パコと魔法の絵本 | 空想俳人日記

パコと魔法の絵本

蛙チョコ ゲロゲ~ロ作る 工場かな



 げろげーろ、で思い出したのは、漫才師の青空球児・好児、だったっけ。今どうしちゃったかな。決してキレイなギャグじゃなかったよな。えっ、なんですって? 球児の方が2003年に世田谷区議会議員に立候補し当選したんですって。へえ、知らなかった。
 とりあえず、この映画と関係ないね。でも、結構シンプルかつ安易な物語構成なもんだから、絵や音などの効果が際立っちゃって、奥行きのない役所さん演じる絵本の語り部としての「げろげーろ」も際だっちゃってましたが、これも、極彩色な背景とオーバーなメイクと衣装で、すべてが御伽の世界とすれば、単純なお涙頂戴もそれこそ中島製箱庭世界だと思えば、そのユニーク性と、映像への拘り、そのエンターテイメントに許せちゃうんだよね。
 確かに役所広司演じるガマ王子役の大貫と一晩で記憶が持たないパコ(アヤカ・ウィルソン)との美しき関係もいいし。それを中心として総天然色なる舞台が作られ、 たくさんの役者さんによる、沼エビの魔女やサカナ君やミズスマシ君、ガマ姫にタニシなどの役者さんが出来上がっていく。うんうん、面白い。
 そんな中、個人的にもっとも惹かれたのは、名子役が泣かず飛ばずになっちゃった室町だよね。これ、妻夫木聡なんだ。あは、凄い凄い。結局ザリガニ魔人を引き受けるんだよね。そして、その相棒、室町くんのファンだった看護師タマ子の土屋アンナだよね。そう、彼女がさらに演じるのは、あは、メダカちゃん。いいよね、この二人。テレビで一億総白痴化になった日本人のイチバンの共感がここにあるよね。もう、見てて、「妻夫木くん頑張れ」とは思わないけど、室町くん頑張れ、ザリガニ魔人を全うするんだ、ほらメダカちゃんであるタマ子一人のためにも。そう思っちゃった。いやあ、こっちが主題と違うん? 違うか。
 そうそう、語り部といえば、ヤゴの堀米、阿部サダヲだね。彼は・・・、それこそ、まあいいか。仕方がないよね、必要な存在。それにしても、タニシを演じたこの病院の唯一の医者、浅野を演じた上川隆也。いやあ、こういう役やれるんだ。いや、やるべきだ。うん、これからに期待。
 あと、教えて欲しいのは、中島哲也監督作品には、「嫌われ松子の一生」でも顔出してた木村カエラは必須になるの? いや、ダメ! ということじゃなく、もっと中に入れてよ。もう、彼女、主人公抜擢なる役者で使っちゃってよ、あと少しティム・バートン的情感というか心の襞を揺さぶる魂を映像に注ぎ込むとともに。絶対に、ぞぞけると思うから。いつか、ヘレナ・ボナム・カーター的な伴侶になるってば。あはは~。
 以上、「パコと魔法の絵本」の感想、おしまい。





パコと魔法の絵本 (2008)

【監督】中島哲也
【出演】役所広司 / アヤカ・ウィルソン / 妻夫木聡 / 土屋アンナ / 阿部サダヲ / 加瀬亮 / 小池栄子 / 劇団ひとり / 山内圭哉 / 國村隼 / 上川隆也


★★★★★ [100点]「蛙チョコ ゲロゲ~ロ作る 工場かな」

教えて欲しいのは、中島哲也監督作品には、「嫌われ松子の一生」でも顔出してた木村カエラは必須になるの? いや、ダメ! ということじゃなく、もっと中に入れてよ。もう、彼女、主人公抜擢なる役者で使っちゃってよ、あと少しティム・バートン的情感というか心の襞を揺さぶる魂を映像に注ぎ込むとともに。絶対に、ぞぞけると思うから。いつか、ヘレナ・ボナム・カーター的な伴侶になるってば。あはは~。

Posted by 裏木戸楽子 on 2008/10/04 with 映画生活

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