百鬼夜行抄 外伝 3-5

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”あ、い~や、ほ、い~や、ハイサイおじさん♪ハイサイおじさん♪・・・”


いきなり歌い踊り始めた老夫婦に一同が唖然となった。


そのうち若夫婦連れの子供が手拍子を始め、そののち一緒に踊り始めた。


何がなんだか解らないうちに賑やかな食卓といった雰囲気になった。


調子に乗った老夫婦は無理やり皆を踊らせようと椅子から立ち上がらせて囃し立てた。


あれよあれよと云う間に居間に居る全員が歌い踊るハメになったが、僕は勿論無視を決め込んだ。


物の怪に付き合っていられるかって~の。


妖怪1匹と朱雀も一緒になって踊っていたが、朱雀は一応老夫婦の行動に目を光らせている様だ。


妖怪は取り敢えず皆の調子に合わせて踊っていたが、どことなく落ち着きがなく怪しい感じを醸し出していた。


後ろで繰り広げられている喧騒をよそに僕は”妖刀春雨”が無くなった事について考えていた。


まあ、犯人は間違いなく妖怪だ。


母が出かける前に洗面所に行く振りをして盗んだんだろう。


しかし、何故ここに妖刀春雨がある事を知っていたのか?


また、それがある場所を何故しっていたのか?


しかも妖刀春雨は僕と僕の式神の朱雀以外が持つと重さが何百キロにも感じられて殆ど誰も持てないはずなのに。


その目的は一体なんだろう?


ツラツラそんな事を考えながら踊る物の怪を眺めていた。


なかなか終わらない物の怪の宴会?に痺れを切らして今日子(朱雀)が老夫婦に言った。



「あの~、これ、何なんですか~?」


老夫婦はそれに答えようとしなかったので今日子が少しムキになって声を荒らげ気味にもう一度聞いた。


「スイマセ~ン、これ、一体何なんですか~?」


すると、まただ・・面倒くさい事が始まった・・・老夫婦の顔が一瞬で引きつり、次第に変化が起こって・・・・


たった今迄温和な感じの老夫婦が化け物に変身してしまった。



「ぐわ~~~~~~~~!!!」


急な変身と不気味な雄叫びに・・・・


「きゃ~!」


若夫婦と子供が逃げ惑う


「あ~~~~もう!一体何なんだ!!」


かなりウンザリしてきた僕が化け物向かって叫んだ。



「返せ~~~~!孫を返せ~~~~!返せ~~~~!」



あらま・・・誘拐されたのはこの老夫婦の孫だったのか?


どうなることやら・・・ちょっと興味津々で眺めていると、若夫婦の嫁さんの方に変化が現れ始めた。


「ぐあ~~~~~~~!!!!喧しい~~~~~!!!!この子はもう私のものじゃ~~~」


あらら・・・コイツは鬼子母神じゃないか~!!!



「おいおい、どうでもいいけどここで取って喰うとかやめてくれよ!」



ちょっと横槍を入れてやった。



「関係ないやつは引っ込んでおれ~~~~~!!!!」



あらら・・・怒られちゃった・・・



「ぐあ~~~~!!!返せ~~~~!」



「うるさ~い、もう私のものじゃ~~~」





ヒソヒソ・・・

「おにま・・・これどうなってるの?」


「うん?ああ、あの子は老夫婦の孫だったらしいね。その子をあの若夫婦が誘拐したみたいだな。」


「えっ?そんな・・・・ひどい・・・・」


「う~ん・・・それより、なんでここに集まったんだろ?どういう作為があるのか、そこが問題だな。」


「作為?何それ?」


「だってこんな偶然起こるはずが無いじゃないか。」


「・・・そうだね・・・変だよね。」



なんてヒソヒソ話している間も物の怪同士はやりあっていた。



やりあってはいたけど、この物の怪同士は実体がある物の怪では無いので単にわ~わ~わめきあっていただけだが・・・


実体がある方の物の怪(妖怪)はじっと成り行きを見ているだけだった。


・・・果たして妖怪の正体は何なのか?


誘拐された子どもと、老夫婦、鬼子母神夫婦、はどうなるのか?


盗まれた妖刀春雨はどのように関係してくるのか?


・・・まったく、今、思いつかないので・・・・




続く・・・のか?
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