2012-01-08 12:21:26

父の懐中時計

テーマ:ブログ

豊池美術店のブログ

机の引き出しに父の時計が入っています。

父はこの時計がとてもお気に入りでした。明治生まれの父は僕の幼い頃には着物の生活が多かったように記憶しています。父はこの時計を懐に入れていました。文字通りの懐中時計です。

或る時、時計の姿が見えなくなり、父はとても残念がっていました。

それから数年を経て、お客様から火鉢が不要に成ったので買ってほしいとご要望がありました。

家に持ち帰り火鉢の中の灰を掃除していたら、懐かしいオメガ時計と再会できたそうです。

父が誤って懐から火鉢に時計を落とし、その事を知らずに火鉢をお客様に売り、又その火鉢が我が家に帰ってきたのです。

早速に捻子を巻くと灰を掻き上げながら針が動いたそうです。その時の感激を父は楽しそうに話していました。

もう50年以上も前の事です。今も捻子を巻くと動きます。

物も生命を宿しているのだなぁと感心します。




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