(有)AKB探偵社 7 

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ここは秋葉原。


オタクの聖地。


もっとも最近では色々な人種が入り乱れてごった煮の様相を呈してはいるが・・・


我が(有)AKB探偵社はその秋葉原で老舗の探偵社になってきた。


依頼は人を問わず受けるし(貧乏人には貧乏人向けのお手軽調査があるのさ♪)他の探偵社に比べてはるかに仕事が早い(まあ・・・手抜きという言い方もある♪)人気の探偵社だ。


しかし、最近になって「大川端探偵社」や「匿名探偵」等、新興の探偵社が幅を効かせ始めて、我が(有)AKB探偵社はちょっと不景気気味だ。


なんせあちらは「オダギリジョー」とか「高橋克典」とか探偵の名が売れている。


名も無き探偵は辛いところだ。


それでも老舗は老舗だ。


今日はなぜ我が(有)AKB探偵社が老舗になったのか、その訳を話そう。





今日も1日暇を持て余し事務所で昼寝三昧・・・


う~む・・・これはホントにちょっとまずいぞ・・・と、思っていた営業時間終わり間際に何日ぶりかの客(依頼人)がやってきた。


「こんばんは。・・・・まだよろしいですか?」


「ようこそ!どうぞ、どうぞ。・・・こちらにお掛け下さい。」



事務所中央に置いてあるソファーに案内して、久々の客だったのでコーヒーまでごちそうしてやった。・・・もちろん、インスタントだ。


「それで、本日はどのような依頼でしょうか?」


出されたコーヒーに口をつけ、一息入れながら・・・


「はあ・・・その・・・」


決心がつかないのか口ごもりまたコーヒーに口をつける。


そんなにインスタントが好きなら幾らでもごちそうしてやるから、さっさと話せ!って言ってやりたいところをグッと辛抱して・・探偵社の常套句を言ってやる。


「大丈夫ですよ。探偵には守秘義務があるので、ここでのお話は決して漏らしません。安心してお話下さい。」


もちろん探偵にそんな守秘義務はない。


だがこの一言で依頼人が皆、口を開き始める探偵の魔法の言葉だ。


「はあ・・・それじゃ・・・」


ほら、な♪


「・・・私の初恋の相手を探して頂きたいのですが・・・」


ふ~ん・・・まあ、面倒くさい依頼だけど普通の依頼だな。


「はい・・・失礼ですがお年はお幾つになられますか?」


「あ、はい、今年で還暦を迎えます。」


「そうですか・・・そうなるとかなり昔の話になりますね。何か手がかりになるものはありますか?」


「い、いや・・・昔の話ではなく、最近の話なんです。」



はあ?は~~あ?60ジジイの初恋の相手が最近だ~?



「え、いや、あの、初恋のお相手なんですよね?」



「キィ~~~!!!!やっぱりあんたも他の奴らと同じか!!!初恋が60手前で何が悪いんじゃ!!!」


「あ、いえ、全然悪くないですよ。落ち着いて下さい。ちゃんとお探ししますので。」


「あ、・・・失礼した・・どこに行っても笑われて馬鹿にされたもので・・・」


まあ、そうだろ~・・・しかし、またこんな客かぁ~・・・


「いやいや、まあ、世間の常識なんて気にする必要は無いですよ。お若い証拠です。」


「あ、ありがとう!そう言って貰えるとホッとします。」


「それで、何か手がかりになるものはありますか?」


「あ、はい。これです。」


還暦男が出して来たのは古びたドーナツ盤のレコードだった。


「さわだせいこ・・・さん?」


「ちが~~~~う!!!それは沢田聖子と書いて、<さわだしょうこ>と読むんだ。」


うっわ~・・・これはやっぱ普通じゃないぞ・・・


「あ、落ち着いて。わかりました。さわだしょうこ、さんですね。」


「う、うむ。そうじゃ。」


「で、その沢田聖子さんが手がかりなんですか?」


「そうじゃ、その人が初恋の相手じゃ。」


は~~~~あ?・・・わからん、全くわからんぞ。このジジイボケてんのか?


「あ、あの・・・最近の話だとおっしゃいましたよね?しかし・・このレコードはかなり昔のものだと思いますが・・・」


「何を言ってるんだ。それは最近買ったレコードだ。昔はレコードなどありゃーせんかったぞ。」


あ、いかん・・・完全にボケてやがる。


「はあ、そうですね。失礼しました。で、この沢田聖子さんをお探しすればいいんですね?」


「そう、お頼みしたい。今どこに住んでるのかわからないのじゃ。」


そりゃわからんだろうさ。芸能人の住所おいそれと知れ渡ったら大事だろ。


「解りました。お住いをお調べすればいいのですね?・・・但し、調査してもわからない可能性がなきにしもあらずですが・・・よろしいですか?その場合も調査費用はいただくことになりますが・・・」


「もちろん、それは分かってます。別に今更どうこうしようと言うわけじゃないのじゃ。ただ初恋の相手がどうしているのか知りたいだけなのじゃ。」


「はあ、ちょっと失礼を承知でお聞きしますが、どこでお知り合いになられたんでしょうか?」


「オホホホ・・恥ずかしい事を聞きなさるな~・・・まあ、良い。丁度1年前の今頃、あるホテルで食事をしていた時じゃ、この子が私に歌を歌ってくれてな、その時話を色々してくれて・・・まあ、一目惚れしてしまったんだ。」


「それでこの沢田聖子さんとお付き合いされたんですか?」


「ああ・・・どうしても歌を聞きに来て欲しいと云うことで、何回もアチコチ聞きに行ってやったもんじゃ。」


・・・・要約すると、ディナーショーに行って、その後コンサートをはしごした・・・だけじゃねーか!


「解りました。では、調査は1周間でよろしいですか?それ以上やってもダメな時はダメなので、それくらいがよろしいかと。」


「はい・・それでよろしくお願いします。・・・いや~どこも引き受けてくれなかったので本当にありがとう。」


「イエイエ、仕事ですから。それで料金ですが、このような調査は前金制になりますがよろしいですか?・・・1日15000円換算で10万5千円プラス、報告時に実費の精算という感じで・・」


「もちろん、構いません。・・・では・・・11万からで良いですか?」


おほ?ちゃんと金持ってるんだ!こりゃ~お客さんだな・・・


「はい・・・5千円のお釣りです。有難うございます。あ、申し訳け無いですが領収書は出せませんがよろしいですか?」


あとでジイさん世話してる奴が領収書持ってきてジイさんボケてるので依頼はなしで金返せ!って言われたら困るもんでね。


「ああ・・構いません。それではよろしくお願いします。」


「はい、では1週間後に。」


さて、適当に報告書だけ書いとけばいいだろ。


ちょいちょい書き書き…で、10万円也かぁ~

いい商売だろ?ふふふ…


ホントに探したら…ボケ老人のストーカーなんて沢田聖子さん大迷惑だし。


まったく・・・こんな客ばっかりなんだよな~アキバって・・・


だから秋葉の探偵事務所はみんな何処か移ってしまうんだよな~。


そんなわけで、秋葉の探偵社はうちだけになってしまったのさ。


だから我が(有)AKB探偵社は秋葉原で老舗の探偵社になったのだ。










??何、オチ??


何言ってんの?


今日は我が(有)AKB探偵社が秋葉で老舗の探偵社になった訳を話そうって言ったじゃないか。


だからちゃんと話したろ?


いつも言ってるじゃないか。







ここは


A・・・・・あんたが

K・・・・・きっと

B・・・・・バカを見る

AKB探偵社!だって。




ようこそ!



閑話休題
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