ありふれた結末




宝塚菊夫は天才の名を欲しいままにする程の医療機器の開発者だった。

彼が開発した技術のほとんど全てが会社の持つ特許へと変貌を遂げた。

20代後半には彼の資産は裕に10億を超えた。

彼はその時、何ら躊躇することなく辞表を提出した。

勿論、会社は必死になって慰留に務めたが彼の決心は揺るがなかった。



彼は資産を惜しげもなく投資して自らの究極の願望、夢の機器の開発に没頭した。

彼の夢の機器・・・それは・・・

服だけが透視出来るMRI・・・

そう、彼はただのスケベな奴だったのだ。

天才的なスケベは、機器その物の開発にはほんの1年で成功した。

彼にとっては造作も無いことだった。

技術的には開発と云うよりは逆に性能を落としただけの機器だったから・・・

しかし、ここからが彼の苦悩の始まりだった。

MRI独特の爆音の消音に彼は10年間を費やす事となった。

やっとの思いで消音に成功した彼に待っていたのは小型化の試練だった。

この作業にも彼は10年を費やす事となった。

彼が夢のカメラの開発に着手して、21年目・・・

遂に彼は念願の透視カメラの開発に成功した。

まずは近所のコンビニでテストを行なった。

携帯電話型に設計した超小型透視カメラを携帯での会話を装い使用した。

自宅へ戻りPCに接続して撮影した映像を確認した彼は思わず涙した。

辛く長い21年であった・・・

彼は究極の目標・・・愛するアイドルの桜山静子の撮影を決行する決心をした。



しかし・・・桜山静子は既に結婚して芸能界を引退していた。

研究バカでそんな事に気づかなっかった自分を彼は笑うしかなった・・・・



次の日から、彼はほぼヤケクソで繁華街を撮影しまっくた。

来る日も来る日も彼は撮影し続けた。し続ける以外彼にはやることがなかったのだ。


そんなある日・・・


いつものように彼は撮影に出かけた・・・

ところが、街中へ出たとたん彼の周りの女性達が悲鳴を上げて逃げ惑った・・・



「キャーキャー・・・やだ!変態!」

「近寄らないで!Σ(゚∀゚ノ)ノキャー」



そんな馬鹿な・・・このカメラの事がバレるはずはない!

彼は周りの女性たちが何故このカメラに気づいたのかわからなかった。

そうこうするうち、騒ぎに気づいた警官がやってきた。

警官は彼を見るなり手錠を取り出し彼の手に掛けた。



「猥褻物陳列罪で逮捕する!」



(メ・ん・)?(メ・ん・)?(メ・ん・)?


猥褻物陳列罪?????







しまった!






みんな裸だったから・・・服着るの忘れた・・・・








勿論、警察で透視カメラも発見され・・・



宝塚菊夫は天才的技術者からただの変態に敬称が変更された。



閑話休題
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