2006-11-13 12:24:54

手紙

テーマ:映画

言の葉を 重ね合わせる 合掌かな 



 いや、別に沢尻エリカが出演するからといって観に行ったわけではありませぬ。もし、そうなれば、おそらくプロダクションが「今が売れ時、売り込み時」と判断して、特に、この2006年などは、「間宮兄弟」「シュガー&スパイス~風味絶佳~」「オトシモノ」「天使の卵」、そして、この「手紙」と、目白押し。たくさんの作品に出るのはいいけど、役作りの時間、大丈夫? そう思えてなりませぬ。
 いやいや、そんなことより、「手紙」を観たのは、彼女が出演しているからではありませぬ。なんせ、「間宮兄弟」「シュガー&スパイス~風味絶佳~」「オトシモノ」「天使の卵」は興味はござりません。んんん、「天使の卵」は原作から、ちょいと気にはなっておりはしますが。まあ、いいでしょう。
 確かに「パッチギ!」や「阿修羅城の瞳」「SHINOBI -忍- 」とかや、なんてったってテレビですけど「1リットルの涙」、メチャ良かったけど、とにかく、そうじゃなく、この映画を観たのは、手紙というモチーフ、ひとえにそれに惹かれたのでありまするぞ。念のため。
 手紙といえば、今時、誰が書きますか。もちろん、インターネットでのメールというものはありますね。でも、このメール、もともとあった手紙の要素と電話の要素、この相反する通信媒体の両方を含んでおりますね。私なんぞ、電話は暴力だと思っておりますので、電話の替わりにメール、というのはよろしいんじゃないでしょうか。でも、かつての手紙の替わりにメール、そういう人もおりましょう。でも、「ユー・ガッタ・メール」なる映画の感覚、いわゆるラブレターの簡易版では困りますね。
 この映画は手紙を通して、人間の存在の不安、さらには、生きる上での存在の基盤、そうしたものに突き刺さる、単にコミュニケーションのメディアではない、私たちの「何故、私たちは生きているのか」に大きく関わる拠り所ですね。
 手紙がもたらす波紋。ひとつは、山田孝之演じる弟の武島直貴と刑務所にいる兄(玉山鉄二演じる)武島剛志との文通。伏線には、武島剛志が被害者の家族へ一方的に送る手紙。
 メインの手紙の重要なターニングポイントは、弟が手紙を出さなくなった後も交わされる文通。そのターニングポイントの象徴的なシーン、弟が手紙を破り歩道橋から放り投げる場面で、沢尻エリカ演じる白石由美子が行き交う車構わず車道に飛び出し破られた手紙の紙片を夢中で拾います。彼女は、弟の代わりに弟に成りすましてパソコンで手紙を書き、兄武島剛志と文通を続けます。別の場面での彼女の台詞「負けたらあかん。どんな目に遭うても真っ直ぐに進むんや」がより勇気づけてくれますねえ。
 そして手紙といえば、メインと伏線のほかに、もう一つの手紙、一通だけの手紙が挙げられます。絶えず殺人者の弟ということで仕事場を追いやられる武島直貴に、由美子は最後の職場であろう会社のトップに一通の手紙を出します。その会社の中でも配置換えをさせられた武島直貴に杉浦直樹演じるその会社の会長が会いに行きます。台詞「ここから始めるんだ。少しずつ少しずつ」が胸にしみるとともに、その始まりの絆、直貴に対する由美子の絆に、私たちは切なくも強い愛を感じざるを得ません。でも、ちょっとだけ、その会社って、ケーズ電機? ううん、架空の電機チェーン店にして欲しかったですなあ。
 ところで蛇足ですが、沢尻エリカってメイクなんかしないほうが、スッピンのお顔の方がうんときれい、美しいですよ。「沢尻さんは、頑張ってもぶさいくにはならない」という監督のお言葉にも、おおお、納得です。
 さて、絆でいえば、最後の方の刑務所での慰問お笑いライブは、実に見事です。弟の兄に対するたたみ掛けるようなアドリブによる意志の伝達、ほんとに素晴らしく感動的な場面ですね。 兄武島剛志役の玉山鉄二の、合掌しながら鼻水垂らして泣くシーンに、私ももらい泣きの、さらにもらい鼻水垂らし。
 いい映画を観させていただきました。私も思わず合掌です。



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コメント

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18 ■goma様

.映画見た後原作読んでみましたが、弟の最終的な生き方の解釈が全然違って、それがまたリアルで二度楽しめました。

そうなんですか、ボクは原作読んでないから分からないけど、いわゆる一粒で二度おいしい、ですね。

17 ■いい映画でしたね~。

ストーリー的には昨年見た中ではもっともぐっときた映画でした。沢尻ちゃんもいつ見ても憧れるフェイスをしてますよねぇ。

映画見た後原作読んでみましたが、弟の最終的な生き方の解釈が全然違って、それがまたリアルで二度楽しめました。

映画のラストはあれやばいですねぇ。お兄さんを見付けたときにはもう私も鼻水と涙でいっぱいでした。

16 ■TATSUYA様

>小田和正の『言葉にできない』

はいはい、私もこの曲、以前から知っておりますが、こういう使い方かア、やられたなあ、そう思いました。まことにうまいです。

15 ■たかだ様

>私は、原作を先に読んでしまったので、ちょっと物足りないかな?と思いました。

すいません、私は原作を読んでいないので。ただ、先に読んでしまったので・・・、という思いは、例え、他の作品であったとしても、私にはありません。

14 ■言葉にできない。

達也です。
梅田のブルク7で観て来ました。
ラスト近くで刑務所の慰問漫才シーンに
流れる小田和正の『言葉にできない』には、
やられました。涙腺のダム、崩壊です。
場内、すすり泣きの嵐 !
途中の中だるみ感と、漫才のレベルが関西人
としては納得できないところですが、
言葉の意味をあらためて感じさせてた、
良い映画です。

@ トラバさせてくださいね。

13 ■う~~~~ん

私は、原作を先に読んでしまったので、ちょっと物足りないかな?と思いました。
まぁ、原作は原作、映画は映画として楽しめばいいのですが。
(ラストでの受け取り方が微妙に違いますね)

なんだか現実的にも起きそうな出来事ですね。

兄が被害者の家族に出した手紙の一文
「私は、手紙など出してはいけなかったのです。」には、胸が詰まる思いでした。

12 ■まるみん様

>ちゃうちゃう、役名は、武島剛志のほう。

ご指摘ありがとうございました。修正いたしました。

11 ■泣けた

shisyunへ

スクリーンに目を向けているだけで泣けて来る映画だった。
同じ「手紙」というテーマを扱っておるのに、「イルマーレ」ではこれほど泣けなかった。
「イルマーレ」は、ストレート過ぎるんかなあ。
「手紙」は、ぐっと堪える感じが良かった。
由美子の態度を見て、コープス・ブライドの強引な花嫁を思い出したのは私だけ?
強引なアプローチにもかかわらず、直貴の恋路を静かに見守ったという点で。

> 刑務所にいる兄(武島剛志演じる)玉山鉄二との文通。

> 兄玉山鉄二役の武島剛志の、合掌しながら鼻水垂らして泣くシーンに、私ももらい泣きの、

ちゃうちゃう、役名は、武島剛志のほう。

あと、ずいぶん前から、投稿詩のページがひどく荒らされておる。
クリックしてないけど、アクセスするだけでスパイウェアを勝手にインストールする悪質なサイトも中にはあるので、管理人としては何か対策を取ったほうがいいと思う。
やはり、CGIの吐き出し先を変更するのが一番いいと思うが。

10 ■にら様

コメントありがとうです。

>今作をネタに、ふざけた記事を書いてすみません。

いや、けっしてふざけているとは思いませんよ。ああいう記事が書けるのは、映画が大好きだから、自分なりの素晴らしいオリジナルな文章になるんだと思います。私だって、結構、おふざけしますけど、好きだから、なんです。

9 ■とんちゃん様

コメントありがと。

>この作品では東京にいっていきなり垢抜けないで、眼鏡におさげ頭でいてほしかった気も^^

あ、これ、私も思った。ずっとスッピンでもいけてるから、眼鏡におさげ頭で、ずっといってほしかったねえ。

8 ■ノラネコ様

コメントありがと。

>どうにもイカリシンジ君系の後向き過ぎの主人公に共感できず。

確かに客観的に観ると、そうかもしれませんが、もしですよ、主観、ようは、同じ境遇になれば、後ろ向き、いたしかたがない、そうも思います。主人公みたいな実際の人と、そういう人を取りまく、どうしようもない社会って、ありますよ。

7 ■ここ様

コメントありがとう。

>沢尻エリカは確かに可愛かった~。関西弁以外は(^▽^;)

えっ? 関西弁、あかんかったのお?

6 ■trichoptera様

コメントありがとう。

>最後はなみだ、なみだでした。

いやあ、同感です。涙と鼻水です。

5 ■すみません

今作をネタに、ふざけた記事を書いてすみません。
そんな記事にTBして頂いたのに、お礼が遅れてすみません。

そして、そんなふざけた記事をTBしてすみません。

4 ■こんばんは~♪

TB有難うございました。
私は玉鉄の最後のあの涙にやられました。
拝むようにして、泣いていました。
思い出しても泣けます。
沢尻エリカは女の私から観てもめっちゃ可愛いです。
この作品では東京にいっていきなり垢抜けないで、眼鏡におさげ頭でいてほしかった気も^^

3 ■こんばんは

TBどうもです。
とても良い映画だと思うのですが、どうにもイカリシンジ君系の後向き過ぎの主人公に共感できず。
彼のまわりの人々の暖かさに感動はするものの、泣くまでには至りませんでした。

2 ■はじめまして

手紙でヒットしました。
感動でした。
沢尻エリカは確かに可愛かった~。関西弁以外は(^▽^;)
もう一回観たいです。

1 ■TBありがとうございました。

手紙は書いた人の字のクセや、大きさや、文字以上の思いも伝わるものなので、この映画が“手紙”だったのがとてもよかったです。
最後はなみだ、なみだでした。

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