忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)


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▼美し過ぎる格闘映画。「グランドマスター」

ここ最近のアジア映画で最も熱い視線が注がれているのがイップマンである。
詠春拳の達人であり、かのブルース・リーの師匠としても知られる
イップ・マン(葉問)の半生を描いた作品が相次いで公開されている。
きっかけを作ったのはドニー・イェン主演の「イップ・マン 序章 / 葉問」の二部作。
その後、デニス・トー主演の「イップ・マン / 誕生」が続き
アンソニー・ウォン主演の「葉問:終極一戦」も待機中。
さらに中国・香港ではTVシリーズ「葉問」まで開始されるなど
イップマンブームは衰えるどころかまだまだ拡大を続けている。

明日5月31日から公開されるウォン・カーウァイの最新作「グランドマスター」も
イップマンの半生を描いた作品。
監督・製作・脚本はウォン・カーウァイ。
主演はカーウァイ作品には欠かせないアジアの大スター、トニー・レオン。
共演は「SAYURI」のチャン・ツィー、「レッドクリフ」のチャン・チェン。
武術指導は「マトリックス」「グリーンデスティニー」「キルビル」など
長年アクション映画を支えてきたユエン・ウーピン。
音楽は梅林茂。
衣装&編集はカーウァイのハリウッド進出第1弾である
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」でも衣装を担当したウィリアム・チャン。

公開時期が重なったためにイップマンに便乗した作品と思われそうだが
カーウァイがブルース・リーに興味を持ったのは
今から17年前、映画「ブエノスアイレス」の撮影中のこと。
8年もの歳月を費やして、華やかな文化と殺戮の入り交じる
1930年代の中国史を研究し、覇権を巡って対立していた中国武術の世界に没頭した。
主要人物を演じるトニー・レオン、チャン・ツィー、チャン・チェンの三人は
撮影前にカーウァイから命を受けてそれぞれの流派に入門し3年をかけて技を会得したという。
八極拳の使い手を演じたチャン・チェンはプライベートでものめり込み
昨年12月に開催された八極拳の全国大会で優勝してしまったほど。
撮影中はトニー・レオンが二度も骨折するアクシデントに見舞われ、
その都度撮影が中断。クランクインからアップまで3年を経てついに完成した。



1930年代の中国。
華やかな文化の裏で殺戮が横行する混沌とした世界では
宗師(グランドマスター)の称号を手にするため様々な流派が存在していた。
そんな頃、八卦掌の宗師・宮宝森が引退を決意。
宗師の立場と生涯をかけて目指した南北統一の使命を受け継ぐべく
形意拳の使い手である馬三、詠春拳の宗師・葉問、奥義六十四手を受け継ぐ宮若梅らが
火花を散らしていた。果たして、真のグランドマスターとなるのは誰なのか。


アジアの格闘映画というものは、様式美がかっちりと出来上がっていて
それほど変化は出せないものだと思っていたのだが
さすがはウォン・カーウァイ。
チャン・イーモウが「HERO」や「LOVERS」でアジアンアクションの
新たな可能性を見せてくれたとき以来の衝撃を本作は与えてくれる。
史実を辿り、嘘のない格闘(アクション)に向き合いながらも
完成した作品は紛れも無いウォン・カーウァイの世界。
科白の隙間に込められた登場人物の想いを汲み取った時、
アヘンパイプを燻らせベッドに横たわるチャン・ツィーの姿に涙せずにはいられない。
年齢を重ねてなお高貴さを失わないトニー・レオンの佇まいや
名前の通り剃刀のように鋭い眼光とアクションで
空気を一変させるチャン・チェンの存在感。
女性でありながら闘いの場に身を投じるチャン・ツィーを
魅力的なキャラクター達が取り囲み、気丈に振る舞う彼女の寂しさを
さらに増幅させているのだ。
そういったインタビューを見聞きしたわけではないのであくまでも私の想像だが
本作の影の主役はチャン・ツィーなのだと思う。

どこで一時停止しても宣材用のスチール写真になるほど美しい映像の洪水は
歴代のカーウァイ作品としても互角以上の出来映え。
ただ、常連のクリストファー・ドイルが撮影から外れているためか
アップやスローが多用され過ぎていたり、撮影に関してはやや稚拙な面も見受けられる。
せっかく入門までして会得したのだから、部分部分ではなくもっと全体像を見せて欲しかった。

「イップマン」の生い立ちや半生を辿ることが目的ならば
素直に「イップ・マン 序章&葉問」を観ておけばそれで良し。
ウォン・カーウァイが撮ったことに惹かれているなら劇場で観て損無し。

ちょっとやり過ぎなぐらいにカッコ良いトニー・レオンのキメ台詞は必聴。
くれぐれも、エンドロールが始まってすぐに席を立たないように。

映画「グランドマスター」は明日5月31日より公開。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:グランドマスター
    配給:ギャガ
   公開日:2013年5月31日
    監督:ウォン・カーウァイ
   出演者:トニー・レオン、チャン・ツィー、チャン・チェン、他
 公式サイト:http://grandmaster.gaga.ne.jp
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



発売中■Blu-ray:「イップ・マン 序章&葉問 Blu-rayツインパック」
発売中■Blu-ray:「イップ・マン 誕生」

イップ・マン(葉問)の人生を辿るなら
「HERO」のドニー・イェン主演で映画化した「イップ・マン 序章 & 葉問」がイチ押し。
日本におけるドニー・イエンの知名度が関係してか
劇場での公開規模は大きくなかったが、アクション映画好きからは
近年稀に見る傑作として知られている。
ブルース・リーのルーツを辿りたいファンだけでなく広くお勧め。
「イップ・マン 誕生」も一応追いかけて見たのだが
私的には「 序章 & 葉問」だけで充分。




発売中■Blu-ray:「「HERO 英雄」「LOVERS」Blu-rayセット」

チャン・イーモウによる歴史アクションの大ヒット作。
アジア発のアクションが世界的に受け入れられた記念碑的な作品でもある。
特にお勧めしたいのが「HERO」。
ワダエミの衣装も含めて全編見どころ満載の大傑作。




08月07日発売■Blu-ray:「ブエノスアイレス & ブエノスアイレス 摂氏零度 ツインパック」
08月07日発売■Blu-ray:「恋する惑星」
08月07日発売■Blu-ray:「花様年華」
08月07日発売■Blu-ray:「天使の涙」
08月07日発売■Blu-ray:「楽園の瑕 終極版」

ウォン・カーウァイの作品群がBlu-rayで一斉リリース。
昨年6月にプレミアの付いていた「恋する惑星」 「天使の涙」「欲望の翼」の3本が
ノーマルDVDで再販されると報じられ、当BLOGでも紹介した
のだが
目前になって何故か突然発売中止となり、そのまま立ち消えとなっていた。
あれから約1年が経過し、今年5作が一気にBlu-ray化される。
廉価版プライスでないのは残念だが、「花様年華」がBlu-rayで観られるのは嬉しい。
「ブエノスアイレス」だけは昨年Blu-rayで「愛蔵版」として発売されており
今回が2回目の発売。ただし、ドキュメンタリーの「摂氏零度」との2作パックになっている。



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