有馬温泉一帯では地下深くまで岩盤が割れており、その割れ目を通って温泉水が噴出している構造。泉質は場所によって異なり、金泉と銀泉からなる。
「陶泉 御所坊」の湯は、金泉と呼ばれる湯だ。塩分と鉄分を多く含み、褐色をしている。
湯に入った感じは、ひじょうに体がポカポカと温まり、血液の循環がよくなってくるのがわかる。また、肌がすべすべになる。
夕食は仲居さんが部屋まで運んできてくれるが、その夕食前に館内の「サロン ロシオダプラッタ」で食前酒のサービスがある。
このサロンは、チークと松の木で作られた寄木細工の床があったりと、ひじょうに趣のある部屋だ。
食前酒にスパークリングワインをいただいた。黒豆のタルトが添えてある。これがまた美味しい。
ここであまり食べすぎると、つぎの夕食が食べられなくなる(笑)。
また、このサロンには多くの本が書棚に並べられている。その中でスペインの無敵艦隊とイギリス艦隊の戦闘について書かれた本があったので、ついつい読みふけってしまった。
圧倒的に強力なスペインの無敵艦隊が、新興国のイギリス艦隊にどうして敗れたのかがよくわかった。
それはそうと、これから夕食。部屋に帰るとしよう。
しばらくすると、仲居さんが夕食をもってやってきた。
まずは、前菜。なかなか薄味で食べやすくヘルシーだ。
そして、お造り。新鮮な魚だ。
鱧と松茸のお吸い物。松茸の香りがいい。
そして、和牛を使ったあわじ焼き。淡路産のたまねぎが引き詰められている。
淡路産のたまねぎは、甘味があって美味しい。
つぎに出てきたのが、蓮根饅頭。蓮根をすりおろしたものを練って饅頭にしている。いい味付けだ。
ご飯は、雑炊にしてもらった。先ほどの淡路焼きの際に出た出汁を使っているので、ひじょうにコクがある。
デザートは、プリンに、塩アイス、それに柿、葡萄、梨といった果物。塩アイスの塩は、温泉の湯から取れた塩が使われており、ミネラル分が豊富に含まれている。
全体的に塩分控えめの薄味でヘルシーだ。それでいて、コクがあって美味しい。
ひじょうに満足感の高い夕食であった。
小一時間ほど休んで、また湯に浸かってくるとしよう。極楽、ごくらく、・・・。
そして、つぎの日の朝食は、8時からお願いしておいた。やはり仲居さんが部屋に持ってきてくれる。
これも朝湯に浸かったあとにいただくと、ひじょうにゴクラク。
朝食は、夕食と違い一気に配膳してくれる。こうしてみると、かなり豪華だ。
湯豆腐にとろろ昆布、サラダに茶わん蒸し、味噌汁、海苔、鮭、ひろずの餡かけに梅干し、ジュースなど・・。
これもすべて薄味で食べやすい。ヘルシーでしかも美味しい味付けは、さすがだ。
これも、有馬温泉で一番古く、伝統のある温泉宿のあかしといえるだろう。