今回も、英文和訳をしてみましょう。

テーマは「習慣」です。

 

"Habit a second nature! Habit is ten times nature," the Duke of Wellington is said to have exclaimed; and the degree to which this is true no one probably can appreciate as well as one who is a veteran soldier himself. The daily drill and the years of discipline end by fashioning a man completely as to most of the possibilities of his conduct.

William James, Psychology, Briefer Course

 

●"Habit a second nature! Habit is ten times nature," the Duke of Wellington is said to have exclaimed;

 

"Habit a second nature! Habit is ten times nature,"は文法上正しく成立している文ではないことはすぐ理解できると思います。一文目が「習慣は第二の天性」と言っており、その次に「習慣は天性の十倍もある」と言っています。ということはこの二文は反対の内容を言っていますね。それを踏まえ、感嘆文に注意すると次のような感じになります。ある程度意訳してOKです。

 

「習慣が第二の天性だって?いや、習慣は天性の十倍も影響するのだ。」と,

君主ウェリントンは叫んだといわれている。

 

●and the degree to which this is true no one probably can appreciate as well as one who is a veteran soldier himself.

 

これも難しい文ですが、the degree to which this is trueでひとまとまりの名詞句。意味は「これが正しい度合い」=「この言がいかに正しいか」でよいでしょう。one who is a veteran soldier himselfは「自らベテランの兵士である者」。この文の主語はno oneで、目的語がthe degree to which this is trueだと捉えるのが無難。

 

「そしてこの言がいかに正しいかは、自らベテランの兵士である者ほどよく理解できる者はおそらくいないであろう。」

 

●The daily drill and the years of discipline end by fashioning a man completely as to most of the possibilities of his conduct.

 

主語はThe daily ~ disciplineで、動詞がend。fashionというのは「作り上げる/形作る」という意味です。as toは「〜について」で、ここではfashionする対象を示しています。

 

「日々の訓練と何年にもわたる克己は、最終的に人間がなすことのほとんどについて、その人を完全に形成するのである。」

 

 

訳をまとめると次のようになります。

「習慣が第二の天性だって?いや、習慣は天性の十倍も影響するのだ。」と,

君主ウェリントンは叫んだといわれている。そしてこの言がいかに正しいかは、自らベテランの兵士である者ほどよく理解できる者はおそらくいないであろう。日々の訓練と何年にもわたる克己は、最終的に人間がなすことのほとんどについて、その人を完全に形成するのである。

 

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成功のために必要なのは努力なのか才能なのか、といった議論はいろいろなところで見かけます。

 

たしかに、才能がどうしても必要な分野というのもあるでしょう。オリンピックに出場して世界を沸かせるような選手たちは、(もちろんものすごい努力もしているわけですが)才能を感じずにはいられません。しかし、学校の勉強や受験勉強レベルであれば、たとえ才能がなかったとしても努力次第で十分高いレベルまで到達できます。

世間では東大生は「天才たち」だと思われているかもしれません。でも、考えてみれば東大生は年間3,000人以上量産されているわけです。その全員が勉強の才能を持っているかというと、到底そうは思えないのです。もちろん中にはものすごく頭の良い人もいるのでしょうが、大抵の人は「他人よりすこし勉強が得意」という程度です。逆に言えばほとんどの人に勉強の才能なんてない(私もないです)わけですから、地道に努力すれば必ず大学合格の夢は果たすことができます。

 

上の文章で一番注目すべきなのは、The daily drill and the years of disciplineです。ただのdrillやdisciplineではダメで、daily(絶え間ない)、years of(長期間の)努力である必要があります。

一瞬だけ頑張る、というのは実力ではありません。長い間、緩むことなく努力していけること、それこそが真の実力です。受験勉強は長期戦なので気力を保つのが大変だと思いますが、それを乗り越えれば大きな実力がつきます。

継続は力なり、ですよ!

 

 

今回はここまでです。

 

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高校の力学で覚えなければいけないのは、冗談抜きで運動の3法則と運動方程式、あとせいぜい万有引力の式だけだと思っています。これさえ頭に入っていればどんな問題でも解けるはず。暗記で済ませようとすればするほど、面倒くさくてつまらない科目になってしまいます。

逆に暗記しないで解く癖がつけば、物理ほど楽な科目はないと思います。そういう意味で、大学受験で物理を選択する人には是非とも「暗記をしない」物理を学んで欲しいと思います。

 

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エネルギーが極小になる状態が実現する、というのは物理における超重要な考え方ですし、化学でもほぼ同様の考え方が通用します。

今日は、それを利用して問題を解いてみましょう。

 

【例題】

質量mのおもりと2mのおもりを長さRの軽くて固い棒でつないだ。これを、半径Rのなめらかな壁を持つ円筒容器に入れると、概ね次図のような位置で静止した。この位置を具体的に求めよ。

 

【解答】

上図のようにθを設定しましょう。棒の長さがRなので、上の図のように一辺Rの正三角形ができますね。

重力ポテンシャルの基準は、地面と水平で円筒の中心を通る位置にしましょう。すると、質量mのおもりのポテンシャルは

質量2mのおもりのポテンシャルは

です。これらの合計は、

となります。

θの関数として表されたこのポテンシャルが最小となれば良いので、cos(θ-φ)が最大になればOK。それはθ=φのときなので、

が問題の答えとなります。 ■

 

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このように、一見複雑な問題でも、「ポテンシャルが最小になる」と考えればとても簡単になります。物理現象を統一的に理解するというのは、受験勉強に話を限っても非常に重要なことなので、高校物理を学んでいく際にはこういう基本的なルールを予め頭に入れておくと効率が上がるかもしれません。

 

今回はここまでです。

 

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22時20分ころ追記

 

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物理における「安定性」

テーマ:

高校物理と、少し発展的な話をします。

物理現象を理解するうえではとても大切な内容です

 

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坂道に球をおくと、球は坂道を下る方向に運動を始めます。それはなぜか、と聞かれた時に、おそらくみなさんは

下る向きに力を受けるから

と答えることでしょう。これはもちろん正解です。ただ、この答えだけで全て説明できるわけではありません。

 

例として、ネックレスや電線のたるみ方を数式で表すことを考えましょう。実際のたるみ方は、概ね次のとおりです。

数式で表すと、

 

となることが知られています。(なお、これは懸垂線と呼ばれています。意味は文字どおりです。)

 

なぜこの式になるのか?という問いに答えるのは結構難しい問題です。

先ほど同様、

下向きに力(重力)がかかるから

と答えたいのですが、それだと

だったら別に放物線でもいいのでは?

という問いに答えられなくなってしまうのです。たしかに、放物線の形が実現しても、少なくとも見た目的にはなにもおかしくありません。

なぜ放物線でもなく半円でもなくcoshなのか。どうも、定性的な議論では答えを与えられないようです。

 

そこで、物理における重要な考え方が登場します。それはなにかというと、

物理で実現する平衡状態は、エネルギーが極小である

というものです。ここでいう平衡状態というのは、時間がたっても変化しない、という意味だと思っていてください。

たとえば上のネックレスの問題では、ネックレスの長さは一定なわけですが、たるみの形はいろいろ考えることができます。連続的に無限通り考えられるわけですが、その中でエネルギー(重力によるポテンシャル)が極小になっている曲線が存在し、それが上で示した

である、というわけです。

 

エネルギーが極小である曲線を求めるのは、高校数学では困難です。大学で物理を学ぶと、「変分」という考え方が登場します。細かい説明は難しいので省略しますが、簡単にいうと「曲線の形を少しずつ変えて、エネルギーが最小となる曲線を探し当てる」という手法です。

 

「エネルギーが極小」という条件から安定点を求めるのは物理では非常に便利で大切な手法です。化学でもほぼ同様の考え方を用いることができます。

※注意:ただし、化学では「エントロピー」も考慮しなければいけなくなります。興味があったら各自調べてみてください。

高校物理の問題でも、この「エネルギーが極小」の考え方を用いれば解決できるものがあります。次回、例題を見ていきましょう!

 

 

今回はここまでです。

 

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