予想はしていたのだが・・・
豪華キャストを揃え、
著名な作家の原作を使い、
ワーナーブラザーズ配給に乗せ、
フジテレビが援護射撃するという最強の布陣で製作された
極めて凡庸なアニメ映画、といった内容であった。
「さらに金をかけた『銀色の髪のアギト』」だと思えばいい。
原作は未読なので
映画しか知らない立場からの意見にはなるのだが、
舞台設定が説明不足なためにオープニングからして唐突で、
観客が世界を把握するよりも早く
ストーリーがどんどん先に進んで行ってしまう。
しかも、そこに散りばめられたエピソードも
皆どこかのファンタジー系RPGで見た事のあるような物ばかり。
妙に生々しい過去の設定だけは目新しいが、
逆に物語全体のテイストから完全に浮いてしまっている。
大仰なだけのBGMも繊細さが足らず、
しかも始終鳴りっぱなしなのではっきり言ってうるさいだけだ。
また、これだけのキャストを揃えておいて、
ウエンツ瑛士が一番上手いというのは一体どういうことなのか。
常磐貴子や今井美樹など、ほとんど「素のまま」ではないか。
結局、子供には訳が分からず、
アニメにさほど興味のない映画ファンの鑑賞には耐えられず、
濃いアニメファンには薄味過ぎる。
では、これは一体誰に向かって作られた映画なのか。
ディズニーとジブリはさぞかし安心しているであろうな。
■DS:「ブレイブストーリー ボクのキオクとネガイ」
■PS2:「ブレイブ ストーリー ワタルの冒険」
■PSP:「ブレイブ ストーリー 新たなる旅人」
映画公開に合わせて3機種で同時発売。
DS版はアドベンチャー、PS2版はアクションアドベンチャー、
PSP版はRPGとジャンルもバラバラだ。
映画版をベースにしたDS版、PS2版と異なり、
PSP版だけは原作をベースにした作りになっている。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:ブレイブストーリー
配給:ワーナーブラザーズ
公開日:2006年7月8日
監督:千明孝一
原作:宮部みゆき
アニメ製作:GONZO
出演者:松たか子、大泉洋、ウェンツ瑛士、樹木希林、他
公式サイト:http://www.bravestory.net/
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