スポンサーとかCMとか… | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

 今日は少々毛色の変わった記事になりますが、好奇心をそそられたので。

 宮原さんと宇野くんがJOCのシンボルアスリート陣に新たに加わるという情報を目にし、冬季五輪近づいたなーとひしひし。自分は海外なので、日本ではCMやその他広告で何がどれだけ宣伝され、それがどれだけ一般に浸透するものなのか全然実感できませんが、開催地の政治経済事情や国際関係が難しい状況の中、平昌五輪への期待が少しでも盛り上がるといいなあと思っています。

 で、そういや以前やはりシンボルアスリートだった(Wikiによると2013-14)羽生くんのスポンサー事情って今どうなってるんだろう…となり、検索をかけてみたところ…一番にヒットしたのがヤフー知恵袋の質問(2015年:リンクあえて省略w)。あの悪名高いヤフー知恵袋か〜、と半信半疑で覗いてみたところ、ベストアンサーに選ばれた回答が、のっけから「現在、羽生選手とスポンサー契約している企業はありません」と断言している!…悪い予感当たりすぎ…。しかも、その回答の根拠が、他選手の契約発表では「スポンサー」と明記されているの対し、羽生くんの契約発表では「サポート」とか「所属」という文言になっているから…ということで…。うぬぬ、これって単に回答者がこれらの用語の意味をちゃんと理解してないだけでは…?

 この回答の他、検索で上位ヒットしたブログ記事などにも納得できる内容のものがなく、もともと自分でもスポーツ選手のスポンサリングの形態だの企業所属だの意味だのをちゃんと把握していなかったし、羽生くんのことはさておき、これら疑問点を解消するいい機会だと思って本腰入れて調べてみることにしました。当ブログを読んでくださる大半の方達からはそんなことも知らなかったのー?と思われてしまいそうですが…汗

 で、一番参考になったのが、こちらの「スポーツ選手と広告契約について」という記事。スポーツ専門の弁護士さんによる説明なので、曖昧な点もシロートの思い込みによる決めつけもなし。とても分かりやすく書かれているので興味のある方は一読をお勧めします。

 読んでみて、さっそく目うろこだったのが、「スポーツ選手を広告に起用する場合、選手を支援するスポンサー契約とあわせて広告出演契約が結ばれることが少なくありません」という部分。逆に言えば、広告に出演しているからといってスポンサーとは限らない。スポンサー契約と広告出演契約は別物なのね。

 次に、スポンサー契約には「用具供給契約」「移動手段サポート」「金銭的サポート」など様々な形態があり、「所属選手契約」もその一つという部分。いきなり核心に触れた!

 「これはその企業の従業員ということではなく」、「企業が選手のスポンサーとなり、他方で選手はウェアなどに企業のロゴをつけて大会に出場し、また企業の広告などのプロモーション活動を行い、まだ新聞などに選手の名前が掲載される際には「〇〇選手(△△所属)」という肩書きが付されるというものです」

 ちなみに羽生くんの所属契約発表時の記事を発掘してみると…

 カナダ・トロントを拠点とする羽生は、航空券の提供はもちろん、競技に関わる費用は全額サポートを受ける。契約金を含めて1年3000万円(推定)相当の契約となり「ソチへの道は遠くて険しいと思うけど、しっかりと自分を持ち、サポートを受け止めて頑張っていきたい」と気合を入れた。


 というように、ANAとは所属選手契約内で移動手段のサポートなども明記されている模様。ファイテンや東京西川の場合、契約発表時にそれぞれ「アドバイザリー契約」「サポート契約」といった用語を用いていますが(ソースはこちらこちら)、これは「用具供給契約」というスポンサー契約。「アンバサダー契約」とか「サプライヤー契約」という名称も使われるようです。つまり、スポンサー契約にはさまざまな形態・名称があり、「スポンサー契約」とストレートに表現されていなくてもこれらはみんな「スポンサー契約」なんですってばw

 東京西川の場合、スポンサー契約と同時に広告出演契約の締結も発表されました。

 東京西川(西川産業株式会社)は、このたび、フィギュアスケートの羽生結弦選手とサポート契約を締結いたしました。〜中略〜
 また、羽生選手には、2015年3月19日㈭よりスタートいたします交通広告・ネット広告、そして、4月5日㈰より放映予定の東京西川の新ブランド「&Free(アンドフリー)」のTVCMにもご出演いただきます。これを皮切りに、今後、東京西川の様々な広告にご出演いただく予定です。


 一方、バスクリンは、契約時のプレスリリースから判断するに、スポンサー契約を伴わない広告出演契約オンリーのよう。

 株式会社バスクリンは、フィギュアスケート選手である羽生結弦選手(ANA所属)と入浴剤の広告出演契約を締結いたしましたのでお知らせします。
羽生選手の持つ“ひたむきさ”“誠実さ“が弊社の理念に合うこと、また弊社入浴剤を自身のコンディショニングをサポートする愛用品の一つとしていることから、同選手の快諾を得て、このたび入浴剤の広告出演契約を締結することとなりました。
同選手を起用した広告は順次掲出する予定です。


 P&Gの場合は、もともと

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社、本社:神戸市)は、P&Gグループが世界共通で行う2014年ソチ冬季オリンピック大会応援キャンペーン「ママの公式スポンサー」を12月より日本でも行います。また、そのキャンペーンの日本代表として男子フィギュアスケート ・髙橋大輔選手(※)と羽生結弦選手を起用することに決定いたしました。両選手は今後、P&Gの広告や各種プロモーションでの出演を予定しています。(出典:2013年10月プレスリリース

からスタートし、それが

 P&G(本社:神戸市)は、自社で運営するライフスタイルウェブサイト“マイレピ” ( http://www.myrepi.com/ )内にて男子フィギュアスケート・羽生結弦選手を起用した特別企画「YUZU DAYS」をプレオープンしました。この企画は、2014年ソチ冬季オリンピック時の「ママの公式スポンサー」キャンペーンにおいてアンバサダーに起用され、お母様との固い絆を披露してくださった羽生選手が、これまでの活躍を振り返る連載インタビューです。
 「YUZU DAYS」は現在、連載の第1回目として羽生選手が華麗な演技を披露してくれた「ファンタジー・オン・アイス2015 幕張公演」での感想やエピソードを公開しています。今後は毎月一回の更新で、マイレピ編集部だけに語ったスペシャルインタビューや撮り下ろし写真に加えて、羽生選手のサイン入り製品など素敵なプレゼントキャンペーンも実施予定です。第2回目の記事は7月31日より公開予定で“マイレピ”の会員限定コンテンツとして本格スタートいたします。
(出典:2015年7月プレスリリース

 に継続発展したという流れ。13〜14年のSAとしてのお仕事をきっかけに、15年、SAを外れた後もJOCスポンサーから個人的に広告出演オファーが来ている例だと思います。

 なお、こちらのスポーツコンサルティング業者さんのブログによると、スポンサー契約には3種あり、上記「所属契約」「用具供給契約」の他、「ウェアロゴ契約」というものも。特に面白かった部分がこちら。

余談ですが、フェデラー選手やシャラポワ選手の写真を検索すると、ナイキのロゴ(ウェアの刺繍)以外掲載されていません。これは、用品サービス使用契約を結んでいるナイキが選手に高額の契約金を払う代わりに「デザインを阻害するような他ロゴ掲載」を禁止していることに起因します。

 
 羽生くんのANAジャージがスッキリ爽やかなのはそのせい?かどうかはわかりませんが、あの潔いデザインに羽生くんxANAの強い絆を感じてしまうなあ。最も宣伝効果が高いスポンサー契約は、選手と共に常に名前が紹介される「所属契約」だということですね…。

 ちなみに、広告出演契約のひな型がこちら。広告媒体も細かく決められていて、マイレピ動画は「TV広告」はなくて「会員限定のネット配信」という契約なのかも…。あの眩しい羽生くんがお茶の間に流れないのはもったいないけど!そして同社アイスショー関連ポスターがなぜか未だに悲愴ちゃんなのも契約上の色々があるのかもしれないですねー(笑)