「朝日新聞」2006.7.2付けより。

これを目にしたのは今月初めだった。その時にはよく理解できず、心にも留まらなかったことが、後になってから気になりだした。「仕事力」というコーナーで茂木健一郎氏が述べていた。この日のタイトルは「欠点は長所に、大化けする」だった。

欠点や苦手なことを意識すると、脳はそれを変えようと創造性が働きはじめるという。実に不思議なことで、にわかには信じがたい。そこで一つのエピソードがあった。

かつてスピードスケートで金メダルを取ったことのある清水宏保さんは、当然抜群の身体能力を持っている。そして、筋肉の一本一本まで自分でわかるし、制御できるようだ。

どうしてそこまでできるようになったかの大きな要因に、三歳頃から喘息で苦しんだことがあるらしい。いやでも自分の体の状況を気にしなくてはいけなくなる。ある部屋に入ると調子がおかしくなりそうだと感じとることができたのだ。

そして、自然と体の隅々まで神経を行き届かせ、コントロールできる術を身につけていたのだ。これが金メダルにもつながったという。

仕事にしても勉強でも、弱点、欠点がわからないうち、わかろうとしないうちは決して長所に大化けすることもないか。弱点があるからといって、いじけてる場合ではないのだ・・・ってことかな。

(それにしても、弱点や欠点が多すぎてそれを知ろうともしない・・・それが私の最大の弱点に見えてきたな)