ギャザリングって何? | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

先日

京都のOSTというカフェ/バーで

Kyoto Weekday Gatheringという

パーティーを行いました。

 

各自手作りの食事を持ち寄って

ドリンクはお店に払うシステム。

僕はDJではなくレコード係で

ほぼかけっ放し。

そして、

持って来て頂いた食事を盛りつけたり

温めたりもしていました。

 

そもそも

元ブラン・ニュー・ヘビーズの

N'Dea Davenportが大阪のイベントに出演する際に

前乗りで僕の家に二晩泊まることになってたんです。

で、彼女が僕の京都の友達に会いたいと言い出して

やむなくw開催することになったんです。

 

彼女が来ることは明かさず(ゲストが来ることは書きましたけど)、

僕もDJじゃなくてかけっ放しですよと

告知しました。

手作りのサンドウィッチを持って行くとも。

 

そんなに必死に宣伝しなかったし、

そもそも告知期間も短かった。

 

それなのに大勢のお客さんに集まって頂き、

店のビールが全部売り切れるという大盛況っぷり。

パーティーは元々19時〜23時の予定が、

オーナーのコウジ君曰く

4時までやったと(僕は0時には帰りました)。

 

何人ものお客さんに「またやって欲しい」と声をかけられ、

僕も強い手応えを感じました。

 

考えてみれば

このパーティーには色々な成功の要素があったんです。

 

*入場無料

*フリー・フード(材料費かかりますが、皆どこかで晩ご飯食べる訳なんで実は負担は軽い)

*雑誌で取り上げられつつある"ギャザリング"を京都でも体験できる

*沖野修也が「歌も歌わない、DJもしないけどゲストが遊びに来る」って言ってるけど、誰やろ?的な好奇心をそそった

*沖野修也のお手製料理が食べられる(笑)

*沖野修也がまた変わったことを始めた・・・etc

 

告知や宣伝も大切なんですが、やる場所や企画って凄く大切ですよね?

 

今年から京都で始めた'Sunset Sunday'も建築+音楽ってコンセプトを打ち立て、

京都モダン・テラス(前川國男設計)でやるから人が集まった。

 

あ、ギャザリングの話でしたね。

このギャザリング、僕の知る範囲では雑誌ELLE A TABLEでプッシュされてるようなんですが、要するに持ち寄りのホーム・パーティーの進化版。

海外(アメリカ?)ではポット・ラックと呼ばれ、ホストに負担のかからないパーティーのスタイルとして定着しているそうなんです。

では何故名前が違うかと言うと、ただ食事を作るんじゃなくて、料理がビジュアル的にイケてて、食器にも凝る的な・・・。より、スタイリッシュな打ち出しをすることにで’ありあわせの持ち寄り'ではなく、新しいパーティーの形として定着させたいという仕掛人(編集者?それとも食品・調味料メーカー?)の意図が感じられます。

 

完全にインテリアへの関心の一般層への浸透以降のカルチャーですね。

 

実は僕、このELLE A TABLEが指す所の'ギャザリング'とは違う意味でこの言葉を随分前から使っています。

 

それは、僕がプロデュースする渋谷のThe Roomという老舗クラブを'タマリバ'と再定義したことがきっかけでした。

 

もう5年以上前のことです。有名人を観に行く、あるいは流行の曲で騒ぐ、みたいな現在の主流をクラブと呼ぶなら、そのカテゴリーにいたくないと、脱クラブ/タマリバ宣言を出したんです。そもそもクラブは音楽好きの溜まり場であり、クリエーターの社交の場であった。その原点に回帰するという意味も込めて・・・。

 

当時、将来的にはテンプラやフジヤマやサムライみたいに外国にも伝播しないな?と期待したんですが、全然広まりませんでしたね(苦笑)。

 

ただ、外国のDJやミュージシャンに「もうThe Roomはクラブじゃないんだよ」と言うと、「じゃ、何なの?」と訊かれるので、英訳して「Creative Gathering Space」になったんだと説明する際にギャザリングという言葉を使うようになったんです。

 

ただ単に集まるというよりも、その集まりから何かが産まれる?もしくは生み出す意思を込めてCreativeという形容詞を付けました。

 

で、また話を元に戻します。

ELLE A TABLEやOSTでの'ギャザリング'は僕が使っていた意味よりも、もっとカジュアルな感じですよね。

 

僕が主宰者で、人と人を紹介して繋いでいたんですが、

その内皆がそれぞれ近くにいる人と仲良くなっていて

気が付けば、

僕を介在しないコミュニケーションが成立してました。

 

っていうかカレーを温めたり、

皿を洗うのが忙しかったってのもありますが。

 

はっきり言って、

音楽すらもあまり皆気にしてなかった。

 

DJ必要ないやん!と思いました。

 

でも、旗振り役(それはDJという人種でDJという行為ではなかった)は必要なんだと思います。

 

ネットに世界中の優秀なDJのMIXが溢れ、

DOMMUNEやBOILER ROOMもあるから

もう平日に音楽好きは遊びに出ない・・・なんて声もよく耳にするんですが、

やっぱり誰かと話したり、知り合ったりしたいんですよ。人は。

 

インターネットの普及で

有名人への憧れや有名人のレコメンデーションの影響が

増幅されていると常々思う一方、

僕はOSTである発見をしました。

 

身の回りにも面白い人がいる

ということに皆気付いたんじゃないかな。

 

レコード回ってるの初めて見た!なんて人もいましたし。

 

TwitterもInstagramもそうじゃないですか?

テレビにも雑誌にも出てないけど、

いいこと言ってたり、

センスのいい画像をアップしてる人いません?

 

有名人の盲目的崇拝に冒されている人も多い中、

実は、SNSというツールが

埋もれた才能や能力を可視化するツールだということを

皆、もう忘れている。

 

ギャザリングには、そんなすぐ近くにいる興味深い人々と

繋がる喜びみないなものをもたらしたんじゃないかなぁと。

 

極端な話、格好いいヴァージョンの出会い系?

軟派なやつじゃなくて生活の質を向上するタイプのね。

 

またOSTで、このギャザリング、やってみようと思います。

東京でもいいかもね。