11月2日~3日にかけて、
満昌寺(横須賀市大矢部)にて文化財が特別公開されました。
ここのお寺は三浦一族ゆかりのお寺。
以前から一度足を運びたいと思っており、
よい機会だったので、なんとか時間を作って行ってきました。
拝観料100円を支払って本堂へ。
鎌倉や京都の有名なお寺のお宝を観ることはあっても
地元のお寺のお宝を観るなんて初めての経験、
なんか新鮮な気分です。
ちょうど拝観者が7~8名訪れていたので、
住職さんらしき方が文化財に関しての説明をしておりました。
満昌寺は1194年に衣笠城で戦死した
三浦大介義明を弔うために源頼朝が建立したものです。
その後、火事や震災で4度建て直されたとか。
本堂には災害のたびに住職が持ち出し
代々受け継いできた
本尊・宝冠釈迦如来坐像(市重文・南北朝時代の作品)が
安置されていました。
また、平成20年市重要文化財指定を受け、
今回の特別公開の契機となった襖絵も目を引きました。
荘厳な姿の龍や山水画などが描かれた襖絵は、
幕末期の狩野派系の作例だなんて聞くと
歴史を感じずにはいられませんよね。
様々な展示物に思いを馳せ、
本堂横の階段を上り
次にむかったのが宝物殿、
こちらに僕が一番みたかったお宝
「三浦大介義明坐像」(国重文)が展示されています。
三浦大介義明とは1180年源頼朝が挙兵した時の衣笠城の主、
頼朝を助けるべく石橋山に援軍を送ったが、
頼朝は敗走し海路房総へ脱出、三浦勢は衣笠城へ引き返すが、
畠山重忠らの数千騎の軍勢に囲まれてしまいます。
義明は頼朝再起の望みを残りの一族らに託し
自らは衣笠城に残り最後を迎えた人。
この大介義明のエピソードが鎌倉幕府樹立後に
三浦一族が優遇される一因になっています。
さてさて、その義明の坐像とご対面です。
今まで本でしかみることができなかった坐像と出会え感無量です。
「~写実性の高い名品で、頭が大きく、
表情は癇癖を思わせるほどにきびしい。
が、どこかを突けば大笑いしそうな
精神のみずみずしさも持っていそうである」と、
司馬遼太郎氏も
- ワイド版 街道をゆく〈42〉三浦半島記/司馬 遼太郎
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で述べています。
同書に掲載されている写真ではかなり大きいようにイメージされましたが、
97.5センチと大介のわりに小柄でしたよ。
宝物殿の裏手には義明の墓もあります。
- 義経〈上〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
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も、また違った角度からとらえられて楽しめそうです。
周囲には三浦一族ゆかりの寺社が散在しております。
ご興味ある方、「三浦一族興亡の地・衣笠」の散策にいらして下さいね~。
●湘南雑筆堂~衣笠周辺の記事~