微積分と物理 4

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今回は、簡単な電磁気の問題を微積分で考えてみましょう。

次のような回路を考えましょう。

 

はじめ、コンデンサは電荷Qを蓄えていたとしましょう。放電することで、電流I(t)が生じますね。電荷Qと電流Iはともに時刻tの函数となりますが、QとIの関係はどうなるでしょうか。いったんみなさんも考えてみてください。

 

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電流とは、単位時間あたりに流れる電流でした。たとえば1 Aの電流を1 秒間流したとしたら、電荷が1×1=1 C移動したことになります。この電流がコンデンサに出入りして電荷Qが変化します。したがって、電荷Qの時間変化が電流Iになるわけです!

ここでは、上図の矢印の向きの電流を正とします。すると、次のような式で表せます。

この数式の意味をすぐに理解できる人は、今後物理で微積分を活用していけばどんどん勉強がスマートになっていくと思います。ぱっと見で意味を理解できない人でも、じっくり考えて意味を理解しようとしてみてください。

 

次にコイルを考えましょう。コイルにはインダクタンスというものがあります。電流が増加すると、それを妨げる方向に起電力が発生するのです。

インダクタンスLのコイルに流れている電流をIとし、発生する逆向きの起電力をVとしましょう。すると、

となります。dをΔにした式なら、高校物理の教科書で見たことがあると思います。

 

このように、電磁気では微積分がたくさん現れます。こうした簡単な例だけでなく、たとえば古典電磁気学の一つの集大成であるMaxwell方程式なども微分を含んでいます。

 

物理で微積分を扱うということについて数回にわたって触れてきました。本当は微分方程式も扱いたいのですが、これはまた今度、独立したテーマとして紹介していこうと思います。

微積分を含んだ形式の方が数学的に取り扱う上で圧倒的に便利なので、ぜひ物理に微積分を取り入れてみてください。

興味がある人は、大学以降の物理の教科書を読んでみるといいと思います

 

 

今回はここまでです。

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微積分と物理 3

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今回は、単振動を微積分で理解していきましょう。

 

高校物理の教科書には単振動の公式というものが載っていて、例えば下のような形をしています。

 

 

高校物理を勉強したことがあれば、誰しも一度は見たことがあるでしょう。そして、これを頭に入れるのは結構苦労したはずです。

しかし、これも微分を使えばなんら苦労しません。暇な人は、次の練習問題をやってみましょう。

 

【問】

であらわされる単振動があったとする。位置と速度・加速度の関係を思い出して、速度vと加速度aを求めよ。

 

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以下解答です。

 

位置を時間で微分することで速度が得られ、さらにそれを時間微分することで加速度が得られるのでした。それにしたがってxを微分していきましょう。

 

(↑6/30朝 画像を直しました。すみませんでした)

 

このように、一見覚えるしかない公式も実は簡単な計算ですぐに導出できるのです。

これらの公式を覚えるのは大変ですし、覚え間違いという大きなリスクが伴います。一方上の方法は、(計算ミスはさておき)そうした危険は少ないのです。

 

単振動を微分で考えるというのは、大学に入って以降も大いに役立つことでしょう。

 

次回は直流回路を扱いたいと思います。どこに微積分が現れるんだ?と疑問に思っている人もいるかもしれません。お楽しみに。

 

 

今回はここまでです。

 

 

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微積分と物理 2

テーマ:

前回、位置と速度・加速度の関係を扱いました。微分・積分という演算によって結びついているのでしたね。

 物理の公式の多くは、実は自分で計算できるのです。今回から数回にわたってそれを考えていきましょう。

 

まずは斜方投射。物体を斜めに投げたときの運動はどうなるか、という問題はよく目にすると思います。

 

(軌道はもちろん放物線になりますね。)

 

さて、時刻0で物体を原点から初速度v0、角度θで投射したとしましょう。x座標、y座標を時間tの関数として表すとどうなるでしょうか。まず、自分の手で計算してみてください。

 

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以下積分を用いた答えです。

 

x座標

初速度はで、これは時間が経っても変化しないので、

となります。

 

 

y座標

初速度はで、重力が加わっているので、時刻tにおける速度のy成分は

となります。これを積分すればOKですね。

 

このように積分を使えば、公式を全く用いなくても簡単に問題を解くことができます

これくらいのレベルの問題なら、公式を使って求めるのと積分するのでは大して差がないかもしれませんが、状況が複雑になればなるほど微積分を用いた方が有利になります

 

次回は単振動を微積分で理解していこうと思います。だんだん便利さがわかってくることでしょう。

 

 

今回はここまでです。

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