人口減少に対して負のフィードバックはあるのか | 少子化対策を考えるブログ

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勉強しながら対策案を考えます。

今日はこんなコラムです。

人手不足が変える会社と社会 --- 常見 陽平

コラムの中身はそれほど突っ込んだものではありません。かいつまんで大事なところを書くと、少子化で「人手不足」があちこちの地域や業種で進んでいますが、人手不足の時代においては、職場を魅力的なものにしなければ人材を獲得できないということが、今後の中長期的な動きなのではないか、というものです。

今日はそこからさらに考えてみました。

しばしば少子化について話題になるのは、「人口が減ったって別にいいじゃないか」というものです。

食糧自給率が低いこの国で1億2千万人が適正な人口かどうかは議論の余地があると思います。1億人くらいまで減っても、おそらく大きな問題ではないだろうと思います。

しかし、それ以下になると、どうなんでしょう。私にはよくわかりません。

それ以上に問題なのが、適正な人口がもう少し低いレベルにあったとして、そこで安定するのか、ということです。

「人口が減ったって別にいいじゃないか」と考える人々は、暗に「下がったとしてもどこかで人口は安定するだろう」と思っているのではないかということです。

そのためには、負のフィードバックがかかる必要があります。人口が多い場合は人口増加を抑制するような力がはたらき、人口が少ない場合は人口減少を抑制するような力がはたらきます。こういう、安定化させる方向にはたらく力を負のフィードバックといいます。

自然界で生きている生物では、人口の維持に負のフィードバックがはたらくことが多いです。

が、人間の場合はどうでしょうか。

先進国での少子化の根本的な原因は、教育にかかるコストが高いことにあります。

「人口が少なくなったら教育にかかるコストが安くなる」ような力がはたらくようになれば、負のフィードバックということになるのですが、そのような要素はないように思います。先進国は先進国のまま没落し、人口を維持するような要素があるようには思えません。

今日のコラムで話題になっている「人手不足」は、少子化に関して負のフィードバックとなり得る数少ない要素です。「人手不足」により労働者の待遇が改善するならば、教育にかかるコストが高いとしても、個々の世帯の所得が上がれば克服が可能です。

が、これは人口が縮小して人手不足が起こっても経済成長が維持されることが前提だろうと思います。「人手不足」が起こっても、経済が縮小するようでは、結局教育へのコスト高が少子化を持続させるように思います。

やはり、自然に少子化が解決するということはないのではないでしょうか。思い切った対策を打たなければ状況は改善しないように思います。





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