「自己能力バージョンアップ58の方法」より

誰にでも多かれ少なかれ悔しい思い、腹が立つこと、許せないと思うことがあるにちがいない。でも、初めは大きかったその怒りが時間とともに風化してしまうことが多い。まあ、しょうがないか、というような気持ちになってきたりする。それを筆者は怒りのマグニチュードが徐々に落ちていくと表現している。

地震の大きさを表す単位を用いているところにちょっと新鮮さを感じる。初めは気持ちを激しく揺さぶったものもいつしか風化してしまうのだろう。

しかし、その怒りをエネルギーとして昇華させることができればいい仕事にもつながるのだ。諦めるまえにそれをエネルギーに転換してみよう。

場合によっては素晴らしい詩や小説になるかもしれない。芸術作品が生まれるかもしれないのだから。

私が若い頃むさぼり読んでいた、推理作家の森村誠一氏は怨念の小説家とも言われていた。彼は大学卒業後、本来自分には向いていないと思ったホテルマンという仕事に就いて貴重な一時期を過ごしてしまったと言っている。そのことに対して怨念を抱いていたのだ。

できれば、会社という組織の歯車でなくほかの人には代行できないような自分だけの独自の仕事をしたいと願っていたという。その思いの強さが人気作家としての地位を築いたとも言えそうだ。

まあ、怒りなんてなければないで、それなりに幸せかもしれませんがね・・・