2005-09-18 07:38:49

ネバーランド

テーマ:映画

ない世界 あると思えば いないいないばあ 



 「チャーリーとチョコレート工場」のチャーリーで思い出しちゃった。


 もちろん、この映画は、ピーターパンの原作者バリーを演ずるジョニー・デップの映画だとは思う。「シザーハンズ」や「エドウッド」も面白かったけど、でも、ここで語りたいのは、彼の作品群ではない。
 では、監督のマーク・フォスター。私はよく知らない。真面目で大人しい人?
 あの「タイタニック」のケイト・ウィンスレットが出てた。
 それから「華氏451」のジュリア・クリスティ。へええ。
 そうそう、それと、この人は知ってるわよね、ダスティン・ホフマン。いい役者だもんねえ。「真夜中のカーボーイ」や「レニー・ブルース」、それから「クレイマー、クレイマー」「トッツィー」も面白かったし、「パピヨン」最高。「レインマン」はみんな泣いたかな。



ええい、そんな役者の話がしたいわけじゃないのよ。真面目で地味な映画かもしれない。ひょっとかすると、あんまし語り継がれない作品かもしれない。
 でも、クライマックスのファンタジーな世界を凝視してたら、目の前の焦点がボケてきちゃった。なんのことはない、類殿があっという間に開いてしまったわけ。その瞬間は、現実。とともに、あっという間に、閃いた。少年ピーターのために作ったネバーランドは、亡くなったピーターの父が行ってしまった世界なんだって。父が行き、そして母も行ってしまうけど。
 永遠の世界と死後の世界、生きている世界は絶えず変化を遂げている。そしてネバーランドは、永遠で何も変わらない。父の愛情も母の愛情も、どこにも行かない。そして、これから生きようとする子どもたちに、この世とあの世を行き来する自由を授ける。ただ生きつづけるからこそ、生きるものにファンタジーとして展開されるほかない。ある意味での想像力が生命力。この映画の感動は、現実よりも夢を描くほどの現実感、なんだと思う。
 もちろん、ピーターパンなんだから、ほりゃ、シンドロームと言われるくらいで、ピーターにしてもシンデレラにしても、大人になれない大人だとか、王子様を待ち続ける夢見る乙女だったり、そんな現実逃避的な症候群にされちゃって、ましてや症候群までがある意味での私探しのレッテルみたいな安心証明書にもなっているけど、そういう世の中の方が現実離れしていると逆に思いません?
 だいたい、逃避というものを、あたかも太鼓判を押すように、すべて悪いことであるとか、逆に私らしき個性だとか、そういう直情的な解釈があること自体がおかしいのよね。逃避とは、自己防衛の単に一手段でしかないでしょう。これが理解できなければ、あの愛すべき現実逃避映画「アメリ」の素晴らしさは伝わってこないはず。逃避してそこで何をする、それがなければ何も始まらない。

 そして、このネバーランドは、現実のなかで現実感をともなわずに生きがいもなく生きることから、空想という大いなる武器で、死後の世界をファンタジー化し、現実をくるんぱと裏返す。で、そこに生きる糧を見つける、しかも自分らしい生き方を。
 おかしな「自分って何」みたいな自己探求面した、自分隠しや自分騙しとは全く逆なんじゃないかな。


 とにかく、いい映画だったなあ。私は、これを見て、ついつい「ピーターパン」を読み直してしまった。
 そうそう、注意。和訳されている「ピーターパン」の文庫版は、大きく二種類あるから気をつけましょう。もともとの「ピーターパン」と「ピーターパンとウェンディ」と。後者が、あのディズニーのアニメでも有名なストーリー。タイトルが日本では、どちらも「ピーターパン」あるいは「ピーターパンの冒険」だったりして間違いやすいので。さらに、そのバリーの原作がこの映画の原作ではありません。これも注意。


 ああ、そうそう、思い出した。先のダスティン・ホフマンだけど、ここでは、現実的ないいおじさんをやっているけど、あの味は、ピーターパン経験者ならではの味。なんせ、しかめっ面なのに、どこか漂うネバーランド人。なあんだ、そうじゃない、彼、「フック」の経験者だ。
 私たちもピーターになれないのなら、ティンカーベルやフックの経験を一度するというのも手かもね。

コメント

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1 ■ネバーランド

TBありがとうございます。
ジョニー・デップが少年の心を持った優しい大人を見事に演じていましたね。
子供たちが部屋のベッドで飛び跳ねて窓の外に行くシーンが印象的でした。
>さらに、そのバリーの原作がこの映画の原作ではありません。これも注意。
そうなんですかぁ。勉強になりました。

2 ■ジョニー・デップ

ジョニー・デップって、なんか不思議な役者さんです。年齢不詳って感じの。地球人じゃないかもしれません。

3 ■ジョニー・デップが・・・(^o^;

マジメにシリアスな役やってるのを久しぶりにみたような気がします(^o^;
チャリチョコの印象が深い中で、この映画を見るとピーター役の子はまだ小さくて子猫みたいだし、ジョニデはすっきり爽やかだしこんなに違うのか・・・と愕然としてしまいました(笑)
いい意味で見ている私を裏切る展開で、心が温かくなるような優しい気持ちにさせてくれた映画でした。

4 ■chibisaru様

うん、ジョニデとピーター役の子、この二人の関係、この映画があって、チャリチョコにも起用されたと思うのは、考えすぎでしょうか。
チャリチョコの世界が、なんとなくネバーランドにも思えてきました。

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