忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)


テーマ:
メアリと魔女の花


▼今週発売の新作ダイジェスト


07月05日発売■Blu-ray:「モアナと伝説の海 MovieNEX」
07月05日発売■Blu-ray:「モアナと伝説の海 MovieNEXプラス3D」
07月05日発売■Blu-ray:「モアナと伝説の海 MovieNEXプレミアム・ファンBOX」
07月05日発売■CD:「CYCLE HIT 1991-2017 30th Anniversary BOX / スピッツ」
07月05日発売■CD+DVD:「音楽と私 / 原田知世」
07月06日発売■PS4:「GUNDAM VERSUS プレミアムGサウンドエディション」
07月06日発売■PS4:「GUNDAM VERSUS」
07月07日発売■Book:「「いる」じゃん / 松本大洋(絵)・くどうなおこ」



▼冒険しない監督の冒険活劇。映画「メアリと魔女の花」



スタジオジブリ在籍中に数多くの名作に参加してきた米林宏昌監督が、
高畑勲監督の「かぐや姫の物語」でプロデューサーを務めた西村義明と共に
新会社スタジオポノックを設立。
記念すべき第1弾として選ばれたのは「メアリと魔女の花」。
メアリー・スチュアートの同名児童文学をアニメ映画化したもので
ジブリ初の大ヒット作品となった「魔女の宅急便」を彷彿させる
冒険ファンタジーになっている。

主人公メアリには杉咲花、メアリと冒険を共にする少年ピーターに神木隆之介、
その他にも天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、
渡辺えり、大竹しのぶら豪華キャストが顔を揃えている。
主題歌はSEKAI NO OWARIの「RAIN」。
脚本は「かぐや姫の物語」の坂口理子(と米林監督)、
作画監督は「ハウルの動く城」「思い出のマーニー」の稲村武志、
音楽は「思い出のマーニー」「夜明け告げるルーのうた」の村松崇継と
主要スタッフから宣伝展開のやり方まで
ジブリの血脈を感じさせる作りになっている。




発売中■Book/Kindle:「新訳 メアリと魔女の花」
07月05日発売■CD+DVD:「RAIN / SEKAI NO OWARI」
07月05日発売■Blu-ray:「魔女の宅急便 / レジャーシート付き」
07月05日発売■Blu-ray:「借りぐらしのアリエッティ / レジャーシート付き」
07月05日発売■Blu-ray:「思い出のマーニー / レジャーシート付き」
07月27日発売■Book:「The Art of メアリと魔女の花」

米林監督は、アニメーション監督としては
実子である宮崎吾朗以上に宮崎駿監督の血を色濃く受け継いだ監督である。
「もののけ姫」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」といった名作に参加し、
「千と千尋の神隠し」ではカオナシのモデルとしても知られている。
初監督作の「借りぐらしのアリエッティ」は宮崎駿の影響を強く感じさせつつ、
重厚・長大化の一途を辿っていたジブリを今いちど気軽に楽しめる
娯楽作品に戻そうとする意図も感じられる良作だった。


07月05日発売■Blu-ray:「借りぐらしのアリエッティ / レジャーシート付き」

【紹介記事】ほどよい口どけのエア・イン・ジブリ。映画「借りぐらしのアリエッティ」より

「もののけ姫」は凄かった、「千と千尋の神隠し」も「崖の上のポニョ」も凄かった。
宮崎駿監督作品には、別にそれが悪いという話ではなく「面白い」よりも先に
「凄い」が来るような威圧感があったように思うのだが、
「借りぐらしのアリエッティ」には、
観終わって素直に「あー面白かった」と言える、良い意味での気安さがある。


2作目の「思い出のマーニー」では、
原作の舞台を日本に移す大胆な改変にもチャレンジしつつ
思春期の少女の多感さを描いてみせた。


07月05日発売■Blu-ray:「思い出のマーニー / レジャーシート付き」

【紹介記事】心の梅雨明け。映画「思い出のマーニー」より

本作が教えてくれるものは『今がどんなに孤独でも、
あなたも誰かに愛されてこの世にいるんだよ』という大らかな愛の姿。
「借りぐらしのアリエッティ」ではまだ固まっていなかった
米林監督の立ち位置も明確になり、単なる模倣やオマージュとも違う
「次世代ジブリの旗手」としての気概を感じる一作。





07月05日発売■CD+DVD:「RAIN / SEKAI NO OWARI」

2010年の「アリエッティ」、2014年の「マーニー」と
徐々に自分らしさを出そうとして来たところで新スタジオ設立。
ちゃぶ台を返す目の上のたんこぶが居ない自由な環境で何を出してくるのか
私の期待は相当に大きかったのだが、
若い二人が記念すべき第1弾でしたことは
「私達は元ジブリです」と何の臆面もなく押し出すことだった。
本作のジブリ度は、ジブリにいながらにして作った前2作の比ではない。
さらに残念なのは、、、もうはっきり書いてしまうと
「メアリと魔女の花」が単なる「劣化版のジブリ」に過ぎないことだ。

スタジオポノックにとってはデビュー作であるが、関わっている企業やスタッフ、
公開規模は「ポストジブリ」を期待しての規模になっており、
それでいてジブリのような巨大な後ろ盾はない。
失敗すれば全て自分達にのしかかってくる。
デビュー戦でいきなりコケるわけにはいかないと思ったのかも知れないが
水の表現は「崖の上のポニョ」、戦闘シーンは「ハウルと動く城」、
メアリの飛行シーンでは「魔女の宅急便」とほぼ同じカットが複数見受けられる。
サブキャラクターでは「千と千尋の神隠し」のカオナシにそっくりな生徒や
釜爺にそっくりな博士が次から次へと出てきて、
主要キャラでも、ピーターは「魔女の宅急便」のトンボ、
メアリの祖母とお手伝いは、悪天候の中でキキがパイを届けた
「魔女の宅急便」の老婦人と老女中そのもの。
口数の少ない庭師は「天空の城ラピュタ」のポムじいさんだろうか。
エンドロールでは「感謝」という項目で
鈴木敏夫、宮崎駿、高畑勲の3人の名前が出てくるが、
正直お三方は戸惑っているのではないかと思う。
「アリエッティ」で見られた米林監督ならではの軽さはただの薄味になり、
「マーニー」で見られた米林監督の繊細な心理描写はどこにも見当たらない。
冒険活劇でありながら、監督が一切の冒険を拒絶しているのである。



「アリエッティ」でも感じたことだが、
米林監督は人間を立体的に捉えるのが苦手なのかも知れない。
宮崎作品のサブキャラクターが皆魅力的なのは、
人間らしさに溢れているからだ。
「風の谷のナウシカ」のクシャナや
「もののけ姫」のエボシには彼女らなりの大義があり、
「天空の城ラピュタ」のドーラや「ハウルの動く城」の荒地の魔女は
どちらも悪党だが可愛気もある。
「千と千尋の神隠し」の湯婆婆は、千には厳しいが坊には滅法弱い。
完全無欠ではない「隙」に人間味を感じるのである。
しかし「メアリと魔女の花」の登場人物には、そういった味わい深さがない。
魔法学園を運営しているマダム・マンブルチュークもドクター・デイも
ひたすら野望の為だけに生きている。

主人公のメアリが物語の最初から最後まで、1mmも成長していないのも難。
「千と千尋の神隠し」の千尋が、湯屋での労働や様々な出逢いを通して
人間的な成長を遂げたのに対し、
メアリは全ての出来事が自分の悪戯と嘘から始まっているのに
そこに対して何の躊躇も後悔もないままホウキに乗って空を飛び、
ピーターを奪還して「おわり」へと辿り着く。
波瀾万丈の冒険活劇が彼女を何も変えていないのである。
これでは

「いたずらっ子メアリが一瞬だけ肝を冷やしたけれど大事にならず済んだ話」

で終わってしまう。
そもそもピーターは(原作では分からないがこの映画の中では)
メアリの赤毛を「赤毛のアン」の同級生よろしく茶化しただけの存在であり、
事件に巻き込まれたからと言ってメアリがピーターを助けたくなる理由も
ピーターが自分を犠牲にしてまでメアリを逃がそうとする理由もわからない。
起承転結の「起」がないまま
「承転結」だけで作られたような違和感が最後まで拭えなかった。
原作ではもう少し細かく描かれているのだろうか。



おそらく本作は、ジブリの残像をチラつかせてそこそこヒットはするだろう。
しかし、私は米林監督のこんなにも萎縮した仕事ぶりは見たくなかった。
ディズニープリンセスですら時代に合わせて変化しているのだから、
今後はジブリの香りを残しつつ、そこに生きるキャラクターには
スタジオポノック世代なりのオリジナリティを見せて欲しい。
「思い出のマーニー」ではそれが出来ていたのだから。

映画「メアリと魔女の花」は、7月8日より公開。




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