を存続させ続けてこれたのだと思っています。

またリーマン・ショックなどの数々の金融不況を経験してきました。
業況にびっくりするくらい左右される金融業界、広告費や開発費などの予算の波、変動幅にはびっくりします。
まさしく栄枯盛衰、多くの金融業者、ベンダー、コンシューマーの浮き沈みも見てきました。

もちろんひとごとじゃないです。
そのため、取引先、売上の構成がオンライントレード業界の取引先に依存してしまった場合に、会社を存続させていくことが難しい、ということも勉強させてもらいましたし、枝の事業をきちんと持つことで業況に左右されずに、トレーダーさんたちのために、また業界従事者の方々のためにというスタンスを曲げずに仕事をすることができるように、2本目の柱である開発の事業、3本目の柱である営業の事業を育てています。

その結果、3本ともそれぞれ独立した事業としてきちんと採算化し、まるで3つの会社を経営しているような気分になることもあります。
とても心強い頼もしい3本の矢です。苦しい時には支えあってくれますし。お互い負けてなるものかとライバル関係でもあります。




最後に改めて近況の報告です。
おかげ様で、ここ数年ずっと毎年増収増益が続き、今期も3月決算を待つまでもなく良い数字に着地しそうです。

スタッフの頑張りはもちろんのこと、取引先や関係各所、そして何よりユーザーや株主のみなさんのおかげです。
正直な話、創業から5年くらいまでは二度ほど生きた心地のしない苦しい時期もありました。
そんな時でも、支え続けてくれたみなさんのおかげで10周年を迎えられました。

ここからの新しい歴史、新たな10年も変わらず仲間やみなさんたちと歩んでいけたらと思います。


そんなこんなで、2016年1月23日の創業10周年のその節目の日に、名古屋と東京のスタッフみんなで慰安旅行に行って来ました!




まだまだ、小さな中小零細企業です。
いつもなんだか他の人がやってなさそうな新しいことに手を出してしまう、苦労気質なベンチャー企業ですw

現在、役職員あわせて16名。

たったこれだけの人数で数億の売上を作って、数千万の最終利益を出しています。
会社の体力も規模から考えたら必要十分すぎるくらいに強くなってきました。
勢いあまってガツンと投資して急成長を目指してしまいそうですが、今の身の丈にあわないことはしないし、風呂敷を広げて見栄をはって虚栄で仕事を取ろうとは思いません。
今の自分達でできることを最大限がんばり、個々で成長し、結果から実力で信頼を勝ち取って、強い集団になります。
着実に確実に成長していきたいと考えています。

そして、一緒に成長していくこの仲間たちがずっと永く安心して働けるように、昇給・賞与も会社として出来る限り最大限頑張りたい。


あ、我が社の特徴、3つ目を付け加えるとしたら・・・
・原則として減給はしないw
・苦しくても賞与はずっと払ってきたw
つまり、求人サイトで高額な給与条件を提示をしておいて、結果が出せないとどんどん減給していく、賞与を払わないといったようなシステムはうちにはありません。

永く働きたい、少しずつでも一緒に大きくなっていきたいと思ってくれる人たちが安心して働ける、大切にする会社になりたいと考えています。

永く努めれば地道に給与も増えていくし、10年という月日でその昇給のシステムの恩恵の凄さも実証されてきていますw
大企業なみ、もしくはそれ以上の積み上がりっぷりです。

さらに部下が付けば、役職もつくし俸給テーブルのクラスもあがります。
昇給の仕組みが凄く明確。利益を出して、その利益で新入社員を入れて部下につける、以上w

その上で賞与によって最終利益の何割かをきちんと、上乗せインセンティブ分として分配しています。
6ヶ月スパンでの算定ですが、目先だけでなくきちんと四半期、半期といった視点で数字を作りに行く意識も生まれます。

会社の業績だけを考えたら本当は人的資源に関してドラスティックに血も涙もない経営判断も必要なのかも知れませんが、誰にも辞めてほしくないし、時代の流れとは逆光しているのかも知れないけどうちみたいな考え方の会社があってもいいじゃない、って思っていたりします。

そんなこんなで、我が社は離職率が異常に低いです。役職員全員で16名。創業から連番で振ってきた社員番号の最新が20番ちょっとですw
10年間でこの離職率は、ちょっとだけですけど誇らしいです。
ブレイクしたことなくて大量雇用の経験がないだけかも知れませんが・・・それでも一人ひとりを大切にして、これからも新しい年月を一緒に重ねていきたいものです。




この春には4名ほど採用予定です。
来期中には、全体で8~10名の採用計画です。
地道ですが、少しだけ加速している感じがしてきました。




そしてこの歩み方が、会社を100年存続させるために自分なりに考えて導いた答えです。

10周年の節目ということでちょっと長文になってしまいました。
ネットの傍らで始まった個人運営の趣味のブログが、10年という時間を経てこういう化学変化を起こしてきたってことで、今回書いた姿が恥ずかしいですが自分たちのリアルな姿です。

突き抜けたこともないし、ずっと中小零細企業でしたし、それでも10年続けてこれることができました。そんなものです。
まあまあ激動だし大変でした。みんなといっぱい泣いたしいっぱい笑いました。
充実もしてたし愉しかったし、まだまだ未来に夢を見ています。

10歳になったサイトスコープは、こんな会社になりました。
これからもよろしくお願い致します。