▼CG全盛の今だからこそ新しい。映画「プリンセスと魔法のキス」
第82回アカデミー賞の長編アニメーション賞は
「カールじいさんの空飛ぶ家」に決定したが、
「コララインとボタンの魔女 3D」と共にノミネートされ、
歌曲賞でも「Down in New Orleans」「Almost There」の2曲がノミネートされたのが、
今回紹介するディズニー映画「プリンセスと魔法のキス」。
監督は、「リトル・マーメイド」「アラジン」を発表し、当時低迷していたディズニーを
再び盛り上げた功労者であるジョン・マスカー＆ロン・クレメンツ。
ピクサーの台頭により、今後の映画製作は全てデジタルに移行すると発表したのが2004年、
今回、6年振りに手描きセルアニメーションを復活させたのは、
他の誰あろう、「トイ・ストーリー」「カーズ」のジョン・ラセターである。
手描きに引導を渡した本人が、手描きの復活に携わるというのはなかなか面白い。
セルアニメの復活に合わせて、プリンセスを主人公にし、ミュージカル形式も復活させた。
物語は、魔法のキスによりカエルになってしまったプリンセスと王子が
再び人間に戻るまでの過程を描いたもので、プリンセス物の王道。
舞台がニューオリンズになっているからか、音楽はジャズを基調にした
大人向けのスコアが並び、ミュージカルシーンの魅せ方もアートっぽいものが多い。
ターゲットは明らかに大人だ。
プリンセスが「夢」か「愛」かの二択を迫られた時のシーンは、
なかなか身につまされるものがあった。愛する人が夢を追っているのなら、
そしてその夢に手が届きそうなところまで来ているなら、
男はやはり、例え自分が身を退いてでも、それを応援したいものなのだ。
ちなみに、主人公の声を担当しているアニカ・ノニ・ローズは
ビヨンセ、ジェニファー・ハドソンと共に「ドリームガールズ」で
ユニットを組んでいた女性。彼女が抜群に上手い。
エンディングのNe-Yoも含め、曲のクオリティは総じて高く、
サントラが欲しくなること請け合い。
家族連れではなく、大人のデートムービーとしてお勧め。
■CD：「プリンセスと魔法のキス」
▼第82回アカデミー賞、作品賞は「ハート・ロッカー」
【作品賞】「ハート・ロッカー」
【監督賞】キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」
【主演男優賞】ジェフ・ブリッジス「クレイジー・ハート」
【主演女優賞】サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」
【助演男優賞】クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
【助演女優賞】モニーク「プレシャス」
「アバター」と「ハート・ロッカー」の一騎打ちのように言われていたが
蓋を開けてみれば「ハート・ロッカー」の圧勝で幕。
「アバター」は主要6部門全て逃し、昨年「スラムドッグ＄ミリオネア」に
全てをかっさらわれた「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のような印象に。
「スラムドッグ」旋風に沸いた昨年との決定的な違いは、
そもそも「アバター」自体が作品としては極普通である、という点。
3D映画は人気アトラクションのような位置付けなので、大ヒットするのは分かる。
しかし作品の質を競うオスカーにノミネートされるような作品ではない。
「アバター」「ハート・ロッカー」に次ぐほどの数で
ノミネートされていた「イングロリアス・バスターズ」も、
クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を獲得した以外はパッとせず。
【オリジナル脚本賞】「ハート・ロッカー」
【脚色賞】「プレシャス」
【音楽賞】「カールじいさんの空飛ぶ家」
【歌曲賞】「クレイジー・ハート」 ("The Weary Kind")
【撮影賞】「アバター」
【編集賞】「ハート・ロッカー」
【視覚効果賞】「アバター」
【音響調整賞】「ハート・ロッカー」
【音響編集賞】「ハート・ロッカー」
【衣装デザイン賞】「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
【美術賞】「アバター」
【メイクアップ賞】「スター・トレック」
【長編アニメ賞】「カールじいさんの空飛ぶ家」
【長編ドキュメンタリー賞】「ザ・コーヴ」
【短編アニメ賞】「Logorama」
【短編ドキュメンタリー賞】「Music by Prudence」
【短編実写賞】「The New Tenants」
【外国語映画賞】「The Secret in Their Eyes」（アルゼンチン）
主要を除く残りの賞はこのような結果に。
日本のイルカ漁を盗撮し、物議をかもしている映画「ザ・コーヴ」が
長編ドキュメンタリー賞を受賞。
ドキュメンタリーとはいえ人の手で作られている以上、
どちら方面に着地させたいのかは製作者の思惑が出るもので、
日本側との意見の相違が、この先そうそう簡単に決着するとは思えない。
ちなみに、読者登録して下さっている方の中でも
この問題を取り上げている方がいたので紹介。
●「the cove 」について想うこと（DoNaMann.DoNaMann.DoNaMann）
▼映画ランキング「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」が2位に初登場
(C)2010フジテレビジョン／集英社／東宝／FNS27社
1位（-）：映画ドラえもん のび太の人魚大海戦（1週目）
2位（-）：ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ（1週目）
3位（2）：アバター（11週目）
4位（1）：パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々（2週目）
5位（-）：プリンセスと魔法のキス（1週目）
6位（3）：オーシャンズ（7週目）
7位（4）：猿ロック THE MOVIE（2週目）
8位（5）：おとうと（6週目）
9位（-）：ハート・ロッカー（1週目）
10位（6）：超劇場版ケロロ軍曹 誕生！究極ケロロ 奇跡の時空島であります!!（2週目）
春休み興行の目玉である「映画ドラえもん のび太の人魚大海戦」が1位スタート。
ゲスト声優は真矢みき、ケンドーコバヤシ、さかなクンなど。
全国366スクリーンを使用してのオープニング成績は、
動員498,198人、興収553,483,650円。
「新・のび太の宇宙開拓史」比で動員148.3%、興収148.2%と
前作を大きく上回るスタートとなっている。
2位には人気ドラマの劇場版である
「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」がランクイン。
全国283スクリーンを使用し、2日間で動員308,284人、興収392,017,910円。
フジテレビ系列のドラマの映画化としては、累計興収27億円をあげた
「アンフェア THE MOVIE」の3.7億円を若干上回っている。
5位は本日紹介した「プリンセスと魔法のキス」、9位には本年度のオスカーを
「アバター」からもぎ取った「ハート・ロッカー」がランクイン。
オスカー効果で次週の動員がどうなるのか気になる。
★公開中の作品紹介一覧
【紹介記事】映画の歴史は変えたが、心までは揺さぶらない。映画「アバター」
【紹介記事】親バカが作家性を濁らせたか。映画「オーシャンズ」
【紹介記事】一生分の恋。映画「サヨナライツカ」
【紹介記事】ただ、言葉にするだけでいい。映画「今度は愛妻家」
【紹介記事】煽り過ぎてズコー。映画「パラノーマル・アクティビティ」
【紹介記事】伊坂原作×中村監督のホームラン。映画「ゴールデンスランバー」
【紹介記事】山田洋次監督らしい定番の人情劇。映画「おとうと」
【紹介記事】映像ありき、中身ナシ。映画「食堂かたつむり」
【紹介記事】各エピソードが薄味で散漫な仕上がり。映画「バレンタインデー」
【紹介記事】さまぁ～ずらしいユルさが心地良い。映画「かずら」
【紹介記事】笑ってさえいれば破綻しない空間。映画「パレード」
【紹介記事】身の丈に合った劇場版。映画「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」
【紹介記事】心を通わせる二人の母親。映画「フローズン・リバー」
【紹介記事】怖くて怖くて面白い。映画「コララインとボタンの魔女」
【紹介記事】世界一ピュアな犯罪者。映画「フィリップ、きみを愛してる！」
▼「アナザーコード」「ウィッシュルーム」のCINGが倒産
■DS：「ラストウィンドウ 真夜中の約束」
【関連記事】DSの2画面を真面目に考えた「アナザーコード」
【関連記事】手探りから卒業し、いよいよCINGの本領発揮「ウィッシュルーム 天使の記憶」
【関連記事】4年振りの続編。Wii「アナザーコード:R 記憶の扉」
既にあちこちで取り上げられているので簡単に。
当BLOGでは何度となく取り上げてきたフェイバリットメーカーのCINGが倒産。
「J.B.ハロルド」シリーズの頃からずっと応援していたので残念でならない。
●CING倒産の報を聞いて思うこと（blog珍品堂）
●CiNGが破産手続申請、倒産へ（アドベンチャーゲーム研究処）
●寝具（にんしんゲーム天国）
▼今週発売の主な新作
03月10日発売■BD：「エスター」
03月10日発売■DVD：「元祖 人志松本のゆるせない話 上 初回限定盤」
03月10日発売■DVD：「元祖 人志松本のゆるせない話 下 初回限定盤」
03月10日発売■CD：「機動戦士ガンダムUC オリジナル・サウンドトラック（Blu-spec CD）」
03月11日発売■PSP：「勇者のくせになまいきだ:3D 特典付き」
03月11日発売■PSP：「絶対ヒーロー改造計画 通常版 特典付き」
03月11日発売■PSP：「GTA：チャイナタウン・ウォーズ」（Z指定）
03月11日発売■PSP：「真・三國無双 MULTI RAID 2 初回限定版」
03月11日発売■DS：「RPGツクールDS SPエディション」（Amazon限定）
03月11日発売■DS：「RPGツクールDS 通常版」
03月11日発売■PS2：「サモンナイトグランテーゼ 滅びの剣と約束の騎士 特典付き」
03月11日発売■PS3：「バトルフィールド:バッドカンパニー2」
03月11日発売■360：「バトルフィールド:バッドカンパニー2」
03月11日発売■360：「Xbox360 ハードディスク 250GB」
03月11日発売■360：「Xbox360 ワイヤレス コントローラー ゲーム パック」
03月11日発売■360：「Xbox360 ワイヤレス LAN アダプター N」
03月12日発売■BD：「機動戦士ガンダムUC（ユニコーン） 1」
03月12日発売■DVD：「機動戦士ガンダムUC（ユニコーン） 1」