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おことわり

このブログは私の過去と現在を綴った自己満足的「私小説」です。
フィクション?ノンフィクション?ご想像にお任せします。
「不倫」「セックス」と言った言葉にアレルギーをお持ちの方は
不快な思いをされるでしょうから申し訳ありませんが
「ブラウザ」を閉じて下さい。


☆お知らせ☆読んでね♪

 歳とともに、「老眼」が進んでしまって(汗)
PCの画面を長時間見ているとスゴク疲れます。。。
2年ぶりにブログを更新したというのに、コメントまで頂いて本当に嬉しかったです!
少し書いてみようかなぁ、、、という気持ちも有るのですが。

少し書きためたらアップしてみようかなぁ、、とは思っています。

 

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元気です

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2006年12月15日から冬眠していた ラン です。


ここに戻ってくる事も無いと思っていたのですが、、、 最近、PCのとあるファイルの中から


以前に書いていた、このブログの原稿が出てきました。



なんだか、とても懐かしくて、、、 2年ぶりに、自分のブログを訪ねてみました。




自分を取り巻く環境も劇的に変化しました。


ここに書いていたような「経験」をする事ももう無いと思っていたし、実際にそうだったのだけれど、


ここ数ヶ月、自分の中で「女」に対する執着心のようなモノがフツフツを湧いてくるのを感じているのも事実です。




以前のような内容で続ける自信は無いのですが、


少し、、、自己表現してみようかなぁ、、、と思っています。



とは言え、こちらで更新できるかどうかは分かりませんけど(笑)



もし、私の事を覚えてくれている人が居たら、、、コメント下さいな。




この記事の前編はこちら♪
「勘違い?」
しゅうが顔を上げて私の視線と対峙した。
「そう、勘違い」 
  
私は努めて冷静な声を出した。
本音は、、、大声で怒鳴りたかったのだと思う。
或いは、冷静に受け答えをはじめたしゅうの頬を思いっきり張りたかったのかも知れない。
しかし、心のどこかで
ラン!冷静にね!
そう囁く自分がいた。
いや、あれは祥子の声だったのかも知れない。
あの晩、別れ際に   
   
「いい、今日はおとなしく寝るのよ。
      しゅうちゃんともめちゃ駄目よ。 
女はどうしても思いこみが激しいんだから冷静になる時間が必要なんだよ」 
   
そう諭してくれた、彼女の言葉が私を冷静にさせてくれたのかも知れない。
もしあそこで私が逆上していたら、、、 いったいどうなっていたのだろうか?
「私は貴男のように、『浮気』を公認したつもりも、するつもりも無いわよ」
「分かっている」
「どんなに勝手だと思われても、私がOKだから、貴男もOKにするつもりも無い」
「もちろん、、承知しているよ」
「じゃぁ、、、なんでそんなに平然としていられるのよ?
   まるで、『何か悪いことしたかな?』って顔しているじゃないの」
冷静は装っていたが、気持ちを言葉にするうちに
フツフツと沸き上がってくる感情のせいか、
自分の声が上ずってくるのが分かった。
「そんな事はない、、、だから、、言葉は足らないかも知れないが、
   今の俺は『スマン』と謝るしかない。 悪いのは俺だよ」
しゅうは椅子に座ったまま頭を下げた。
「どういう関係?」
冷静にね!
口のなかがカラカラに乾いていた。 滑舌が悪いのは舌先が歯に引っかかるからか?
「どういう?」
「そう、、、どういう関係? 
    愛人?セフレ?それとも恋人?
   『ガールフレンド』なんて、子供みたいな言葉は使わないで欲しいわ!」 
  
「お互いに既婚者なんだ、恋人にはなれないだろ。 恋心は無いよ。
   まぁ、愛人、、、という事だろうな。」  
    
「割り切った関係っていうわけね」
月に幾らか決まった『お手当』でも渡しているのなら気が楽だと思った。
朋美という女性はお金が介在しているからしゅうと寝る。 その方が良い。
そう言う事でしょ? 
夫と別居中でお金が必要なオンナなんでしょ?
「そうだ」
と、しゅうに言って欲しかったが、
「割り切った関係、、、じゃない。 
    金を渡したりはしていないよ。 もちろん、食事代を割り勘にはしないけどね」    
  
「割り切った関係じゃない!? 
  それって、少なくとも私にとっては、最悪の答えだわ!
     割り切れないって事は、『本気だよ』って言っているのと同じよ!」
頭の中が沸騰していた。
「だから、違うよ。 お前だって分かるだろ?
    割り切った関係じゃないけれど、愛や恋と言った感情は介入していない。
      でも、遊びとしての感情移入はある、、、 」
やはりしゅうは、私の「愛人達」との交際を引き合いに出してきた。
それは、ある意味で仕方の無いことかも知れなかったが、 
     
約束が違う!それを言わないっていう事になっていたでしょ!?
と口から出かかった所で、私はゴクリとその言葉を飲み込んだ。
なぎさ・・・
その時、なぎさの事が私の頭の中をよぎったのだ。
そう、、、なぎさとの関係はしゅうには秘密になっている。
私の中での解釈では、
「しゅうは、もう知っている。 なぎさの事まで知っているかは分からないけれど、
    私に、しゅうの知らないボーイフレンドが居ること、関係があることは知っている」
ちろん、そう思うにはそれなりの理由がある。
しゅう公認で何人かの男性と関係を持った後で、彼が私にこういった事がある。
「公認、、、公認って言うけれど、最近のランのように
    まったく罪悪感がなくなってしまうと、『公認』のほうが罪深いかもな。
  多少でも俺に対して後ろめたい気分を感じる未公認、つまり
            俺に秘密の愛人が居てもいいんじゃないか?」
また、変な事を言いはじめたわね、、、
そうも思ったけれど、当時の私は、しゅうの言うように、夫以外の男性と関係を持つことに
まったくと言っていいほど罪悪感を感じなくなっていたのは事実だった。
だから、なぎさやリキと付き合いはじめた時、しゅうの言葉は恰好の言い訳となっていた。
問題は公認、未公認じゃない、、、
要は心の問題よ。
相手が誰であろうが、私のしゅうに対する気持ちが変わることは決してない。
何とも、自分勝手な解釈ではあるが、少なくとも、その時はそれで良いと思っていた。
しかし、しゅうにも愛人が居ると分かったときに、
なぎさの存在が私の中で大きくクローズアップされてきた。
「お互い様じゃないの、、、」
どこかでそう囁く、もう一人の私がいた。
  
煮えたぎる脳ミソの中でも、どこかの一画が冷静になっていたのかも知れない。 
     
感情的になってはダメよ、、、ラン!
下手な事を言うと、しゅうの反撃を食らうことになるわよ!
なぎさとの関係が深くなっても、しゅうに対する気持ちの変化は全くない!と断言できる。
その他、しゅう公認の愛人達と大きな違いは無い。
ただ、しゅうの目の届かない所で、アバンチュールを楽しむ事に、
公認にはない刺激があるのは間違いなかった。
私にもしゅうには知られたくない秘密があるのだ。
しゅうは、真っ直ぐに私を見ていた。
その目から、いつもの探るような視線は感じられない。
悪かった・・・ 
或いは、
まずいことをしてしまった・・・
或いは、
とんだ、ドジを踏んだなぁ
私には分からないが、少なくとも攻撃的な視線ではない。
冷たい時間が流れた。
やっぱり、私達夫婦は、まともじゃない。
あの時、、、言葉に詰まった私はそう思っていた。
夫公認の愛人がいる妻。
どう考えても、普通ではない夫婦関係。
夫の浮気が発覚して、修羅場となった夫婦の部屋。
本来ならば、金切り声を上げて、しゅうに掴みかかり、
「あの女と別れなさいよ!」
頬に平手打ちの一発も見舞って、泣きわめいてもいいはずだ。
或いは、冷静に
「別れないのなら、離婚ね!」
と詰め寄ってもいい。しかし、、、
愛人達のと関係が複雑に絡み合っていた私は、いくつかの秘密を持っていたこともあり
爆発寸前の感情が、破裂寸前のところで足踏みをしているのだった。
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「・・・・・・・・・・・・・」 
 
 
しゅうは黙って私の目を見ている。
その真っ直ぐな視線は夏の太陽から届く紫外線のように、
皮膚を通り越して細胞までをも破壊してしまいそうなくらい鋭い。
彼の頭の中では、
あたえられた演算式を猛烈なスピードで解いているコンピューターのように、、、
或いは、戦い終盤の「将棋棋士」のように、脳細胞が活発に動いているに違いない。
これから起こりうる様々な状況の全てを想像し、その対策方法を導きだしているのだ。
だから、あんなに鋭い視線を私に送ってくる。
私の「誰なの!!」という質問をあの視線で食い止めているのだ。
その効果は絶大で、ともすれば
「なんとか言ってよ!」 
   
と大声を張り上げてしまいそうな私の揺れる心を
大きな手で鷲づかみにしているかのようだ。 
     
ゴクリ・・・

その視線の鋭さに固唾を呑んだのはしゅうではなく、私だった。
「・・・・・・・・・・・・・」
それでも、私から目をそらすことは出来なかった。
逸らしたら、、、その次の瞬間、しゅうの圧倒的な言葉の攻撃で、
今夜の事を夢物語にされてしまいそうな気がしたのだ。
もっとも、その時、私は心のどこかでそうして欲しいと願っていた。  
     
なんだ、、、あれは夢だったんだ。
パソコンに書かれていた事は、しゅうのフィクションだったんだ。。。  
    
そう納得させてもらうのが一番、楽だと言うことは分かっていた。
しゅうの視線から「厳しさ」が消えた。
そして、しばらく対峙していた二人だったが、先に視線を外し動きはじめたのはしゅうだった。
彼は、私の前を通り過ぎると、お気に入りの革製の椅子にドカリ!と腰を落とした。
そして、ノートパソコンを「ぱたり」と閉じた。
「ガールフレンド」
ガールフレンド!? 確かにしゅうはそう言った。
あれだけ長い間、熟考して出した答えが
ガールフレンド!?
バカにしないで!
スマートな貴男らしくないわよ!
高校生じゃあるまいし、この期に及んで「ガールフレンド」はないでしょ!
「セックス有りのオンナ友達」
今度は私の事を見ながらはっきりとそう言った。
「お店の子?」
「お店の子?従業員には手を出さない。」 
   
「水商売の子?」
「イヤ、違う」 
   
「じゃぁ、、、誰?」
「誰?って、、、だからオンナ友達だよ。 体の関係があるオンナ友達だ」 
    
「はぐらかさないで!どこの誰よ!」
なんの意味も無い会話であることは分かっていた。
聞けば聞くほど状況が悪化するのも分かっていた。しかし、あの助手席に座っていた女の存在が
朋美、、、と言う女性で、しゅうが少なからず好意を持っていて、体の関係もあると知った今、
「意味の無いことだから」と言って黙っている訳にはいかなかった。
少なくとも、私はしゅうの妻なのだ。
「どこの誰!?」
声は高くなったが大声を出すことはなかった。
怒鳴っちゃえばいいのに! ストレートに表現すればいいのに!

耳元でそんな声が聞こえた。
感情を抑え込んでいるのは私の理性なのか、自尊心なのか?
そりゃ、、、自尊心でしょ?
また、誰かが耳元で囁いた。
あんなオンナのせいで、取り乱した姿をしゅうに見せたくない。
「既婚者だが、別居中。と言っても、離婚は秒読みだ。
  子供なしの33歳。 神奈川に住んでいる。
    名前は、、、もう読んだよな。 トモミ。名字は知らなくてもいいだろ?」
「33歳、、別居中、、、」  
     
やっぱり、30代だった。しかしその事実が私の爆発寸前の感情の中から
「怒り」を引っ張り出してきた。
「しゅう、、、あなた、勘違いしてない!?」

今度は私の番だ! 
    
私は怒りの感情を全て眼球に集中させ、紫外線よりも強い視線をしゅうに投げかけた。
  
 
 
 
   
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何!? 
そこに居るのは誰?
書斎の入り口にたたずむしゅうを見た私の素直な感想だった。
強張った表情のしゅうがゆっくりと歩き出した。
こっちへ向かってくる。
私は無意識に数歩、後ずさりしてしまった。
白い体液、、、

に見えたものは当然体液であるはずはなく、白いビニールの紐のようなものだった。
改めて見れば何のことはない、、、
しゅうの耳にはイヤホンが差し込まれ
その先から伸びた白いコードはしゅうのシャツの胸ポケットに伸びていた。
そこには最近、買い換えた携帯電話が入っているはずだった。
ようやく機能を取り戻した私の耳に、イヤホンから漏れるロックの旋律が届いた。
しゅうはイヤホンで音楽を聴いていたのだ。
だから玄関が開いた音も私の声も彼の耳には届かなかった。
「10時に帰宅する。」
私の言葉に完全に警戒心を解いていたに違いない。
彼の性格からして、たとえ数分のトイレであっても
愛人へのラブレターを途中でほったらかして行くはずは無い。
しゅうがイヤホンを引き抜いた。
小さなスピーカーから聞き慣れた「曲」が堰を切ったように流れ出してきた。
しゅうが胸ポケットから携帯を取り出して小さなボタンを押した。
2人を静寂が包む。
時折、「カチカチ・・・」とノートパソコンのHDがリズムを刻むような音を立てていた。
トモミ
ともみ
朋美
その名前がHDの中に刻まれていく。
早く消去しなくちゃ!
保存される前に消去しなくちゃ!
     

先に口を開いたのはしゅうだった。
「すまん、、、」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
唇が、、睫毛が、、震えているのが自分でも分かる。
「言い訳はしない。そこに書いてあることは事実だ。 すまん、、、」
そう言ってパソコンに視線を落とした。
さすがのしゅうも、決定的な証拠を目にしてしまった私を
得意の「口撃」で丸め込む事は無理だと思ったのか、
素直に頭を下げた。
  
もちろん、その時の私には謝罪の有無など問題じゃ無かった。
それよりも、「事実」が知りたかったのだ。
しゅうと「朋美」という女性がどういう関係なのか、を知りたかった。
全てを知ることで更に傷付くであろう事は経験から想像できたが、
知らずにはいられない。
「朋美って、、、誰?」

脳が勝手に動き始めていた。 そんな事を聞きたいとは思わなかったが、
勝手に口が動いた。 
誰?どこの誰?
そんな事を聞いてどうなるものでもないのに、相手の女性が気になった。
朋美って誰???


薄暗い機内の中だが、いくつかの光りの筋が天井から座席に向かって伸びてる。
眠りにつくことの出来ない人が、本を読んでいるのだろう。
私もバッグにしまってある単行本の事を思い出した。
どうせ眠れないのだから、本でも読もうかな。
読書灯をつけてページを開く、、、
あまり考えなくてもすむ、「短編集」をいくつか買ってきたのだが、
少し読むと、気づかないウチにページを繰る手が止まっている。
落ち着かない・・・
読書をするにも、「落ち着いた場所」が私には必要だった。
自宅のリビングで窓から入るお日様の光の中で、、、
ダイニングテーブルに温めたミルクの入ったマグを置いてページを開くとか、、、
そして、、、今日のような飛行機の中であっても、
隣にしゅうがいて寝息を立てて居てくれれば、それで充分落ち着けるのだ。
しかし、今日、隣に居るのは見ず知らずの女性。
私の左隣の席に寝ている彼女のことを嫌な訳じゃない。
成田を飛び立ってしばらくは、行き先やどこから来たかなど、当たり障りのない会話も交わした。
チャーミングな女性でむしろ好きなタイプだった。
でも、ほぼ密着した席ではあったが、私の左腕と彼女の右腕の間には踏み込むことの出来ない
「境界線」が存在している。 
境界線・・・
「朋美」と言う名前を見たとき、私は日本中の「ともみ」さんを嫌いになってしまった。
そして、近づいて来たしゅうにも、一種の「嫌悪感」を覚えた。
この人は、今日、、、私の知らない所で「朋美」という女性と寝た。
しゅうと私の間に、目には見えない境界線が引かれていた。
駄目!それ以上、こっちに来ないで!
「朋美、、、って誰なの?」
無言のしゅうに向かってもう一度問いかけて見た。
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まだ、折り返し地点かぁ、、、長いなぁ。
日本の航空会社と言うこともあって、乗客のほとんどは日本人だった。
「日本人のマナーが悪くなった」と良く聞くが、
暗い機内は静かで大きな声で喋る人も居ない。
聞こえるのはエンジンの音と時折後部座席から聞こえるヒソヒソ声の会話。
変化の無い時間はとてつもなく長く感じられる。 度々時計をのぞき込んでは、
さっきから、30分しか経ってないじゃないの。
長時間、同じ姿勢で座っていたために、痛み出した背中と腰。
その鈍痛と、あと5時間以上も付き合わなくてはならないと思うと、気が重くなってしまう。
退屈な時間を紛らわす話し相手もも居ない。
一人は辛い・・・・・
ずっと昔、大学生を卒業してしばらくたった頃、
憧れていた「一人旅」に挑戦したことがあった。
2泊3日で北陸まで出かけた。 飛行機を使わずに電車を利用したのだが、
やはり椅子に座りっぱなしの移動が一番辛かった思い出がある。
私は組んでいた足を真っ直ぐに伸ばして縮んでいた腰を伸ばしてみた。
狭い座席ではあったが、小柄な私はなんとか膝を伸ばすことが出来た。
幾分、鈍痛が和らいだ気がした。ブランケットを引き上げて再び目を閉じる。
間髪を入れず、脳裏に蘇るあの夜の出来事・・・
一瞬の躊躇いはあったが、私は鍵を開けて玄関に入った。
「ただいま」
緊張のせいか、声が擦れていた。
返事は無い。 
脱いだパンプスを下駄箱にしまった私はスリッパを履くとキッチンに向かいながら
もう一度
「ただいま」
今度は少し大きい声を出してみた。
リビングとキッチンの明かりはついている。 しゅうはそのどちらかにいるはずだ。
しばらく返事を待ったが、
「お帰り」という声は聞こえない。
よほど腹に据えかねる事が無いかぎり、挨拶に返事をしないという事は無い。
聞こえていない?
私は無人のキッチンを素通りしてリビングを覗いてみた。
やはり、そこにしゅうの姿は無い。
2階!?
キッチンに戻ってシンク廻りを確認する。
しゅうがキッチンを使った様子は無い。
夕食は済ませてきたのかしら?
その時、2階で物音がした。
パタン、、、
扉が閉まるような音が聞こえた。
しゅうが2階にいることは間違いない。
玄関にしゅうの革靴が脱いであった事を思い出した。
私は大きく息を吸って廊下に出ると階段を上がって2階へ向かった。
「ただいま・・・・」

寝室のドアを開けて3回目の帰宅の挨拶。
しかしそこにもしゅうの姿は無い。
寝室からしゅうの書斎へ続くドアが開け放たれている。
明かりはついていたが、テレビやステレオの音は聞こえない。
ざわざわ、、、
また胸が騒いだ。
私の心の中の水面が、落ち着いたと思った水面がまたもさざ波立った。
「しゅう?」

しゅうの書斎へ入る。
もちろんそこに彼の姿は無い。
トイレ?
バーカウンターの奥には主のいない机と背もたれの高い椅子。
机の上に投げ出された小さな手帳と、鍵の束。
誰も座っていない革製の椅子には、触ったわけでは無いが、、、確かにしゅうの体温が感じられた。
そこに彼が今まで座っていたのは間違いない。
開かれたノートパソコンの画面の明かりが
黒い革製の椅子の背もたれを微かに白く光らせている。
いつもの私なら、、、そのまま書斎を出て、寝室で着替えをはじめるところだ。
しかし、、、
ざわざわと心の中を吹き抜ける怪しげな風が、私の足をしゅうの椅子へと向けさせた。
心臓の鼓動が高まる。
あの時と一緒だ。
昼、、、目の前をしゅうの車が通りすぎる瞬間に感じた胸騒ぎ。
本能的にその胸騒ぎ、原因解明の鍵は、テーブルの上に置かれたパソコンにあると感じていた。
と、同時に、
見ない方がいい! 知らない方がいいのよ!
そう叫ぶ私も存在したが、
その声に耳を傾ける事は、その時の私には出来なかった。
再び襲ってくるあの不快感、嘔吐感を断ち切るには、原因を解明しなくては駄目だ。
ゴクリ・・・・・
私は呼吸を整えて、パソコンの画面に目を落とした。
そこには見慣れた「Outlook Express」のメール作成画面があった。
小さい文字が画面の半分くらいを埋めている。
混乱する意識の中だったが、私の網膜はその文字の羅列の中から
いくつかの文字を見つけ出していた。
「朋美」
「今日」
「セックス」
朋美、、、トモミ、、、ともみ、、、
今日、セックス、
目は文字を追っていてが、その意味の全てを理解するほど冷静ではなかった。
ただ、今日、しゅうが横浜で朋美という女性と会って、セックスをした事は理解できた。
それで充分だった。それ以上の事を知ってしまったら私は壊れてしまいそうだった。
「ヒッ!」
突然現れた人影に私は驚いて大きな声をあげた。
書斎の入り口にしゅうが立っていた。
驚いたような顔、、、
その耳からは白い体液のようなものが流れ出していた。
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成田を飛び立って、6時間
マルペンサ空港までもあと6時間ほど、、、

ミラノと東京の中間点あたりを飛んでいることになるのかしら?


いつもなら、隣の席にはしゅうが座っている。
海外旅行に限らず、国内旅行でも、もちろん、新幹線に乗るときでも、
多くの夫婦がそうするように、2人はいつも並んで座っている。 

寒がりな私は飛行機に乗るとき夏だろうが、春だろうが、
必ずブランケットをもらって膝の上にかけている。
そして、機内が暗くなってウトウトとしながらも、
ブランケットの下にしゅうの手を引き込み、その大きな手を握っているとやはり安心するのだった。

でも、今回の旅行に同伴者は居ない。
しゅうは私に先立つこと10日前、ヨーロッパとは反対の アメリカ・ニューヨークに旅立った。
日本の東京でいつも一緒に暮らしていた2人が、今、地球の反対側に居る。

小学生の頃、机の上にあった小さな地球儀を思い出した。
そこにあった日本列島は、私がイメージしていた日本とは違い、地球の中では
まるで小さな虫のような存在だった。そして、改めて地球の大きさを実感したのだ。

おそらくは、ロシア上空を飛行中の私と、ニューヨークのホテルに滞在しているしゅう。
2人の間にある、圧倒的な「距離」に不安を感じると同時に、、、
例えようのない、寂しさに襲われた。

「私は、、、どうして、この飛行機に乗っているのだろうか?」



機内は明かりが落とされ、多くの人が浅い眠りについている。
私の隣の女性も、背もたれを倒し、ブランケットをあごまで引き上げて目を瞑っている。
もっとも、眉間に浅くシワを寄せているところを見ると、寝ている訳ではなく、
とりあえず、体を休めておこうと無理矢理、睡眠状態に入ろうとしているようだった。
私も彼女にならって目を閉じた。
色々と考えなくてはならない事はたくさんあるのだ。
ミラノ到着まであと、6時間くらいか、、、 
ここ数ヶ月でおこった様々な事をゆっくり反芻する時間はタップリとあった。
「浮気」
どの夫婦にもある夫婦間のトラブル。
私も幾度となく旦那の浮気に悩む友人達の相談に乗ってきた。
その、ありきたりな「悩み」に自分自身が飲み込まれ、翻弄され、振り回された数ヶ月間。
私に夫公認の「ボーイフレンド」、しゅういわく「愛人」がいるがために複雑にねじれた感情が
関係修復を妨げた事は否めない。
しかし、私の愛人の存在がしゅうの浮気を許すことにはならない。
なぜなら、もともとはしゅうの強い希望があって、この「愛人ゲーム」ははじまった。
良い子ぶるつもりはないが、当初、私はこの遊びに強い抵抗感を持っていた。
嫌々、、、そう、いやいやはじめたのだ。
「亭主の好きな鳥打ち帽」

そうよ、あなたが望んだからかぶっただけよ。
お前に若いボーイフレンドがいるのだから、俺も遊んで良いだろ?
という条件付けをするのならば、公認のボーイフレンドなんかいらない!
交換条件にするのは駄目よ!
それが、私達夫婦の約束事になっていた。
自分だけ楽しい思いをして不公平だ。身勝手だ。 と言われるかも知れないが、
嫌なものは嫌なのだ。それを曲げてまでボーイフレンドが欲しいとは思わない。
もちろん、それまでだって、
しゅうが聖人君子のように「遊び」をまったくしていなかったとは思っていない。
ああいう仕事をしているのだから、普通のサラリーマンよりも出会いの場所は多いだろうし、
女性に接する時間もあるだろう。 或いは、、、仕事が不規則なのを利用して
平日の昼間に自由な時間を作る事だって可能だ。
本人が
「水商売のおねえちゃんにはもてるんだぞ」
と言うのはあながち嘘ではないと思う。
外見的にも金銭的にも、プロの女性から好かれる要素は揃っている。
であれば、そう言う女性達とある程度の関係になったとしても不思議じゃない。
でも、だからと言ってそういう事を想像することは決して楽しくは無いし、
もちろん「公認」にするつもりも無い。 
もし、万が一浮気をするのであれば、、、絶対に私に分からないようにやって欲しい。
と言っても、、、分からなければ浮気してもいい、って事じゃないのよ!
ねぇ、しゅう! そのくらいの事分かっていたでしょ!?


まだ春の訪れ薄い、、、3月の中旬に横浜で見たあの「光景」を思い出した。
決して色褪せることのない、DVD映像のようにあでやかに私の脳裏に蘇るあの「光景」
すべてはあの時からはじまった。
結局、本人に会うことは無かったが、しゅうの車の助手席に座っていた「彼女」
横顔の綺麗な、睫毛の長いあの「彼女」
まさか広い横浜で、しかもあのタイミングで夫婦が出逢うなんて、思っても見なかった。
周到なしゅうが、一日に2度も大ポカをやらかしたあの日。 
私達夫婦にとってはまさに「天誅殺」だった。
それにしても、、、
私はあの夜の事を思い出してみた。
あの時、祥子と別れて家を目の前にして、手にした携帯を無理に閉じて玄関の鍵を取り出した私。
もし、しゅうの携帯にメールなり、連絡を入れていたら、
今日、この場所に私がいる事は無かったかも知れない。
「彼女」がしゅうの愛人という事実を今なお知らずにいたかもしれない。
いや、多分そうだろう。しゅうの事だ、、、度々ドジをやらかすとは思えない。
私が計らずも横浜で見てしまったあの光景、
そしてそこから連想したしゅうに対する「疑惑」を、
やがて私の「思いこみ・思い過ごし」にしてしまったに違いない。
何しろ、車に同乗しているところを見ただけで、浮気の現場を目撃した訳ではないのだから・・・
あの時の「疑惑」は、女の勘というあまりに「不安定」なものの上に成り立っていたのだ。
それが、「今から帰る」と携帯でしゅうに伝えなかったが為に、
あてにならない「女の勘」が的中していた事を知ることになる。
人生なんて分からないモノね。
石ころ一つでどっちにも転がってしまう。
石ころで躓いたにしては、とんだ「大怪我」をしてしまったわね。


私は、暗い機中で、あの夜の事を思い出していた。
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その時、、、
胸の底から例えようのない「不快感」が沸き上がってくるのが分かった。
「祥子、、、ごめん、、、車、どこかに停めてくれる?」
冗談じゃないわよ!!!
コインパーキングに車を入れている祥子を尻目に、
私はすぐ側にある「コンビニ」に飛び込んだ。
レジの店員に
「ごめんなさい、お手洗いお借りしていい?」
学生アルバイトの店員は、意外と愛想良く
「どうぞ、あちらの奥になります」
そう言って店の隅を指さした。
「ありがとう」
白い便器を見た途端、
私はそれまで溜まっていた「不快感」の元をすべて吐き出すかのように
激しく嘔吐した。 トイレの外に声が漏れないように、息を詰めて
でも、、、吐瀉物は容赦なく食道を逆流してきた。
目から涙が溢れた。
3度ほど嘔吐すると、もう胃の中に吐き出すものは残っていなかった。
でも、何かが逆流してくる。
ハァハァハァ、、、、
何度も何度もトイレの水を流した。
頬が、、、唇が、、、冷たくなっている。鏡を見ると酷い顔をした私が居た。
「ラン! 大丈夫!?」
祥子の声が聞こえた。
コンビニで暖かいお茶とミネラルウォーターを買って、
とりあえず、祥子の車の戻りリクライニングシートを倒して、体を横たえた。
「顔色、酷いよ。 ねぇ、今日は帰った方がいいよ。
     話しはいつでも聞いてあげるからさ。 ね? 帰りなよ」
「え、、、大丈夫よ。 さっき、、全部出しちゃったから」

そう言って笑顔を作っては見たものの、とても祥子を説得できるような明るさは、
声にも表情にも無い事は自覚できた。
「あんたは良くても、私が嫌だよ。
   そんな半病人みたいな相手はしたくないわよ。
      ね、、、明日でも明後日でも出直してくるから。今日は帰りなさいよ」

しっかり結論を出してしまった祥子を曲げる事が不可能に近いことを私は知っていた。
「ごめんね、、、ここまで引っ張っておきながら、、、」
「いいよ。気にしないで。 お互い様。
  それよりも、横浜へ連れて行ったこと、、、なんか悪かったみたいね」
「関係ないよ。 それこそ気にしないで」
暖かいお茶を飲んでいくらか気分が良くなった。
タクシーで帰るという私を
「バカ言うんじゃないわよ!」と祥子は真顔で怒ってくれた。
「家まで送ってあげるから、、、いい、今日はおとなしく寝るのよ。
      しゅうちゃんともめちゃ駄目よ。 女はどうしても思いこみが激しいんだから
         冷静になる時間が必要なんだよ」
祥子はおおよそ私の悩みを理解しているようだった。
さすがね・・・
祥子は家のすぐそばまで送ってくれた。
「明日、、、連絡して。 分かった? 今日は大人しく、つまらない事を考えずに寝るんだよ。
   まぁ、難しい注文だとは思うけど、、、お酒でも飲んでさ」
「アリガト・・・」
「じゃ、気をつけて」
赤いテールランプが角を曲がって見えなくなった。
祥子、、、ありがとう。助かったわ。
相談は出来なかった。でも、彼女は私の悩みを理解してくれた。
それだけで、気持ちが随分とラクになった。
しゅうは家に居るだろう。 でも、とりあえず、今夜は冷静に対応できそうな気がした。
そうよ、、、愛人!?まさか、、、あれは仕事で関係のある人。
一緒に食事したり、飲みに行ったりする事はあるかも知れないけど、、、
しゅうの廻りにはいくらだって女性は居る。20代、40代、そして30代だって。
一々気にしてたら、彼の「妻」は務まらない。
時計を見ると7時を僅かに過ぎていた。
かなり激しく嘔吐したけれど、気づくと「空腹感」も感じている。
しゅうは、、食事どうしたのかしら?
携帯で連絡をしようと思ったが、家はもう目の前だ。
家の前から携帯を使うのもおかしな話・・
けど、、、いきなりしゅうの顔を見るのもちょっと怖い・・・
私はタクシーの中から握っていた携帯を開いてしばらく思案した。
10時に帰ると言ったのに、3時間も早く帰ってきた事を伝えたほうがいいかな?
でも、、、そこまでする必要は無いわよね?
普通に、「帰って来ちゃった~」って言えばいいだけよね?
自分の家に入るのに、、、何をそんなに躊躇っているの?
横浜で見てしまったあの光景。
あのシーンで、私の中の何かが変わってしまった。
助手席に座っていた女性の横顔が蘇る。
私は
パチン!と携帯を閉じるとバックに仕舞い変わりに鍵を取り出して、玄関に向かった。
自分の家に帰るのに何をゴチャゴチャ考えてるのよ!?
バカじゃない!?
外灯の明かりはついていたし、ガラスから漏れる玄関の明かりは
しゅうが帰宅していることを教えてくれた。
私は大きく深呼吸をして
鍵穴に鍵を差し込んだ。
ドアの向こうには、いつもの暖かい「家庭」が待っていると思っていたのに、、、
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渋滞が解消される様子はない。
むしろ、夕方の帰宅時間が近づきなおさら酷くなったようだった。
信号が青に変わっても、前がつかえていて数台の車が交差点を渡れるだけ・・・
イライラが爆発した運転手が意味のない「クラクション」を鳴らす。
横断歩道の上に停まってしまった車を縫うように歩く歩行者。
サイドミラーを擦るように、狭い車間をすり抜けていくバイク。
どこかから聞こえるサイレンの音。
渋谷の雑踏は、私の心を逆撫でする。
呼吸が苦しくなる。
脈が早くなっているのか、、、胸、、、心臓のあたりが重い。
耳鳴り・・・ めまい・・・
ラン!いったいどうしたと言うのよ!?
まだしゅうがあの女性と「浮気」をしていると決まった訳じゃないし、
もしかしたら、私とヒデキさんのように夫公認の「プレイ」として彼女に逢っていたのかも知れない。
それに、、、仮に、万が一、浮気をしていたからと言って、
「浮気=心変わり」にならない事はあなたが一番良く知っているじゃないの! 
しゅうが、、、私を心身共に裏切るような事は絶対にしない!私を棄てる事は無い!!!
確信を持っているんでしょ? だから、年下の愛人とのお付き合いも出来る訳でしょう?
クラブのお姉さん達とはかなりの頻度で遊んでいる。きっと、肉体関係がある娘だっている、、、
その延長だと思えばなんてこと無いじゃないの?
自問自答は続く。
なにがそんなに不安なの? 
呼吸が苦しくなって、めまいまでおこすくらいに「不安感」を感じるのは何故なのよ?

車はようやく渋谷の中心部にたどり着いた。
スクランブル交差点の信号が青に変わった。何百人もの人が一斉に動き出す。
圧倒的に若い人が多い。 女同士、男同士、カップル、、、寒い冬がようやく終わって
彼等が着る洋服にも明るい色彩が戻ってきた。
車のすぐ前を歩いている女の子は、軽くカールした髪をなびかせながら颯爽と歩いていた。
かなり派手な化粧と、お尻が寒くない!?と心配したくなるようなミニスカート、、、
スラリと伸びた脚はとても綺麗で、きっと多くの男性の目を引きつけるに違いない。
若いから、、、若いからあの格好が似合うのよね。
若いから、、、
若いから、、、
「若さ」に嫉妬している自分が居た。
改めて外を見ると、10代を中心にほとんどが若い人たちだった。
もっとも、時間帯を考えれば「渋谷」では当たり前の事だ。
その中に、少し落ち着いた、きっと30代半ばの、でも綺麗な女性の姿が目に入った。
顔の輪郭、肌の感じ、、、やはり30代を感じさせる「陰」が見て取れる。
スタイルは悪くない、きっと独身? 既婚者でも「子供」は居ないかな・・・
彼女の服装や雰囲気から「母親」は感じられない。
女の30代は色々な意味で大変な時期だ。
少なくとも私はそうだった。 生活のほとんどを子育てに費やしていた。
2人の息子達は、色々な場面で私を困らせた。 自由になる時間は少なかったし、
夫のしゅうも、おそらく一番忙しい年代だったと思う。
値域とのお付き合い、、、学校行事への参加、、、お母さん同士の交流、、、
PTA、、、 どれもが苦痛だったが、避けては通れなかった。
本業であるピアノ講師の仕事も忙しかった。
息子達が地元の小学校に通っていたので口コミで生徒が増えていった。
髪を振り乱して、、、とまではいかないが、
「渋谷」や「青山」でショッピングを楽しむ余裕なんて無かった。
失われた10年。
いつだったか、、、隣で車を運転している祥子と「30代」をそう表現した事があったな。
信号が変わって、車が動き出すと同時に、
私の心の底にたまっていた澱が、、、その原因が何なのか判ったような気がした。
何故、あえて30代なの?
さっき、目の前を歩いていた派手な化粧をした、脚の長い娘が、助手席に座っていたのなら
まったく、、、しゅうも趣味が悪いわね。。。
と、苦笑いを浮かべて流せたかも知れない。
或いは、私と同世代、、、40代の「疲れた女性」なら、それはそれで許せるような気がした。
でも、30代!?中途半端な気がする。 
しゅうが男として「若さ」に惹かれるのなら20代の女性を選んで欲しい。
同じ年代を歩いてきた、同世代、40代の女性なら、女として共感出来る部分があるから
納得できそうな気がした。
もし、私がしゅうの浮気相手を問いつめたら場合、
20代の女性は
「嫌だなぁ、、そんなにムキにならないでよ。私だって遊びなんだからさぁ、、、
    旦那さんはお金も持っているし、彼氏って言うより「オジサマ」って感じなんだからぁ。
                    分かりました。お返しします」
人を食った口調でそう言うような気がする。 でも、その言葉に逆上するような気はしない。
40代の女性は
「ごめんなさい、、、
     家庭や子供達との事で色々あって、、、主人は仕事ばかりでアテにならなくて、、、
         おまけにセックスレスで、、、 もうお会いしません。約束します」
言い訳をたくさん並べ、低く頭を下げるような気がした。 
そんな彼女のことを「泥棒猫!」となじる気分にはならない。
むしろ優越感を伴った「同情」すら感じかも知れない。
でも、、、、
30代の女性は、独身既婚を問わず
「恋愛は自由なんじゃないですか?奥様には申し訳ないと思うけど、、、
          しゅうさんを放っておいた『妻側』にも責任があるんじゃないかしら? 
     彼が私と別れたい、、、って言うなら仕方ないとは思うけど。
          不倫だけど、大人同士なんだから、本人の意思を尊重すべきだと思うわ」
そう言いながら、煙草ケースからメンソールのタバコを取り出して火を付けそうな気がした。
冗談じゃないわ!
固く結んだ唇が微かに震えている。
 
 
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今日は、、、祥子で良かった。
これは本音だった。テープルに並んだこってりとした料理とは正反対に
あっさりとした性格の祥子で助かった。 
「ねぇ、、どうしたの? 話しなさいよ、、、水くさい!」
例えば、涼子のように好奇心旺盛の友人が一緒だったら、
私は爆発していたかも知れなかった。
帰りの車の中でも、不機嫌な様子を見せるワケでもなく
淡々と運転をし、時折言葉をかけてくれる、、、そんな気遣いをしてくる祥子がありがたかった。
もし、、、もし、祥子だったらどうするんだろう?
彼女には3つ年上のご主人が居た。
やはりファッション関係の仕事をしている人で、若い頃は美男子で素敵な人だった。
話も面白くて、さぞかし女性にもてるだろうなぁと、思っていた。
10年ほど前にバイクの事故で右足に大怪我を負い、後遺症が少し残ってしまった。
それでも、性格は変わらず明るかったが、運動をほとんどしなくなったこともあって
体重100キロを超す巨漢になってしまった今、あの「モテ男」の面影は無い。
あの人懐っこい笑顔からは「不倫」の匂いはしない、、、
でも、昔は随分、彼の女癖に祥子も辛い思いをしたはずだ。
私も一度、、、相談(と言うよりも、愚痴を聞かされた、、)された事があった。
涙を流すことろを見せない祥子が、目を腫らして「離婚するかも・・・・」
そうポツリと言った彼女の表情は忘れられない。
祥子に相談してみようか、、、、
「バカね!お店の女の子じゃないの?」
きっとそう笑い飛ばしてくるような気がした。
納得はできないかも知れないが、とりあえず、今日のこの不快感は解消されるように思えた。
「ねぇ、祥子、、、これからちょっと付き合ってくれる?」
「これから? いいよ、、、付き合うわよ」
「家は大丈夫なの?」
「ウチ!? ウチは平気よ。 なんなら夜中までだって付き合うよ」
「ありがとう、、、」
第三京浜を降りた私達は、246を右折し、そのまま渋谷に向かった。
「やっぱり、、、なんかあったんだな?」

祥子の口調は相変わらずだったが、その時の私にはぞんざいな口調がむしろ心地良かった。
「ウン、、、ちょっとね」
夕方の渋滞が始まったのか、車はなかなか進まない。
その時、、、
車がしゅうの事務所に近くを走っている事に気が付いた。
どうしよう?しゅうになんて言おう、、、

帰りは5時過ぎと伝えてあった。
そうだ! レッスンもあったんだ!

やはり、祥子の言う通り、今日の私はまともじゃないわね。
すっかり忘れていた。
時計はすでに4時を回っている。
私は携帯を取り出すと、まずは生徒に連絡を取った。
もしかしたら、学校帰りに直接来るかも知れない、、、 連絡が取れなかったらどうしよう?
そう心配したが、幸いな事に2人の生徒は携帯を持っていた。
電話で生徒にレッスンの振り替えを伝える。
生徒との電話を終えた私は、しゅうに連絡をしようとしばらく携帯のボタンを見つめていたが、、、
彼の声を聞いたら、なおさら混乱してしまいそうだった。
だから、携帯メールで
「祥子と夕ご飯を食べてから帰ります。10時頃かな。
                    レッスンはおやすみにしました」
とだけ連絡をした。
5分ほどすると、しゅうから返信が届いた。
「了解。楽しんできて。今日の俺は早帰りだよ」
最近、忙しいしゅうには珍しい。
海外、たしかニューヨークと言っていたが、
向こうの友人と共同でレストランを出店する計画を進めていて、
時差の関係もあって、夜遅くまで事務所に詰めている事が最近は多かった。
もしかしたら、、、罪滅ぼしのつもりかしら?
助手席に座っていた女性と食事を一緒に取って、
その後、どう過ごしたのだろう?
仕事の打ち合わせ? 仕入れ? 営業? 
いいえ、それはない。
もし、仕事関係の女性だったら、しゅうの性格からして私に言うに決まっている。
クラブの女の子と同伴することさえ私に話していくくらいなのだから。
以前、ゴルフに連れて行って、その後で食事、そしてお店へ同伴。
自宅に戻って延々とその話をされたときにはさすがの私もぶち切れた事があった。
しゅう曰く、「やましいことが無いからこうしてお前に話せるんだよ」
そのしゅうが、私との遭遇をおそれていたのだから、逆説的に考えて
「やましいこがあるから」という事になる。
あの後、2人はどこか静かな場所で親密な時間を過ごしたに違いなかった。
胸の奥が締め付けられる。
しゅうの心の中の罪悪感が、
    久しぶりに早く帰って私を外食にでも誘うつもりだったのかしら?

「こら! そんな怖い顔してたら、駄目だよ。 どんどんマイナス思考になるぞ」
祥子が大きな声を出した。
きっと、眉間にしわを寄せて、厳しい視線を流れる街並みに向けていたに違いなかった。
「ごめん、、、また考え事してた。」
「さっきのメール、、、しゅうちゃんからでしょ?」
「そう」
しゅうの事を「ちゃん」付けできるのは祥子だけだ。
「と言うことは、ランの悩みの原因はしゅうちゃんなんだ」
「そう・・・」
「なに? 浮気でもしてる?」
「そうかも・・・」
「まぁ、いい男だもんね。浮気の一つや二つはあるだろうな」
「そうね」
「それに、あんただって、年下の彼とよろしくやってるんでしょ?
     だったら、そんなに悩む事もないでしょうに、、、
         浮気なんて、一過性のモノ。精神的に離れていくなんて事はない、って
     そう言っていたのは、他ならぬアンタよ。」
「そうだったね」

以前、彼女には、なぎさとの付き合いの事を告白したことがあった。
彼女なら、きっと受け入れてくれると思ったからだが、その予想に間違いは無かった。
「へぇ~~~ ランもなかなかやるね。」そう言って、興味津々に私の話を聞いてくれた。
「こういっちゃお終いかも知れないけどさ、お互い様!って割り切っちゃったら?」
「・・・・・・・・・・・・」

「それに、、どうなの?アンタの勘違いって事はない?」
口調が少し尖ってきた。私のことを問いただすかのような厳しい口調だ。
「猜疑心を持ってしまうと、なにを見ても、、、怪しい!?って感じるようになる。
      今のアンタはそんな感じじゃないの?」
「そうかも」
祥子は相変わらずストレートにモノを言う。しかもどれも的を得ている。
口調もはっきりしていて、異論をはさむ余地もない。
「なによ! 『そう』しか言わないのね。 
   そこまで分かっているんなら、私が相談に乗る必要も無いじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
返す言葉が見つからない。
信号が赤になって車が停まった。
祥子がハンドル私の方を見ながら
「とは言え、、、ランにしては珍しいくらいに落ち込んでるね
                 なにか、確固たる証拠でも掴んじゃった?」
「確固たる証拠か?と聞かれると自信は無いけど、
                私の中では、確信に近いものがある」
「そう」
しゅうの車の助手席に乗っていたところを目撃しただけ。
たったそれだけの事だが、あれは「仕事上」の事じゃない!
確信があった。
証拠は無い。しかし、、、今までの結婚生活や、夫婦交際を進める上で
しゅうとした色々な話、彼の考え方、行動パターンを考えたとき、
ここ一ヶ月ほどの彼の行動、そして何より数日の間のらしくないやりとり。
あれは、「仕事上のパートナー」じゃない!
愛人。
女の勘ではなく、しゅうの妻として確信に近いものがあった。


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