■眞木準さんを偲ぶ会 | 新聞広告.comブログ

■眞木準さんを偲ぶ会

■眞木準さんを偲ぶ会

一旦着替えに家へ戻り、再び地下鉄に乗って
表参道の出口を上った時には、もう闇が降りていた。

「若者の街から、大人の街へ。」
西麻布に事務所を移される際、ご挨拶状に載せられていた文面。
ご自身の若い時代を過ごされ、愛されていた、この街。
そこに、と思うと胸が詰まった。

名刺をお渡しし、奥へ進んだ。
先週応募が締め切られた新聞広告のコンテスト、
審査委員長に就かれ、選ばれたテーマは、図らずも「絆」。
広い空間の壁に飾られたお写真の前には、
広く、深く、結んでこられた絆を物語る花々があった。
私は尊敬を込め、白の薔薇をお持ちした。

三名の方が献花をされているところだった。
私が向かう時には出て行かれ、ひとりになった。
何かまだ信じられない気持ちだった。
いま、こうした形でお礼とお別れを
申し上げなければならない日が来ることなど。
静かで、短く長い時間が過ぎた。


続く部屋、初めて原寸で見る全日空のポスターに始まり、
数々の代表作が飾られていた。

隅々まで、言葉は生きていた。
込められた心の息づかいを写し取るように、
ボディコピーを手帳に書き留める女性の方もいた。
お仕事をご一緒させていただく中で生まれた
B倍のポスターもあった。
出口に一番近い場所には、いつも着ておられた
スーツを思わせる黒を背景に、
多数のキャッチフレーズが白く抜かれたパネルがあった。
そこには、ご一緒の仕事が完結した後、ただサインをいただくために
他のプロジェクトについて行き、事務所を訪れる
最後になってしまった日の打ち合わせの机上で見た一行もあった。
笑って応対いただいたことが思い出された。

たくさんの方がパネルを囲んでいた。
その、ビジュアルの助けを借りずとも、凛として放たれる力を、
一点一点、噛み締めるように受け止めていた。

  コピーは言葉のデザインである。 眞木準

左隅にそう結ばれていた。またひとつ、言葉をいただいた。


眞木準さん、本当にありがとうございました。
そして、力を尽くされ、このような機会を設けていただいた
諸先生方、ご関係者の方々に心からお礼申し上げます。


■眞木さんへの手紙

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