デスノート

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やっと暖かくなり始めた3月の終わり、優子は学校帰りに寄った喫茶店で一冊のノートを拾った。
真っ黒の厚手の大学ノート。
色を除けば何の変哲もない普通の大学ノートだった。
店員に声を掛けようとしたが、丁度忙しい時間帯で忙わしく動く店員に声を掛けるのが躊躇われた。

優子はつい好奇心からそのノートを開いてしまった。
ノートは、今年の3月の日付から記されている。
パラパラと捲ってみると、1ページに1記述のみ書き記されているようだ。
優子は少しだけ躊躇ったが、好奇心の誘惑に負けて最初のページを開いて読み始めた。

「3月4日。

今日、パパが死んだそうです。」

うわ!

いきなりの衝撃的な文章に思わず声が出そうになった。

優子は深呼吸して、もう一度ノートの表裏を確かめてみたが
何の記述もない。
一体誰のノートなのか確かめる術がなかった。
優子は今度こそ本気で躊躇した。

しかし、やはり好奇心に負けた。
2ページ目を捲って読んだ。

「3月9日

今日、ずっと入院していたお隣のお兄さんが病院で死んだそうです。」

うわ~!

優子は声にならない声をあげかけて、慌てて両手で口を押さえた。
優子の友人の従兄も同じ日に亡くなっていたのだ。
震える手で次のページを捲る。

「3月14日

私をいじめていた太郎君が死ねばいいのにと思っていたら、死んだそうです。」

優子は絶句した。

同じクラスの木村太郎が同じ日に事故で死んでいた。
ドンドン優子の身近に迫って来ている。
水を飲み干し、まだ震えが収まらない手で次のページを捲った。

「3月19日

ママが人を殺したそうです。」

血の気が引いた。
同じ日に優子の家の近所で不審死をしたホームレスがいた。

(次の日付はきっと今日だ。恐い!でも、見たい…。)

好奇心に負けて、ブルブル震えながらページを捲った。

「3月24日

優子なんか死んでしまえばいいのにとみんなが思っているそうです。」

いや~!

思わず声が出た。

周りの客の視線が痛いが構っていられない。
慌てて次のページを捲った。

「3月29日

都合により内容は未定です。」

はあ?

次のページ!

「4月4日

都合により内容は未定です。」

次のページ!!

「4月9日

都合により内容は未定です。」

次!!!



こ、これゎ~


















【です。ノート】

ですか~?。


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