有職故実 YUSOKU KOJITSU

装束司の日々 装束や神具の製作工程や、神社や神道についての諸々装束司としての視点で、日本文化の良さを知ってもらう「きっかけ」を提案してゆきます


テーマ:
10日程前、過去に教わった話が蘇ることがありました。


5年前に遡るのですが、舞台衣装を手掛けた時の話です。
能楽師、狂言師の方々と3年間舞台を通じてご一緒する
ことがあり、色々お話を聞かせて頂きました。


能、狂言では演者の所作や動きは極端に抑えられ
舞台も松の絵が描かれた3間 (5.4m) 四方の板間でのみ
行われる。敢えて制限を持たせている。


演者は動きに制限がある中で最大限に表現を試みるし
また、鑑賞する側も最大限に想像力を働かせてゆかないと
話の筋すら理解出来ない。
互いに想像力がなければ成り立たない。


ヨーロッパのオペラなどと対局にあり、全てにおいて
いい意味での縛りを活かし、研ぎ澄まされた美意識を
表現するのが日本の舞台と言われました。


もともと屋外で行われてきた事にも起因しているとは
思うのですが、簡素であるが故に成し得た美意識かも
しれません。






10日程前に、ある催しに協力させて頂きました。

「うつろひ草子」

夕暮れの陽の灯りから、闇夜に灯る和ろうそくの
灯りに移りゆく僅かなひと時を、文化や芸能に趣く
ことを体現して頂くという企画です。





私の手掛けた装束(狩衣)などを会場に設え、
笙の演奏を聴いて頂くという事を来場者の方々と
共有するものでした。


作り手側からすると、糸の色目や文様を吟味して
作り上げた装束なので、明るい場所で細部まで観て頂くのも
希望としてはありますが、装束の誕生は今から約1200年ほど
前です、勿論その頃に電気の照明器具などは存在もせず、
夜はろうそくや灯明の灯りのもとで装束は観られていたはずです。

寧ろ、ろうそくなどの灯りで観るほうが自然なのです。





この日は笙の演奏も和ろうそくの灯りのもとで
奏でて頂いたのですが、和ろうそくの仄かな明るさは
いい意味で視覚に縛りを設け、聴くことに集中すること
を可能にして普段とは違う感覚を感じて頂けたようです。


制限を設けることで、人はそれを補おうとあらゆる感覚を
駆使して、想像力を働かせることを身を持って経験出来ました。



最後に、ご参加頂いた皆様に改めて感謝を申し上げますと
共に、今後も日本の伝統美に触れて頂きたく存じます。

また、企画全てに携わられた Terminal81 宮下直樹氏、
笙の演奏を披露して頂いた井原季子氏
主催並びに素晴らしい場をご提供頂いた有斐斎 弘道館の皆々様、

皆様のご協力無くしては叶わなかった機会を頂けて感謝申し上げます。









掲載写真はすべて、Terminal 宮下直樹氏撮影によるものです。

うつろひ草子詳細

有斐斎 弘道館ホームページ

宮下直樹氏 terminal 81


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