満昌寺へ行く | 湘南雑筆堂~本と美味いもん日記~

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湘南(?)に暮らし30年近く経ちます。30年も住んでいると、いろんな発見をするもんです。 
 そんなちょっとした湘南の発見を自分の読んだ本に絡めて皆様にお伝えできればなと思います。
 


11月2日~3日にかけて、

満昌寺(横須賀市大矢部)にて文化財が特別公開されました。

TS384238.JPG


ここのお寺は三浦一族ゆかりのお寺。

以前から一度足を運びたいと思っており、

よい機会だったので、なんとか時間を作って行ってきました。

拝観料100円を支払って本堂へ。

鎌倉や京都の有名なお寺のお宝を観ることはあっても

地元のお寺のお宝を観るなんて初めての経験、

なんか新鮮な気分です。

ちょうど拝観者が7~8名訪れていたので、

住職さんらしき方が文化財に関しての説明をしておりました。

満昌寺1194年衣笠城で戦死した

三浦大介義明を弔うために源頼朝が建立したものです。

その後、火事や震災で4度建て直されたとか。

本堂には災害のたびに住職が持ち出し

代々受け継いできた

本尊・宝冠釈迦如来坐像(市重文・南北朝時代の作品)




安置されていました。

また、平成20年市重要文化財指定を受け、

今回の特別公開の契機となった襖絵も目を引きました。

荘厳な姿の龍や山水画などが描かれた襖絵は、

幕末期の狩野派系の作例だなんて聞くと

歴史を感じずにはいられませんよね。

様々な展示物に思いを馳せ、

本堂横の階段を上り



次にむかったのが宝物殿

こちらに僕が一番みたかったお宝

「三浦大介義明坐像」国重文)が展示されています。


三浦大介義明とは1180年源頼朝が挙兵した時の衣笠城の主

頼朝を助けるべく石橋山に援軍を送ったが、

頼朝は敗走し海路房総へ脱出、三浦勢は衣笠城へ引き返すが、

畠山重忠らの数千騎の軍勢に囲まれてしまいます。

義明頼朝再起の望みを残りの一族らに託し

自らは衣笠城に残り最後を迎えた人。

この大介義明のエピソードが鎌倉幕府樹立後

三浦一族が優遇される一因になっています。


さてさて、その義明の坐像とご対面です。

今まで本でしかみることができなかった坐像と出会え感無量です。


「~写実性の高い名品で、頭が大きく、

表情は癇癖を思わせるほどにきびしい。

が、どこかを突けば大笑いしそうな

精神のみずみずしさも持っていそうである」と、


司馬遼太郎氏

ワイド版 街道をゆく〈42〉三浦半島記/司馬 遼太郎
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で述べています。

同書に掲載されている写真ではかなり大きいようにイメージされましたが、

97.5センチと大介のわりに小柄でしたよ。

宝物殿の裏手には義明の墓もあります。






三浦一族周辺の知識を得ると

義経〈上〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
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も、また違った角度からとらえられて楽しめそうです。
周囲には三浦一族ゆかりの寺社が散在しております。

ご興味ある方、「三浦一族興亡の地・衣笠」の散策にいらして下さいね~。



●湘南雑筆堂~衣笠周辺の記事~

 ・衣笠山公園~三浦大介義明~

 ・衣笠山公園へ行ってきました。

 ・阿部倉温泉 湯ノ沢旅館

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 ・うな萩~横須賀の小さな箱根~


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